小沢剛展 オールリターン—百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる @ 弘前れんが倉庫美術館


小沢剛《帰って来た S.T.》(部分)2020年

 

開館記念 秋冬プログラム
小沢剛展 オールリターン—百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる
2020年10月10日(土)- 2021年3月21日(日)
弘前れんが倉庫美術館
https://www.hirosaki-moca.jp/
開館時間:9:00-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:火(祝日の場合は翌日に振替)、年末年始(12/26-1/1)
ゲスト・キュレーター:三木あき子

 

弘前れんが倉庫美術館では、ユーモアと機知に富んだ視点から歴史や社会を批評する作品で知られる小沢剛の個展『オールリターン—百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる』を開催する。2018年より約2年の歳月をかけて完成した本展のための新作を中心に、《帰って来た》シリーズ全5作品を再構成し、一挙に公開する。

小沢剛(1965年東京生まれ)は、1980年代後半より旅で訪れた世界各地の風景に自作の地蔵を建立し写真に収める《地蔵建立》、日本の貸し画廊システムを風刺し、若いアーティストの展覧会を牛乳箱の中で開催する移動式ギャラリー《なすび画廊》、参加者とのコミュニケーションを通して作品や状況を作り上げていく《相談芸術》など、日常や社会に目を向け、制作過程に人々との関係性を取り込んだ活動を展開する。上述したシリーズのほかにも、日本美術史上の名作を醤油で描いた《醤油画資料館》、世界各地の食材を組み合わせてつくられた武器を手にする女性のポートレート《ベジタブル・ウェポン》などが代表作として挙げられる。これまでに『Cities on the Move』(1997-1999)や横浜トリエンナーレ2001、第8回イスタンブール・ビエンナーレ(2003)、第50回ヴェネチア・ビエンナーレ企画展「Dreams and Conflicts (Z.O.U. – Zone of Urgency)」(2003)、ヨコハマトリエンナーレ2017など数々の国際展に参加。2004年に自身初の美術館での個展『小沢剛:同時に答えろYESとNO!』を森美術館で開催。以来、広島市現代美術館(2009)、福島県立美術館(2012)、豊田市美術館(2012)、千葉市美術館(2018)などで個展を開催。また、2007年にチェン・シャオションとギム・ホンソックとともにアーティスト集団「西京人」を結成、2016年には金沢21世紀美術館で展覧会『西京人—西京は西京ではない、ゆえに西京は西京である。』を実現している。

 


小沢剛《帰って来た K.T.O.》(部分)2017年 撮影:椎木静寧


小沢剛《帰って来た J.L.》(部分)2016年

 

東北地方初の大規模な個展となる本展に際し、小沢は弘前ゆかりの近現代の人物「S.T.」を題材とした《帰って来た》シリーズの新作を構想。弘前、青森県内、イランでのリサーチや協力者との議論、自身が教鞭を執る東京藝術大学や弘前市内の学生らとのワークショップ、展示など、約2年の歳月をかけて制作を行なってきた。また、本展では、2013年に第5回アフリカ開発会議を記念して開催された『小沢剛 高木正勝 アフリカを行く』(横浜創造都市センター)で発表した《帰って来たDr. N》をはじめ、《帰って来たペインターF》(資生堂ギャラリー、2015)、《帰って来たJ.L.》(さいたまトリエンナーレ2016)、《帰って来たK.T.O.》(ヨコハマトリエンナーレ2017)も再構成し、元煉瓦倉庫の空間を生かした劇場型のインスタレーションで発表する。さらには、シリーズの全体像に迫る。さらには、本シリーズの制作過程における旅を通したさまざまな協力者たちとの出会いや交流を記録した写真や参考書籍なども公開し、本シリーズの意味や可能性を多角的に掘り下げていく。

 


小沢剛《帰って来たペインターF》(部分)2015年 撮影:椎木静寧


小沢剛《帰って来たドクターN》(2013年)の制作風景

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