第14回「shiseido art egg」@ 資生堂ギャラリー


 

第14回「shiseido art egg」
西太志|2020年10月2日(金)- 10月25日(日)
橋本晶子|2020年10月30日(金)- 11月22日(日)
藤田クレア|2020年11月27日(金)- 12月20日(日)
資生堂ギャラリー
https://gallery.shiseido.com/
開館時間:11:00-19:00(日・祝は18:00まで)
休館日:月

 

資生堂ギャラリーは、当初2020年4月に開催を予定していた新進アーティストによる「新しい美の発見と創造」の応援を目的とした公募プログラム「shiseido art egg」の入選者による個展を10月より順次開催することを発表した。14回目の開催となる本年度は、215名の応募の中から選ばれた西太志、橋本晶子、藤田クレアが約1ヶ月間の個展に挑む。展覧会はすべて事前予約制となり、作家によるギャラリートークはすべて各展覧会開始後のオンライン配信となる。

昨年より「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」を新たな企業使命として定めた資生堂は、1919年に資生堂ギャラリーを開廊し、「新しい美の発見と創造」という活動理念のもと、アートによる美しい出会いや経験を人々に提供する活動を続けている。同活動の一環として、2006年に設立された「shiseido art egg」は、新進アーティストにギャラリーの門戸を開き、数多くの受賞者/入選者の表現を幅広い観客に紹介してきた。公募審査における要素として、制作テーマや作品のクオリティのほか、「資生堂ギャラリーの空間でなにをどのように表現しようとしているのか」が重視されており、実現した各個展を見る上での注目点のひとつとなる。本年度も例年と同じく、資生堂ギャラリーアドバイザーの伊藤俊治(東京藝術大学教授)、光田由里(美術評論家)のふたりと、資生堂社会価値創造本部の学芸スタッフが審査を担当、215名の応募の中から3名の入選者を選出した(審査員所感と各入選者への審査員評は公式ウェブサイトを参照)。すべての展覧会終了後に、歴代受賞者でもある美術家の今井俊介、詩人の大崎清夏、ジャーナリストで21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターの川上典李子の審査の下、資生堂ギャラリーの空間に果敢に挑み新しい価値の創造を最も感じさせたアーティストに、shiseido art egg賞が贈呈される。

 


西太志《明晰夢の案内人》2018年、《光の粒が海に浮かぶ》2018年

 

西太志|2020年10月2日(金)- 10月25日(日)
本年度最初の個展を担うのは、西太志(1983年大阪府生まれ)。虚構と現実の境界や匿名性をテーマに制作する西は、大画面による絵画作品とその描画の集積が物体化したような陶土を素材とした立体作品を通じて、世界に溢れる情報と自身の体験や記憶が混在した景色の具現化を試みる。2015年に京都市立芸術大学大学院を修了した西は、現在は静岡に拠点を移し活動しており、2016年には『シェル美術賞展2016』(国立新美術館)に出品、2018年には大阪で個展『NIGHT SEA JOURNEY』(GALLERY ZERO)を開催している。

 


橋本晶子《It’s soon.》(部分)2018年

 

橋本晶子|2020年10月30日(金)- 11月22日(日)
続く展覧会を担う橋本晶子(1988年東京都生まれ)は、植物やグラス、鳥などをモティーフに鉛筆で緻密に描写した鉛筆画を発表している。橋本のモノトーンの絵画は、ギャラリーの白い壁など展示空間に呼応しながら、光や時間、距離、気配など、空間に潜むもうひとつの風景を生み出し、鑑賞者に作品が創り出す静かな空間と現実の空間を行き交う体験をもたらす。橋本は2015年に武蔵野美術大学大学院を修了し、2018年には『It’ soon.』(Little Barrel、東京)と『Yesterday’s story』(Cité internationale des arts、パリ)のふたつの個展を国内外で実現している。

 


藤田クレア《閾 ~The smallest detectable sensation~》2018年

 

藤田クレア|2020年11月27日(金)- 12月20日(日)
第14回「shiseido art egg」最後の個展を担うのは、藤田クレア(1991年中国北京生まれ)。世の中に存在するさまざまな差異や境界線、変化するコミュニケーションのあり方に着目する藤田は、さまざまな素材を組み合わせ、動き、音などを用いて、「あいだ」に存在するエネルギー、リズム、距離、時間/歴史などを表現している。藤田は2018年に東京藝術大学大学院を修了し、現在も東京を拠点に活動。2018年には蘇州金鶏湖美術館の『交叉域 Cross Domain』、2019年にはミラノデザインウィーク『Resonance Materials Project 2019 〜Sensory〜』に参加している。

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