アサクサエンターテイメンツ「(それほどまでには)統治されないための芸術」@ アサクサ


Jacolby Satterwhite Avenue B (Danshoku) (2018)

 

アサクサエンターテイメンツ
(それほどまでには)統治されないための芸術

2018年9月22日(土)-9月24日(月・祝)
アサクサ:特設会場(東京都台東区寿2-10-16)
http://www.asakusa-o.com/
開廊時間:12:00-19:00
会期中無休

 

アサクサでは、ミシェル・フーコーの講演録「批判とは何か」(1978)を下敷きに、現代美術による知と権力への批判について考察する上映会、アサクサエンターテイメンツ「(それほどまでには)統治されないための芸術」を特設会場(東京都台東区寿2-10-16)で開催する。

大衆文化を地政学の視点から批評的に考察することを目指した今年2月の上映会に続き、本上映もまた、アサクサのこれまでの展示、上映プログラムにゆかりのあるアーティストの作品を中心にプログラムを構成している。それぞれが異なるスタンスでラディカルな態度を表明してきたアーティストの作品や参考資料を紹介し、現代美術における制度批判、狂気、脱中心化を進める言説やクィアの歴史、そして、今日の文化生産のあり方を考察する機会となることを目指す。出品作家は、来年のヴェネツィア・ビエンナーレ・スイス館の代表が決定しているポーリン・ボードリ/レナーテ・ロレンツ、前回に続く出品となるミヌク・イムヨシュア・オコンヒト・シュタイエルミン・ウォンに加え、参考資料として、ハンス・ハーケ草間彌生、そして、現在、アサクサの展示空間で作品を発表しているジェイコルビ・サッターホワイトの8組。

今回のアサクサエンターテイメンツでは、展示や上映だけでない、プロジェクト・スペースとしてのアサクサのアーティストの作品制作に関わる活動の一端も見ることができる。出品作家のヨシュア・オコンは、これまでにも環境問題に対する危機感が、グローバル・ガバナンスの経済的戦略のうちに機能する現状を指摘してきた。本上映では、アサクサも制作に関わった広大な埋立地の大自然を映し出すネイチャー・ドキュメンタリーを発表する(なお、オコンは10月20日からアサクサにて個展開催予定)。ドイツ民謡「もみの木の歌(O Tannenbaum)」が「赤旗の歌」に変わり、世界に伝播した過程を調査してきたミヌク・イムは9月30日に皇居周辺でパフォーマンスの発表を予定、大衆映画に埋め込まれたジェンダー、民族、文化的コードなどを摘出する作品で知られるミン・ウォンは日活ロマンポルノのリサーチのための来日を予定しており、両者はアサクサエンターテイメンツ初日のアーティストトークにゲストとして登壇する。

なお、上述の通り、アサクサエンターテイメンツ会期中も、ジェイコルビ・サッターホワイトの個展『イロモノボンデージ』はアサクサで開催している。日本初個展に際し、サッターホワイトの新作「アヴェニューB(男色)」とともに、鎌倉時代の絵巻「稚児之草紙」(複製)を展示している。

 

関連企画
アーティストトーク
ゲスト:ミヌク・イム、ミン・ウォン
2018年9月22日(土)16:00-19:00
会場:東京都台東区寿2-10-16(特設会場)
定員:40名(予約制)、無料
予約URL:https://support.asakusa-o.com/product/art-of-not-being-governed/

ミヌク・イム:もみの木の歌
2018年9月30日(日)
野外パフォーマンス(※ウェブサイト上でのストリーム配信を予定)
イベントURL:https://www.asakusa-o.com/live/

ジェイコルビ・サッターホワイト&男色『イロモノボンデージ』
2018年9月1日(土)-9月24日(月・祝)
アサクサ
http://www.asakusa-o.com/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:火、水、木、金

ヨシュア・オコン個展
2018年10月20日(土)-11月18日(月)
アサクサ
http://www.asakusa-o.com/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:火、水、木、金

Copyrighted Image