リリー・レイノー=ドゥヴァール『わたしの疫病(本のように公共的な身体)』@ アサクサ


 

リリー・レイノー=ドゥヴァール『わたしの疫病(本のように公共的な身体)』
2018年5月20日(日)-6月17日(日)
アサクサ
http://www.asakusa-o.com/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:火、水、木、金
共催:アンスティチュ・フランセ東京

 

アサクサでは、グルノーブルを拠点に制作活動のみならず、執筆・出版活動、教育など多岐的な活動を展開しているリリー・レイノー=ドゥヴァールの個展『わたしの疫病(本のように公共的な身体)』を開催する。本展は、50周年を迎える1968年5月へのトリビュートイベント『第6回「哲学の夕べ」-パリ五月革命をめぐって-』の一環として企画されており、同時開催として、アンスティチュ・フランセ東京にて、アサクサのキュレーションの下、レイノー=ドゥヴァールのインスタレーションと、ポーリン・ボードリ/レナーテ・ロレンツの映像作品の上映を行ない、5月19日には、レイノー=ドゥヴァールのアーティストトークを同会場で開催する。

リリー・レイノー=ドゥヴァール(1975年フランス、ラロシェル生まれ)は、友人や家族、自身が教える学生など身近な人々と疑似的に「劇団」を構成し、神話やアイデンティティー闘争の重要人物への婉曲的な接続を試み、こうしたパフォーマンスを「制度批判の慰みごと」の一形態と形容している。グラスゴー美術大学やナント美術学校に学び、2000年代前半より展覧会で作品の発表をはじめ、パフォーマンスの上演や映像作品のスクリーニングを行なう。現在はグルノーブルを拠点に活動している。近年、クンストハレ・バーゼル(2010)、グルノーブルのル・マガザン(2012)、ニューヨークのニューミュージアム(2014)、バンクーバーのオーデイン美術館(2015)、上海のK11(2015 ※アイザック・ジュリアンとの二人展)、クンストフェライン・ハンブルク(2016)、ボルツァーノのムゼイオン近現代美術館(2017)などで個展を開催、数多くの展覧会に参加している。2018年もすでにブリュッセルのC L E A R I N Gで個展を開催。ミュンヘンのハウス・デア・クンストで開催中の企画展『Blind Faith: Between the Visceral and the Cognitive in Contemporary Art』に参加。ソウルのアトリエ・エルメス、メルボルンのモナッシュ大学美術館での個展も控えている。そのほか、2009年にはフェミニスト出版社「Petunia」を共同設立。2010年よりジュネーヴ造形芸術大学教授を務める。

本展では、オクウィ・エンヴェゾーが総合ディレクターを務めた第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ「All The World’s Futures」(2015)で発表した「わたしの疫病 (小さくささやかで悪趣味な血みどろオペラ)」に続く作品を発表する。同作において、レイノー=ドゥヴァールは、エイズに関する自叙伝を端緒として、血液や精液によって広がる疫病が、個々の身体や社会に与える影響について語る。インスタレーション、ダンス、読書セミナーなど、さまざまな手法で展示空間に侵食する本作は、ジャン・ジュネ、マルグリット・デュラスらの小説やティクーンのテキストなど、数多くの著作を引用し、集団的な政治行動やアイデンティティー形成に関する議論を呼び起し、鑑賞者のうちに培養され、拡散することとなる。

 

 


 

関連企画
第6回「哲学の夕べ」-パリ五月革命をめぐって-
2018年5月19日(土)-6月10日(日)
アンスティチュ・フランセ東京
キュレーション:アサクサ
イベントURL:http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/nuit-de-la-philo-2018/

インスタレーション
リリー・レイノー=ドゥヴァール「My Epidemic (a body as public as a book can be)」
※アーティストトーク:5月19日(土)17:00-18:00

ビデオ上映
ポーリン・ボードリ/レナーテ・ロレンツ

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