小林耕平個展『あくび・指南』@ 山本現代


小林耕平『あくび・指南』イメージドローイング、2018年 ©️Kohei Kobayashi, Courtesy of YAMAMOTO GENDAI

 

小林耕平個展『あくび・指南』
2018年4月21日(土)-5月26日(土)
山本現代
http://www.yamamotogendai.org/
開廊時間:11:00-18:00(金曜のみ20:00まで)
休廊日:日、月、祝
※ オープニング・レセプション:4月21日(土)18:00-20:00

 

山本現代では、同ギャラリーでは3年ぶり5度目となる小林耕平の個展『あくび・指南』を開催する。

小林耕平(1974年東京都生まれ)は、オブジェクトやドローイングとテキストが相互に影響し合う軽妙なインスタレーションと、パフォーマンスや対話の様子を記録した映像作品で構成した展示空間を通して、能動的な鑑賞を誘う作品で知られる。2007年には『六本木クロッシング2007:未来への脈動』(森美術館)に参加。近年は個展『パランプセスト 記憶の重ね書き vol.4 小林耕平』(gallery αM、2014)や、『第一部 1974年に生まれて』(群馬県立近代美術館、2014)、『アーティスト・ファイル2015 隣の部屋--日本と韓国の作家たち』(国立新美術館、韓国国立現代美術館果川館、2015)、あいちトリエンナーレ2016、瀬戸内国際芸術祭2016、また、高橋耕平との二人展『遠隔同化-二人の耕平』(京都アートホステル クマグスク、2016)、『切断してみる。二人の耕平』(豊田市美術館、2017)などで作品を発表している。

寓話には「教訓」や「モラル(秩序)」が暗示されているのに対し、落語ではそうしたものが提示されず、「鑑賞者が秩序の外へ放り出される感じ」がすると述べる小林は、本展のイメージドローイングにおいて、ロシアの作家、イヴァン・クルイロフの寓話『白鳥と川魳(かわかます)と蝦(えび)』に登場する三匹を、本展出品の映像作品の筋に参照した古典落語『あくび指南』の登場人物に“置き換え”る。元の寓話から大きく離れ、まったく新しい場面として生まれ変わっているというのに、違和感を抱くことなく誘われるままに別の物語を読み取ろうとするとき、そこには何が起きているのだろうか。

本展では、東西に古くから伝わる寓話などから着想を得た新作のオブジェクト、小林とデモンストレーターがそれらのオブジェクトを鑑賞した際の対話の記録を映像化した3つの映像作品を発表。「物(オブジェクトやドローイング)や出来事(映像)を寓話の構造を借りながら鑑賞する方法を探る」、「既存の寓話を解体し、新たな寓話としての物や事を展示空間で起こす」ことをテーマに、寓話に示される教訓や秩序から解放された、まったく新しい視点の獲得を試みる。

 


「相手のルールにのっかる」2018年 ©️Kohei Kobayashi, Courtesy of YAMAMOTO GENDAI 撮影:渡邊寿岳


「人間以外のものを笑わせる」2018年 ©️Kohei Kobayashi, Courtesy of YAMAMOTO GENDAI 撮影:渡邊寿岳

 


 

ART iT Archive
Videmus(われわれが見る)――小林耕平「タ・イ・ム・マ・シ・ン」(文/平倉圭)(2012年12月)

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