©︎ Ryoji Ikeda Studio 画像提供:TARO NASU
2026年8月、韓国京畿道の龍仁にあるナムジュン・パイク・アートセンターは、現代美術の発展、相互理解、世界平和に貢献したアーティストを顕彰する第9回ナムジュン・パイク賞を、電子音楽作曲家でアーティストの池田亮司に授賞すると発表した。授賞式は、同館にて9月8日に開催。池田には賞金5,000万ウォン(約580万円)が授与される。
ナムジュン・パイク賞は、実験的かつ創造的な探求を通じて紛争のない世界を思い描いたナムジュン・パイクの活動の意義を現代のアーティストに奨励することを目的に2009年に設立された。隔年開催で、受賞者は受賞翌年に個展を開催。近年はブラスト・セオリー、トレヴァー・パグレン、CAMP、ジョーン・ジョナスらが受賞している。
池田亮司(1966年岐阜県生まれ)は、音、物理現象、数学的概念などを精密に構成し、感覚的かつ没入感のあるライブパフォーマンスやインスタレーションを発表してきた。近年の主な展覧会に、「data-verse」(ハイ美術館、アトランタ、2025)、「Ryoji Ikeda」(国立アジア文化殿堂、光州、2025)、「data-cosm [n°1]」(180 The Strand、ロンドン、2025–2026)、「Ryoji Ikeda」(エストニア国立博物館、タルトゥ、2024–2025)、「Ryoji Ikeda」(アモス・レックス、ヘルシンキ、2023)、岡山芸術交流2022、「池田亮司展」(弘前れんが倉庫美術館、青森、2022)、「data-verse」(ヴォルフスブルク美術館、2020)、「Ryoji Ikeda Solo Exhibition」(台北市立美術館、2019)、第58回ヴェネツィア・ビエンナーレなど。
審査委員長を務めた前ソロモン・R・グッゲンハイム美術館シニア・キュレーターで美術史家のジョン・G・ハンハルトは、「池田は、ナムジュン・パイクと同じように、観客にとっての冒険、瞑想空間、自らの経験や知識の地平を拡げる機会になるような、ハイブリッドな美的表現を学び、体験できる挑戦的かつ開かれた場を創り出している。そしてまた、パイクと同じように、池田は新たな芸術表現がもたらす未知と冒険を受け入れる、真の先駆者である」と評した。また、選考委員会のメンバーを務めた香港のVideotageの共同創設者兼芸術監督のエレン・ポーは、その推薦文において、「池田亮司の未来へのビジョンと、データ可視化、アルゴリズム処理、信号理論を含む最新技術への飽くなき探求こそ、まさにナムジュン・パイクが高く評価した先見的な探求と共鳴するものです。(中略)池田は、理解し難いインフラを感覚的に読み取れるようにすることで、市民のあいだに情報、監視、スケールに関する対話を開いた。彼の創造的で政治的意識の高い独創性は、パイクのレガシーと意を共にする」と記した。
上述のジョン・G・ハンハルトのほか、パク・ナムヒ(ナムジュン・パイク・アートセンター ディレクター)、アロン・シートー(ハーシュホーン美術館・彫刻庭園 デュプティ・ディレクター)、イ・スッキョン(ウィットワース美術館ディレクター)、サビーネ・ヒンメルスバッハ(ハウス・オブ・エレクトロニック・アーツ ディレクター)の計5名が審査員を務めた。
ナムジュン・パイク賞:https://njpart.ggcf.kr/boards/artists1
歴代受賞者
2024|ジョーン・ジョナス
2020|トレヴァー・パグレン
2018|CAMP
2016|ブラスト・セオリー
2014|ハルーン・ミルザ
2012|ダグ・エイケン
2010|ブルーノ・ラトゥール
2009|アン・ウンミ、イ・ソンテク、シール・フロイヤー、ロバート・エイドリアン・X
