第15回上海ビエンナーレのチーフキュレーターが決定


Power Station of Art on the bank of Huangpu River ©PSA Photo courtesy the Shanghai Biennale.

 

2024年11月6日、上海当代芸術博物館学術委員会は、来年11月に開幕する第15回上海ビエンナーレのチーフキュレーターに、ショアファストおよびフォーゴ・アイランド・アーツのディレクターを務めるキティ・スコットを任命したと発表した。

中国で最も長く続く国際展として知られる上海ビエンナーレの第15回展は、2025年11月8日から2026年3月31日まで上海当代芸術博物館を舞台に開催される。総合テーマは「Does the flower hear the bee?(花はミツバチを聞くのだろうか?)」。チーフキュレーターに就任したキティ・スコットは、「ミツバチが集まった際に互いにコミュニケーションをとり、知識を共有することは以前から知られてきましたが(中略)花もまた情報を集めていることが判明し、ミツバチの羽音を「聞く」ことで、より甘い蜜を分泌していることが理解されてきました」と語り、観客ひとりひとりがミツバチの羽音に耳を傾ける花のように、異なる知性の声を「聞く」ように呼びかけるテーマを設定した。第15回展上海ビエンナーレは、人間と非人間のような異なる知性が交差する領域を探求し、自然と文化の両方から学ぶことを通じて、作品と観客と環境との間に新しい感覚のコミュニケーションの構築を目指していく。

 


Kitty Scott, Photo courtesy the Shanghai Biennale.

 

キティ・スコットは、30年以上にわたり主にキュレーターとして現代美術の領域で活動。現在は上述したショアファストおよびフォーゴ・アイランド・アーツのディレクターとともに、国際美術館会議(CIMAM)のボードメンバーを務めている。スコットは1995年にロンドンのロイヤルカレッジ・オブ・アートを修了し、カナダ国立美術館(オタワ)の現代美術部門やサーペンタイン・ギャラリー(ロンドン)のキュレーターを歴任。2012年のドクメンタ13にエージェントとして携わり、同年、オンタリオ美術館の近現代美術部門のキュレーターに就任。同館在籍時の2017年には第57回ヴェネツィア・ビエンナーレのカナダ館のキュレーターとして、ジェフリー・ファーマーの個展のキュレーション、2018年にはリバプール・ビエンナーレの共同キュレーションを手がける。2020年から2022年までカナダ国立美術館(オタワ)の副館長およびチーフキュレーターを務めた。これまでに、フランシス・アリス、ケヴィン・ビーズリー、ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー、ポール・チャン、ピーター・ドイグ、シアスター・ゲイツ、ブライアン・ヤンゲン、ジャニス・カーベル、ラグナル・キャルタンソン、デュエイン・リンクレイター、ケン・ラム、ゴードン・マッタ゠クラーク、シルケ・オットー・ナップ、ロン・テラダ、ジンミ・ユーン、ヤン・ヘギュなどの個展を実現している。

 

第15回上海ビエンナーレ
「Does the flower hear the bee?」

2025年11月8日(土)-2026年3月31日(火)
チーフキュレーター:キティ・スコット
会場:上海当代芸術博物館

 


過去10年のテーマとキュレーター
2023年「Cosmos Cinema」
アントン・ヴィドクル
2020年「Bodies of Water」
アンドレス・ジャック
2018年「Proregress」
クアウテモック・メディナ
2016年「Why Not Ask Again」
ラクス・メディア・コレクティヴ
2014年「Social Factory」
アンゼルム・フランケ

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