都内50のギャラリーと美術館が集う「アートウィーク東京」が11月に開催


 

2021年11月4日(木)から11月7日(日)の4日間、東京の現代美術を牽引する都内50のギャラリーと美術館が一堂に参加するアートイベント「アートウィーク東京」が開催される。

「アートウィーク東京」は、日本の現代美術の創造性と多様性、またそのコミュニティを国内外に紹介することを目的に設立されたアートイベント。Take Ninagawa代表の蜷川敦子を共同設立者・ディレクターに、東京のアートのインフラを整え、都内に点在する主要なアートスポットを結びつけて、幅広い層が思い思いにアクセスできるような現代美術のコミュニティの創造の促進を目指し、2022年の本格始動を前に2021年秋にソフトローンチすることとなった。

その特徴のひとつは、バーゼル、香港、マイアミビーチで世界最大規模の近現代美術のアートフェアを開催しているアートバーゼルとの協力関係。これにより、国際的なネットワークの中に東京を位置づけ、日本の新しい世代のギャラリーやアートスペースを国際的なオーディエンスに紹介するプラットフォームの確立を目指す。一方、アデリン・ウーイ(アートバーゼル ディレクター・アジア)は、「アートバーゼルは長年に渡り、成長を続けるアジアのアートシーンの発展、インフラの整備に力を注いでおり、このプロジェクトはアートバーゼルのコラボレーションの理念を反映するものです」とソフトローンチにコメントを寄せている。また、日本の現代美術の振興と普及を主たる目的として2015年に設立した一般社団法人 日本現代美術商協会(CADAN)も協力に加わることで、そのネットワークを生かし、主に現代美術を扱うギャラリーやアーティスト・ラン・スペース44軒が美術館6館とともに集うこととなった。

 


左:アデリン・ウーイ © Art Basel 右:ユン・マ(「アートバス」企画)


左:塩見允枝子 撮影:植松琢麿 右:毛利悠子 撮影:新津保建秀


高山明 撮影:奥祐二

 

会期中には、アートウィーク東京の会場となるすべての美術館とギャラリーを結ぶ「アートバス」を4つのルートで運行。車内でのみ体験できる特別企画《都市を巡る声》を開催する。今年のソウル・メディアシティ・ビエンナーレでアーティスティック・ディレクターを務めるユン・マをキュレーターに、1960年代前半に短期間の活動ながら現在の即興演奏や電子テクノロジーを用いた表現に大きな影響を残したグループ・音楽、同グループのメンバーであり、フルクサスのメンバーとしても知られ、ことばと音を用いたパフォーマンス、作曲などを手がける塩見允枝子、これまでに《東京ヘテロトピア》(2013–)や《東京修学旅行プロジェクト》(2017–)など、東京の都市空間を舞台とした複数のプロジェクトを展開するなど、都市や社会に介入する演劇のあり方を模索してきた高山明、構築へのアプローチではなく、環境などの諸条件によって変化してゆく「事象」にフォーカスしたインスタレーションを手がけてきた毛利悠子が参加。ルートごとに異なる「声」を聞きながら、東京をめぐる体験となる(シャトルバスは約15分間隔で巡回。新型コロナウイルス感染症予防対策は東京都交通局の規定に準拠)。アートバスが乗り降り自由となり、会場となる美術館の割引や特典が受けられるアートウィーク東京(AWT)パスの購入は公式ウェブサイトを参照。

そして、開催に先立ち、アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT]が、日本の現代アートの美術史的文脈やその楽しみ方に焦点をあてたオンラインのトークシリーズの配信を10月より開始する。スピーカーには、片岡真実(森美術館館長)、アンドリュー・マークル(『ART iT インターナショナル版』副編集長)、ロジャー・マクドナルド(NPO法人AITプログラムディレクター)が登場。アートバスの参加アーティストでもある塩見允枝子のスペシャル・トークの開催も決定しており、1960年代、東京を舞台に行われたアートイベント「バス観光ハプニング」について語り、アートが都市空間に介入した当時の記憶をたどる。

 

アートウィーク東京
2021年11月4日(木)-11月7日(日)
開場時間:10:00-18:00(ただし、東京オペラシティ アートギャラリー、ワタリウム美術館は11:00から)
会場:美術館6館・ギャラリー44軒
AWT インフォメーションセンター:東京都港区南青山 5-4-30
主催:一般社団法人 コンテンポラリーアートプラットフォーム(JCAP)
協力:Art Basel(アートバーゼル)、一般社団法人 日本現代美術商協会(CADAN)
https://www.artweektokyo.com

 


アーティゾン美術館外観


森美術館 内観(センターアトリウム)画像提供:森美術館

 

参加美術館/ギャラリー・リスト
美術館
アーティゾン美術館
東京オペラシティ アートギャラリー
東京国立近代美術館
東京都写真美術館
森美術館
ワタリウム美術館

 


左:無人島プロダクション、加藤翼個展『Superstring Secrets』2020年 撮影:森田謙次 Courtesy of MUJIN-TO Production 右:青山目黒 撮影:藤川琢史


左:Take Ninagawa、展示風景『アンドロ・ウェクア』2021年 撮影:岡野圭 Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo 
右:TARO NASU ©️TARO NASU 撮影:岡野圭

 

ギャラリー
Gallery 38
4649
青山目黒
ANOMALY
WAITINGROOM
XYZ collective
MEM
オオタファインアーツ
カイカイキキギャラリー
KANA KAWANISHI GALLERY
カヨコユウキ
児玉画廊
KOTARO NUKAGA
ギャラリー小柳
小山登美夫ギャラリー
ギャラリーサイド2
THE CLUB
シュウゴアーツ
スカイザバスハウス
タカ・イシイギャラリー
タグチファインアート
Take Ninagawa
タリオンギャラリー
TARO NASU
東京画廊 +BTAP
ナンヅカ アンダーグラウンド
日動コンテンポラリーアート
ハギワラプロジェクツ
PGI
ファーガス・マカフリー 東京
Fig.
Blum & Poe
ペロタン東京
ポエティック・スケープ
Maki Fine Arts
MAHO KUBOTA GALLERY
MISAKO & ROSEN
ミサシンギャラリー
ミヅマアートギャラリー
無人島プロダクション
ユカ・ツルノ・ギャラリー
Yutaka Kikutake Gallery
ユミコチバアソシエイツ
rin art association @ CADAN 有楽町

 


左:シュウゴアーツ、展示風景『シュウゴアーツショー』2021年 撮影:武藤滋生 
右:ギャラリー小柳、展示風景『杉本博司「OPTICKS」』2021年 ©️Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Galery Koyanagi


左:ギャラリーサイド2 右:CADAN有楽町、展示風景『My Pick』2021年 撮影:坂本理

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