群馬青年ビエンナーレ2021、各賞発表


山本千愛《次にくる日のための-(One for coming days)》

 

2021年7月3日、群馬県立近代美術館は今月17日に開幕を控える公募展『群馬青年ビエンナーレ2021』の大賞を含む各賞の入賞審査を行ない、山本千愛のインスタレーション《次にくる日のための-(One for coming days)》を大賞に選出したと発表した。

群馬青年ビエンナーレは16歳から30歳までの若い世代を対象とした公募展で、1976年に設立された群馬青年美術展を引き継ぎ、91年以来隔年で開催されてきた。当初の募集予定は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、半年遅れることとなった今回は、全国から318 組(321名)から459点の応募があり、そのうち50名による50点が入選を果たした。審査員を務めたのは、荒木夏実(キュレーター/東京藝術大学准教授)、澤田知子(写真家)、鈴木ヒラク(アーティスト)、長谷川新(インディペンデントキュレーター)、鷲田めるろ(十和田市現代美術館館長)の5名。

山本千愛(1995年群馬県生まれ)は、2016年4月から現在まで「12フィートの木材を持ってあるく」という行為を繰り返し行なっており、2019年に活動拠点を群馬から愛知へと移す際にも、木材を持って徒歩で愛知県に移動した。大賞を受賞した《次にくる日のための-(One for coming days)》は、群馬から愛知、そして、愛知から福岡を目指し木材を持って徒歩で移動するというプロジェクトを記録した映像と日記などで構成したインスタレーション作品。同プロジェクトはCOVID-19の影響を受けながら進んだ結果、作家本人も意図しない形で福岡にたどり着くことなく山口で中断したままとなっている。同作は群馬県立近代美術館が100万円で購入し、同館のコレクションに加わる。

優秀賞には香月恵介の絵画作品《Lux #9》、奨励賞には川本早花の《美しいあなたになりたい》、木田陽子の《無痛》、下村奈那の《10cm を 1 秒とする(178-42-14)》、谷口智美の《地面からとおい場所》、中谷優希の《scapegoat》がそれぞれ選出された。また、協賛企業の株式会社原田・ガトーフェスタ ハラダによるガトーフェスタ ハラダ賞は、水戸部春菜の《We without words》。各賞受賞作品を含む全入選作品50点を紹介する群馬青年ビエンナーレ2021は、7月17日から8月22日まで、群馬県立近代美術館で開催される。

 

 

群馬青年ビエンナーレ2021
2021年7月17日(土)- 8月22日(日)
群馬県立近代美術館
http://mmag.pref.gunma.jp/
開館時間:9:30-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、8/9。8/16は開館)、8/10
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行状況によっては変更の可能性があり。

出展作家(五十音順)
飯島暉子、うしうしお、大塚裕貴、岡崎龍之祐、郭家伶、笠原悠介、香月恵介、上岡安里、上久保徳子、川田泰久、川本早花、川本仁紀、岸本正高、木田陽子、木下理子、キンマキ、後藤光利、サカイケイタ、Sari M Doi、渋谷七奈、島田千絵美、下村奈那、新開日向子、諏訪葵、高橋直宏、武田萌花、谷口智美、千々和佑樹、儲靚雯、土田翔、永井天陽、中塚文菜、中谷優希、根本祐杜、野中梓、華山直己、林修平、原本悠、深田拓哉、前田耕平、松元悠、光岡幸一、水戸部春菜、三好彼流、室井悠輔、安原千夏、山﨑稚子、山田玲華、山本千愛、吉田裕亮

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