ヨコハマトリエンナーレ2020が参加アーティストを発表


 

2020年4月13日、横浜トリエンナーレ組織委員会は7月に開幕を予定しているヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」の「展覧会」およびその前後に行なわれる「エピソード」に参加するアーティストおよび、トリエンナーレのタイトル「AFTERGLOW」をめぐるアーティスティック・ディレクターのラクス・メディア・コレクティヴによるテキストを発表した。

ヨコハマトリエンナーレ2020のアーティスティック・ディレクターに任命されたラクス・メディア・コレクティヴは、トリエンナーレを3年に1度開かれる展覧会としてだけでなく、終了後から次の展覧会に向けた約1000日間をかけて、世界の状況について特別な事業として捉え、昨年11月末のエピソード00を皮切りに始動し、参加アーティストのみならず、鑑賞者、その他さまざまな形でトリエンナーレに関わる人々の間で共有する「ソース」の公開などを展開している。

 

 

新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響を受けて、目まぐるしく状況が変わる中、ラクス・メディア・コレクティヴは、「横浜美術館とプロット48を「茂みを発生させる拠点」と考えてみてください。精神と想像力の生物学的多様性のための臨時避難所(シェルター)なのだと。私たちが「社会的距離」という新しい語彙を学び始めたまさにこの時期に、茂みのことを考えてみてほしいのですーーそれはパンデミックが広める排他的原則とはまさに正反対のものです。密度、没入、絡み合いといったイメージが頭に浮かびます。茂みの中を歩き回っているときに警戒心が高まるさまについて考えてみるのも面白いでしょう。そうしたときには、時間を経験する速度は遅くなります。変容した時間の経験は、共感というかたちをとることもあります。それは思いやりと同じくらい、他人に伝染りやすいものですーーそんなときには、接触や接触を認識している状態は、その伝染りやすいものを追放するようなこともなく、安全な状態へと戻るための鍵となります。それは、さまざまなかたちや性向をもつ生命を歓迎しているのです」(全文はこちら)と語る。

そんなラクスが空間を思考と感情の複雑なダイアグラムへと変えるような作品を提示してくれると期待し、ソースを共有する参加アーティストは、エピソード00に出演したイヴァナ・フランケ、イシャム・ベラダ、新宅加奈子、田村友一郎、ランティアン・シィエのほか、日本で初めて作品を発表するアーティストを数多く含む65組67名(2020年4月現在)。その大半が新作および本展のために作品を再構成して発表する。注目すべき特徴としては、現代美術の活動の中心と見られる欧米出身のアーティストが約1/4に対し、約半数を日本を含むアジア大洋州(アジア・オセアニア地域)出身、残りの約1/4を中東、中南米およびアフリカ出身のアーティストが占めている。また、参加アーティストの約半数を1980年代以降に生まれた若い世代が占めているのも本トリエンナーレの特徴のひとつとして挙げられる。(参加アーティストリストは最下部に表示)

 

ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」
2020年7月17日(金)- 10月11日(日)
2020年7月3日(金)- 10月11日(日)
https://www.yokohamatriennale.jp/2020/
会場:横浜美術館、プロット48、日本郵船歴史博物館
AD:ラクス・メディア・コレクティヴ

 


イシャム・ベラダ《Présage(予兆)》(スティル)2007年- © Hicham Berrada, © ADAGP Hicham Berrada, Courtesy the artist and kamel mennour, Paris/London, Photo by Hicham Berrada


ヨコハマトリエンナーレ2020 プレイベント「エピソード00 ソースの共有」新宅加奈子、パフォーマンス「I’m still alive」、撮影:加藤甫、写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

 

参加アーティスト
ハイグ・アイヴァジアン|Haig AIVAZIAN
ファラー・アル・カシミ|Farah AL QASIMI
モレシン・アラヤリ|Morehshin ALLAHYARI
ロバート・アンドリュー|Robert ANDREW
青野文昭|AONO Fumiaki
新井卓|ARAI Takashi
コラクリット・アルナーノンチャイ|Korakrit ARUNANONDCHAI
ローザ・バルバ|Rosa BARBA
タイスィール・バトニジ|Taysir BATNIJI
イシャム・ベラダ|Hicham BERRADA
ニック・ケイヴ|Nick CAVE
チェン・ズ(陳哲)|CHEN Zhe
ジェシー・ダーリング|Jesse DARLING
マックス・デ・エステバン|Max DE ESTEBAN
エヴァ・ファブレガス|Eva FÀBREGAS
マリアンヌ・ファーミ|Marianne FAHMY
アリア・ファリド|Alia FARID
ファーミング・アーキテクツ|Farming Architects
イヴァナ・フランケ|Ivana FRANKE
ラヒマ・ガンボ|Rahima GAMBO
ズザ・ゴリンスカ|Zuza GOLIŃSKA
アンドレアス・グライナー|Andreas GREINER
インティ・ゲレロ|Inti GUERRERO
ニルバー・ギュレシ|Nilbar GÜREŞ
ティナ・ハヴロック・スティーヴンス|Tina HAVELOCK STEVENS
ジョイス・ホー(何采柔)|Joyce HO
インゲラ・イルマン|Ingela IHRMAN
飯川雄大|IIKAWA Takehiro
飯山由貴|IIYAMA Yuki
岩井優|IWAI Masaru
岩間朝子|IWAMA Asako
金氏徹平|KANEUJI Teppei
川久保ジョイ|KAWAKUBO Yoi
レボハング・ハンイェ|Lebohang KGANYE
キム・ユンチョル|KIM Yunchul
エレナ・ノックス|Elena KNOX
ラウ・ワイ(劉衛)|LAU Wai
ラス・リグタス|Russ LIGTAS
メイク・オア・ブレイク(レベッカ・ギャロ&コニ―・アンテス)|Make or Break(Rebecca GALLO & Connie ANTHES)
タウス・マハチェヴァ|Taus MAKHACHEVA
カベロ・マラッツィ|Kabelo MALATSIE
ナイーム・モハイエメン|Naeem MOHAIEMEN
ジェイムス・ナスミス|James NASMYTH
パク・チャンキョン|PARK Chan-kyong
アモル・K・パティル|Amol K. PATIL
アリュアーイ・プリダン(武玉玲)|Aluaiy PULIDAN
レーヌカ・ラジーヴ|Renuka RAJIV
オスカー・サンティラン|Oscar SANTILLAN
サルカー・プロティック|SARKER Protick
佐藤雅晴|SATO Masaharu
さとうりさ|SATO Risa
レヌ・サヴァント|Renu SAVANT
ツェリン・シェルパ|Tsherin SHERPA
新宅加奈子|SHINTAKU Kanako
エリアス・シメ|Elias SIME
レイヤン・タベット|Rayyane TABET
竹村京|TAKEMURA Kei
田村友一郎|TAMURA Yuichiro
デニス・タン(陳文偉)|Dennis TAN
アントン・ヴィドクル|Anton VIDOKLE
オメル・ワシム&サーイラ・シェイク|Omer WASIM & Saira SHEIKH
ミシェル・ウォン|Michelle WONG
ランティアン・シィエ|Lantian XIE
ジャン・シュウ・ジャン(張徐展)|ZHANG XU Zhan
ジェン・ボー(鄭波)|ZHENG Bo

 


ニルバー・ギュレシ《鞍馬》(「知られざるスポーツ」より) (部分) 2009年 © Nilbar Güreş, Courtesy of Galerist


レボハング・ハンイェ《ケ・サレ・テン(今もここにいる)》(スティル)©LEBOHANG KGANYE, Courtesy of AFRONOVA GALLERY

Copyrighted Image