台北當代2020


Courtesy Taipei Dangdai

 

2020年1月17日から19日までの3日間にわたり、新規コレクターの開拓や東アジアを拠点とするアーティストやギャラリーの国際的認知を目的とするアートフェア「台北當代2020」が、初開催となった昨年に続き台北市内の南港展覧館で開催される(VIPプレビュー及びレセプションは1月16日に開催)。台湾、東アジア、欧米の現代美術を専門とするギャラリーを中心に昨年を超える99のギャラリーが参加する台北當代2020では、前回に続きディレクションを手がける共同設立者のマグナス・レンフリューに加え、中国の美術雑誌「LEAP」編集長でインディペンデントキュレーターのロビン・ペッカムを共同ディレクターに迎える。

アートフェアの核となる「Galleries」部門には、ガゴシアン、デイヴィッド・ツヴィルナー、ハウザー&ワース、ペースといったメガギャラリーを含むアートバーゼル常連のギャラリーや、アラリオ・ギャラリー、オオタファインアーツ、ククチェ・ギャラリー、小山登美夫ギャラリー、サリバン+ストランフ、タン・コンテンポラリー・アート、東京画廊、ワコウ・ワークス・オブ・アート、ワン&ジェイ・ギャラリー、そして、初参加となるスカイ・ザ・バスハウス、カイカイキキといったアジアを拠点とする有力ギャラリーなど75のギャラリーが出展する。エスリート・ギャラリーやTKG+をはじめとする台湾を拠点とするギャラリーはもとより、ロンドンのリチャード・ソルトーン・ギャラリーが1960年代のPUNTO(龐圖)国際芸術運動に関わった李元佳やアントニオ・カルデラーラ、香港と上海にスペースを持つエドワール・マラングが台北を拠点に活動するチョウ・ユーチョン、ライ・ヅーシャン、ヤン・チーチュアンを出品するなど、台湾国外のギャラリーによる台湾の近現代美術の紹介にも注目が集まる。

 


LuxuryLogico, Poetry of the Sun (2019) Courtesy Eslite Gallery


Li Yuan-Chia, Untitled (1958) Courtesy Richard Saltoun Gallery

 

個展形式限定の「Solos」部門は18のギャラリーが出展。ワダ・ファインアーツが、2005年に31歳の若さで亡くなりながらも、近年は日本国内のみならず第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展(2015)をはじめ日本国外での紹介も相次ぐ石田徹也、ソウルのギャラリー・パクがナムジュン・パイク、デュッセルドルフのジエス+ヘッケが東京に生まれ幼少期を日本で過ごしたヨナタン・メーゼ、台北のカロス・ギャラリーが台湾の新進作家のひとり、シュ・ズイチエンを個展形式で紹介するほか、アートフロントギャラリー、ギャラリーサイド2、STANDING PINE、ユカ・ツルノ・ギャラリーなども同部門に出展。開廊から8年未満のギャラリーのみが参加できる「Young Galleries」部門には、KOSAKU KANECHIKAを含む7つのギャラリーが出展する。

会期中に南港展覧館や台北市内で展開する「Installations」では、プ・ジヒョン(アラリオ・ギャラリー)、ラグジュアリー・ロジコ(エスリート・ギャラリー)、ツェ・スーメイ(エドワール・マラング)、チャオ・ガン(イーチ・モダン)、ジュウ・ミン(カロス・ギャラリー)、チエン・ワンレン(ダブルスクエア・ギャラリー)、アイ・ウェイウェイ(チェンバース・ファインアート)が、フェアブースではできない大規模な展示を試みる。そのほか、テクノロジー、エコロジー、ポップ、トラディションをテーマとしたアーティストトークやスクリーニング、対談も開催される。

 


Ju Ming, Living World Series – Line up (2002) Courtesy Kalos Gallery


Ai Weiwei, Law of the Journey (Prototype A) (2016) Courtesy Chambers Fine Art

 

台北當代2020の開催時期には、台北市立美術館で、台湾現代美術の現在を概観できる『台北美術賞2019』やアピチャッポン・ウィーラセタクンの個展『The Serenity of Madness』、台北とその姉妹都市であるオーストラリアのパースのパース現代美術館との共同企画展『Island Tales: Taiwan and Australia | Taipei←→Perth』、台湾を代表する書家のドン・ヤンジーの回顧展『Moving Ink』を開催。台北現代美術館では、ファン・チェンホンとユキ・パンがキュレーションを手がけ、Chim↑Pomや風間サチコ、加藤翼、建築家の周防貴之らも参加している企画展『Co/Inspiration in Catastrophes』や、ショーン・ワン、大野由美子の個展『Epitomes』を開催。台中まで足を延ばせば、シュウ・ジャウェイとホー・ツーニェンがキュレーションを手がけたアジアン・アート・ビエンナーレ2019も2月9日まで開催している。

 

台北當代2020
2020年1月17日(金)- 1月19日(日)※VIPプレビューは1月16日(木)
https://taipeidangdai.com/
会場:台北南港展覧館

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