ターナー賞2019最終候補

2019年5月1日、テート・ブリテンは世界有数の現代美術賞として知られるターナー賞の最終候補に、ローレンス・アブ・ハムダン、ヘレン・カモック、オスカー・ムリーロ、タイ・シャニの名前を発表した。最終候補に残った4名は、ケント州マーゲイトのターナー・コンテンポラリーで9月28日から開かれる展覧会に出品する。

ローレンス・アブ・ハムダンがロンドンのチゼンヘール・ギャラリーでの個展とテート・モダンのタンクスで発表したインスタレーションとパフォーマンス、ヘレン・カモックがデリー/ロンドンデリーのヴォイド・ギャラリー、ダブリンのアイルランド現代美術館での個展、オスカー・ムリーロが第10回ベルリン・ビエンナーレの展示、ケンブリッジ大学のケトルズ・ヤードと上海のK11での個展、タイ・シャニがグラスゴー・インターナショナル2018の展示、リーズのテトリーでの個展、ノッティンガム・コンテンポラリーとベクスヒル=オン=シーのデ・ラ・ワー・パビリオンに巡回した企画展への参加が選考対象として高く評価された。

1984年に設立されたターナー賞は、展覧会をはじめとする過去1年間の活動実績を基に、活動拠点をイギリスに置くアーティストを対象とする現代美術賞。2017年に50歳未満という条件が撤廃され、ルバイナ・ヒミッドとハーヴィン・アンダーソンが最終候補に選出された。同時代のイギリス現代美術の一側面を切り取る最終候補の選考は、テート・ブリテンをはじめとするより幅広い観客を持つ美術機関で展示されることで、しばしば議論を引き起こしている。長きにわたり、テート・ブリテンを展示会場としてきた同賞は、2011年以降、隔年でロンドン以外の都市の美術機関を展示会場に使用しており、2019年は、賞の名前の由来ともなったJ・M・W・ターナーが愛した海辺の街、近年再開発が進むマーゲイトにあるターナー・コンテンポラリーで開催される。授賞式は12月3日で、BBCの中継の下、プレゼンターから受賞者の名前が発表される。受賞者には賞金25,000ポンド(約350万円)、そのほかの最終候補にはそれぞれ5,000ポンドが授与される。本年度の審査員は、ロンドンのガスワークス&トライアングル・ネットワークのディレクター、アレッシオ・アントニオーリ、同じくロンドンのショウルームのディレクターであり、ゴールドスミス・カレッジの視覚芸術学科講師のエルヴィラ・ヤンガーニ、ターナー・コンテンポラリーのディレクター、ヴィクトリア・ポメリー、主にファッションを専門とするジャーナリストのチャーリー・ポーターの4名。審査委員長はテート・ブリテンのディレクター、アレックス・ファーカソン(テート・ブリテン ディレクター)が務める。

一方、最終候補とともに、主なスポンサーとして、地元のバス会社ステージコーチ・サウスイーストの名前が発表されたことに疑問の声が上がっている。同社を傘下に置くステージ・コーチ・グループを運営する資産家ブライアン・ソーターは、反LGBT的な態度を公にしており、2000年には公的な教育現場での同性愛の助長を禁じた地方自治体法28条(通称:セクション28)をスコットランドで維持するためのキャンペーンに100万ポンドを出資している。2014年のシドニー・ビエンナーレにおけるトランスフィールド財団のスポンサー降板、テートやグッゲンハイム美術館のサックラー財団からの寄付拒否など、美術界とスポンサーの関係の見直しが迫られるなか、ターナー賞の判断にも注目が集まる。

 

ターナー賞https://www.tate.org.uk/art/turner-prize

ターナー賞2019
2019年9月28日(土)-2020年1月12日(日)
Turner Contemporary, Margate
https://www.turnercontemporary.org/

 

 


 


Lawrence Abu Hamdan, installation view of Earwitness Inventory at Chisenhale Gallery, London 2018. 95 sourced and custom designed objects/instruments, animated text, 29: 44 minutes, looped. Dimensions variable. Courtesy the artist and Chisenhale Gallery, London. Photo by Andy Keate.

 

ローレンス・アブ・ハムダン|Lawrence Abu Hamdan
選考対象:『Earwitness Theatre』(チゼンヘール・ギャラリー、ロンドン)
「Walled Unwalled」(テート・モダン タンクス、ロンドン)
「After SFX」(テート・モダン タンクス、ロンドン)

 

ローレンス・アブ・ハムダン(1985年ヨルダン、アンマン生まれ)は、その制作活動を通じて、「聴取の政治性」や、法律や人権といった領域における音や声の役割を探究している。音響と映像を用いたインスタレーションやレクチャー・パフォーマンス、音響アーカイブ、写真、テキストなどの形式を駆使し、徹底的な研究・調査を情動に働きかける空間体験へと変容させる。その活動は個人的な範囲に止まらず、アムネスティ・インターナショナルや子どもの権利を守る国際NGOディフェンス・フォー・チルドレン・インターナショナルといった人権団体や国際検察官に協力し、法的調査や歴史的調査のための聴覚証拠を集めるといった範囲にも広がっている。

選考対象となったのは、チゼンヘール・ギャラリーでの個展『Earwitness Theatre』、テート・モダンのタンクスで発表した映像インスタレーション《Walled Unwalled》、パフォーマンス《After SFX》。一連のプロジェクトは、アムネスティ・インターナショナルとフォレンジック・アーキテクチャーによる音響捜査の一環として、アブ・ハムダンがシリアのダマスカス近郊にある軍事刑務所、サイドナヤ刑務所の元・収容者に対して実施したインタビューを基にしている。感覚を完全に奪われ、暗闇での生活を強いられた状態だった6名の生存者に対し、アブ・ハムダンは聴覚記憶を呼び起こし、秘密刑務所の建物の構造を思い描き、そこで起きた出来事を理解するために音響効果を用いた。また、沈黙が暴力の現れでも犯罪の証拠の現れでもあるという状態に焦点を当てた、サウンド・インスタレーション《Saydnaya (The Missing 19db)》では、真っ暗な空間の中で、生存者の証言と再演されたささやき声が入り混じる。チゼンヘールの展示では、複数の裁判で係争中の音響証拠を使った音響効果をつくりだす95個のオブジェからなるインスタレーション《Earwitness Inventory》も併せて発表された。その音響が中心をなすテート・モダンで発表したパフォーマンス・レクチャー《After SFX》は、それらの裁判における音、イメージ、記憶、真実の関係を探究するもの。テート・モダンのタンクスで展示された映像インスタレーション《Walled Unwalled》では、プライバシーや不平等な人権をめぐる問題で取り沙汰されることが多い新しいテクノロジーを使うことで、壁越しの証拠しか残っていない複数の事件を相互に結びつけている。こうした調査は、アブ・ハムダンの語りや東ベルリンの3つのスタジオを繋げた舞台装置内でのパフォーマンス的な行為を通じて形が与えられる。

アブ・ハムダンは、ロンドンのミドルセックス大学、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ内センター・フォー・リサーチ・アーキテクチャーで学び、2017年に同大学から博士号を取得。現在は昨年のターナー賞最終候補となったフォレンジック・アーキテクチャーにも所属しながら、ベイルートを拠点に活動している。近年の主な個展に、『Earwitness Theatre』(セントルイス現代美術館、2019)、『Lawrence Abu Hamdan』(ヴィット・デ・ウィット、ロッテルダム、2019)、『Earwitness Theatre』(チゼンヘール・ギャラリー、2018)、『Walled Unwalled』(テート・モダン、2018)、『Hammer Projects: Lawrence Abu Hamdan』(ハマー美術館、2018)、『Earshot』(ポルティクス、フランクフルト、2016)、『Taqiyya』(クンストハレ・ザンクト・ガレン、2015)、《Tape Echo》(『POSITIONS #1』、ファン・アッベ美術館、アイントホーフェン、2014)、『Aural Contract: The Freedom of Speech Itself』(ショールーム、ロンドン、2012)などがあり、第58回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展「May You Live in Interesting Times」(2019)、シャルジャ・ビエンナーレ13(2017)、『Strange Attractor』(ボールルーム・マーファ、テキサス、2017)、第9回リバプール・ビエンナーレ(2016)、『British Art Show 8』(ヘイワード・ギャラリーなど、2015)、ニュー・ミュージアム・トリエンナーレ(2015)などで作品を発表している。2016年には作品集『[inaudible] A Politics of Listening in 4 Acts』を出版。同じく2016年にナム・ジュン・パイク賞、2018年にバロワーズ賞を受賞している。

 

 


Helen Cammock, video still from The Long Note 2018. Courtesy the artist.

 

ヘレン・カモック|Helen Cammock
選考対象:『The Long Note』(ヴォイド・ギャラリー、デリー/ロンドンデリー)
『The Long Note』(アイルランド現代美術館、ダブリン)

 

ヘレン・カモック(1970年スタッフォードシャー生まれ)は、調査対象に深く関与しながら、複数の要因が複雑に絡み合う社会的事象を歴史的に掘り下げ、映像や写真、プリント、テキスト、パフォーマンスなどの形で作品を発表している。その実践は、歴史の中に埋もれている周縁化された声、誰が誰の代わりに何を語るのかという問い、そして、自分自身の声を作品内で扱う物語にどのように反映するのかといった「声」を核に展開している。それはまた、断片的で非線的な物語を特徴とし、異なる場所、時間、文脈を行き交う物語を通じて、ひとつの場所で収まらないグローバルな関係の複雑さや個人と社会との切っても切れない関係を観客に認識させる。

選考対象となったのは、北アイルランド、デリーのヴォイド・ギャラリーと、ダブリンのアイルランド現代美術館で開かれた個展『The Long Note』。《The Long Note》は、カモックがヴォイドのコミッションを受け、ザ・トラブルズ(1960年代から1998年のベルファスト合意にまで及ぶ北アイルランド紛争)が始まった時期、1968年にデリー/ロンドンデリーで起きた公民権運動の歴史とその運動における女性の果たした役割について掘り下げた映像作品。カモックはさまざまなアーカイブ資料や、新たに制作された映像、カモック自身が当時の運動に意欲的に関わっていた女性たちや運動に影響を受けた人々に行なったインタビューを結びあわせて、女性たちの声を前景に置きながら、当時の物語の拡張、複雑化を目指した。カモックの説教くさくないインタビュー形式は、取材対象となった人々に編集や演出抜きで、曲がりくねった結論のでないひとつの現実について語らせている。《The Long Note》を通じて、1968年のデリー/ロンドンデリーという特定の場所、時間が、現在もさまざまな形でつづく同じような運動が掴みきれていないものやより幅広い世界的な公民権運動を映す鏡となっている。

カモックはソーシャルワーカーとして働いた後に、ブライトン大学とロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、現在はロンドンを拠点に活動している。2009年にロンドン女性図書館で複数のアーティストとともに同館資料を活用した企画展『Out of the Archives』に参加し、2013年にはホーリーブッシュ・ガーデンズのグループ展『Reach Out and Touch Me』に出品。その後も、オープンソース・フェスティバル、テート・ブリテンやサーペンタイン・ギャラリーのスクリーニング・プログラム、ブックワークス・ロンドン&フリーダム・フェスティバルなどで作品を発表。近年は『Shouting In Whispers』(キュービット・ギャラリー、ロンドン、2017)、『The Long Note』(ヴォイド・ギャラリー、北アイルランド、デリー、2018)、『Shouting In Whispers』(レディング美術館、2019)、『The Long Note』(アイルランド現代美術館、2019)といった個展を開催している。また、2018年にマックスマーラ・アートプライズ・フォー・ウィメンを受賞し、2019年にホワイトチャペル・ギャラリーで個展『Che si può fare』を開催した。

 

 


Oscar Murillo, installation view of Violent Amnesia at Kettle’s Yard, 9 April 2019 – 23 June 2019. Photograph by Jack Hems. © Oscar Murillo. Courtesy the artist and David Zwirner.

 

オスカー・ムリーロ|Oscar Murillo
選考対象:第10回ベルリン・ビエンナーレ
『Violent Amnesia』(ケトルズ・ヤード、ケンブリッジ)
『Zhang Enli and Oscar Murillo Duo Solo Exhibition』(K11、上海)

 

オスカー・ムリーロ(1986年コロンビア、ラ・パイラ生まれ)は、絵画やドローイング、彫刻、映像、ライブイベント、書籍制作、さまざまなコミュニティとの協働的なプロジェクトといった多角的な実践を展開している。ムリーロは個人的な歴史や制作過程に深く根ざした関心事として、素材、過程、労働といった観点に重きを置きながら、グローバル化した世界における移民、共同体、交換、貿易などを探求してきた。たとえば、スタジオにある布を再利用し、コラージュした、木枠に張っていないキャンバスの制作には、素材の探求の一端が窺うことができるだろう。ムリーロは両親とともに11歳でコロンビアからロンドンに移り住み、作品には自分自身の体験、家族の体験、そして、しばしばパフォーマンスにも参加する友人たちの体験も組み込まれている。そこには、ムリーロの生まれ育ったラ・パイラという工業都市の生活や文化、労働環境が作品の中に再び形を現している。

選考対象となったのは、ケンブリッジ大学内のアートギャラリー、ケトルズ・ヤードでの個展『Violent Amnesia』と、上海のchi K11美術館でのザン・エンリとの同時個展『Oscar Murillo | Zhang Enli』、そして、第10回ベルリン・ビエンナーレでのプレゼンテーション。ベルリン・ビエンナーレでは、トウモロコシと粘土を素材に、パンや石のように見える彫刻を製造する業務用オーブンを設置し、消費、労働、生命の維持といった問題を考察した。製造された彫刻は、うずたかく積み重ねられたり、あるいは、労働者のスローガンや国際貿易ルートがプリントされた腸のような形の布製に詰められ、こぼれ出している。ケトルズ・ヤードとchi K11美術館では、黒いキャンバスを用いたマルチメディア・インスタレーション《 Institute of Reconciliation》(2014-)を発表。2014年から継続する同作は、自分の家族が自宅に死体を搬送したことと航空機のルートが紛争地域を避けて飛んでいることに、テルアビブからバクーに向かう夜のフライトで気づいたことがきっかけとなっている。その黒いキャンバスは、現代における喪や紛争、不平等、抑圧の象徴を表している。

ロンドンのウエストミンスター大学とロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んだムリーロは、現在、ロンドンを含む複数の都市に拠点を置いている。2013年に個展『if I was to draw a line, this journey started approximately 400km north of the equator』(サウス・ロンドンギャラリー)で注目を浴び、2015年には第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展『All the World’s Futures』に出品。以降、第20回シドニー・ビエンナーレ(2016)、あいちトリエンナーレ2016、第13回シャルジャ・ビエンナーレ(2017)、第10回ベルリン・ビエンナーレ(2018)などに参加、『Condiciones aún por titular』(コロンビア国立大学美術館、2015)、『Dis Place』(YARATコンテンポラリー・アートセンター、バクー、アゼルバイジャン)、『Oscar Murillo | Zhang Enli』(chi K11美術館、上海、2019)、『Violent Amnesia』(ケトルズ・ヤード、ケンブリッジ、2019)などで個展を開催している。

 

 


Tai Shani, Installation view of DC: Semiramis at The Tetley, Leeds 2019 © Jules Lister. Courtesy the artist.

 

タイ・シャニ|Tai Shani
選考対象:グラスゴー・インターナショナル2018
『Semiramis』(ザ・テトリー、リーズ)
『Still I Rise: Feminisms, Gender, Resistance, Act 1』(ノッティンガム・コンテンポラリー)
『Still I Rise: Feminisms, Gender, Resistance, Act 2』(デ・ラ・ワー・パビリオン、ベクスヒル=オン=シー)

 

タイ・シャニ(1976年ロンドン生まれ)は、忘れ去られた歴史、物語、登場人物といった異なる要素を掘り起こし、ユートピア的可能性にあふれたダークファンタジー的な世界を、実験的なテキストを伴ったパフォーマンス、映像、写真、彫刻的インスタレーションを通じて発表している。複雑かつ豊かな語りとさまざまな色彩や形状の詰まったインスタレーションは、観客の心を不穏な雰囲気と神聖な雰囲気とともに揺さぶると評されている。

選考対象となったのは、グラスゴー・インターナショナル2018、ザ・テトリーでの個展『DC: Semiramis』、ノッティンガム・コンテンポラリーとベクスヒル=オン=シーのデ・ラ・ウォー・パビリオンで開かれた『Still I Rise: Feminisms, Gender, Resistance』でのプレゼンテーション。これらの展示では、シャニが4年以上をかけて展開している「Dark Continent」プロジェクトを中心に発表。この作品は、クリスティーヌ・ド・ピザンが1405年に執筆したフェミニズム理論の先駆的書籍とされる『Cité des dames(女の都)』の翻案に登場する架空の女性と実在した女性を参照した複数の登場人物で構成される。シャニはゴシック/サイエンスフィクションの視点を通じて「feminine(女性的な)」主体性や経験について考察するために、この女性だけの寓話的な都市の構造を利用する。歴史的出来事やフィクションや神話が複雑に絡み合うピザンの中世史観を翻案することで、「Dark Continent」は、異なる出典元から参照となるもの、言い回し、登場人物を大量に取り入れ、時間や家父長制の限界を超えた、精密な世界をつくりあげている。グラスゴー・インターナショナル、ザ・テトリー、ノッティンガム・コンテンポラリーが共同でコミッションした《DC: Semiramis》は、全12キャラクターが一堂に集まり、叙事詩的な群像劇を織りなしている。グラスゴー・インターナショナルとノッティンガム・コンテンポラリーでは、「Dark Continent」プロジェクトの異なる登場人物にそれぞれ焦点を当てたパフォーマンスを彫刻を配した舞台装置で連日にわたって披露した。ザ・テトリーでは、インスタレーションという形式を採り、没入的な舞台装置とともに、全12種類のパフォーマンスの映像記録と文章、ポスター、ラジオ劇を含む「Dark Continent」プロジェクトの全アーカイブを展示した。

独学で学んだシャニは、現在、ロンドンを拠点に活動している。ブリストルのアルノルフィーニやロンドンのリオ・シネマなどで作品を発表し、2013年にはゼロ・クライン・アンド・コーマで個展『Silver Fiat Vox』を開催。フランクフルトのシルン美術館で開かれた『DOUBLE FATURE』(2015)や、テート・ブリテンの『Painting With Light』(2016)、サーペンタイン・ギャラリーズの『Hilma af Klint: Painting the Unseen』(2016)といった展覧会の関連企画でパフォーマンスを発表するなど精力的な活動を展開している。2017年にはフローレンス・ピークとの協働展示として、ケンブリッジのワイジング・アーツセンターで『Andromedan Sad Girl』を開催。2018年には、アテネ・ビエンナーレ2018、グラスゴー・インターナショナル2018に参加、リーズのザ・テトリーにて個展『DC: Semiramis』を開催。2019年はトリノのサンドレット・レ・レバウデンゴ財団現代美術館で個展『DC: Psy Chic Anem One』を開催している。

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