《隕石が書く(S/M)#2》2023年、作家蔵、Photo by Chen Hsin Wei
鈴木ヒラク 今日の発掘
Hiraku Suzuki: Excavation Today
[会期]
2023 年9 月16 日(土)~ 12 月19 日(火)
[休館日]
毎週月曜日(ただし9/18、10/9、11/27、12/11、12/18 は開館)、
9/19、10/10、11/13~ 23、12/4~ 8、12/14
[開館時間]
午前9 時30 分~午後5 時(入館は午後4 時30 分まで)
[会場]
群馬県立近代美術館 展示室4、5
[観覧料]
一般300(240)円、大高生150(120)円
*( )内は20 名以上の団体割引料金
*中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1 名、群馬県民の日(10/28)に観覧される方は無料
[主催]
群馬県立近代美術館
[協賛]
株式会社ジンズホールディングス、アニエスベージャパン株式会社、株式会社ヤマト
[協力]
白井屋ホテル、rin art association
ドローイングの概念を拡張するアーティスト鈴木ヒラク、過去最大規模の個展
最新作によるインスタレーション、壁画や近年の代表作も
鈴木ヒラクにとっての線は、言葉と絵、こちら側とあちら側、自己と他者をつなぎ、相互浸透を促すメディアです。線をかく行為=ドローイングは、森羅万象にあまねく存在する(見えない)線の発掘であり、さらに線をトンネルのような中空の通路、あるいはチューブ(管)ととらえれば、人間と自然、主体と客体といった二項対立を越え、世界あるいは宇宙と一体化するための手段となります。
この展覧会は、最新シリーズ〈隕石が書く〉(2023 年)40 点による大規模なインスタレーションと、近作である〈Constellation〉(2018‒21 年)、〈Interexcavation〉(2019 年)各シリーズからの作品、そして現地制作される壁画などを組み合わせた、鈴木ヒラクにとって過去最大規模の個展となります。
〈隕石が書く〉 匿名の石が孕む宇宙的な記憶と呼応し、光の軌跡など様々な記号をとらえる「発掘」行為としてのドローイング
磯崎新の建築空間と響き合う、描くこと/ 書くことの起源と未来を探求するインスタレーション
フランスの思想家ロジェ・カイヨワの著書『石が書く』(1970 年)を参照したタイトルが示すとおり、〈隕石が書く〉は、宇宙空間を移動する石が反射する光の軌道など様々な記号を集積し、作家が身近な環境で拾った匿名の石が孕む膨大な情報と呼応しながら、人類史を遙かに超えた時間軸において生成され続ける線を新しい言語として画面に刻み込む試みです。
展示会場は、昨年末惜しくもこの世を去った建築家、磯崎新(1931‒2022)設計による当館の現代美術棟(1997 年竣工)です。磯崎は当館の建物を、作品が通り抜けていく空洞として構想しました。それと響き合うかのように、鈴木は展示室から展示室へ、描くこと/書くことの起源と未来を求めて、人類最古の壁画が残された洞窟から人知を超えて生成と消滅が繰り返される宇宙空間へと、線を連ねていきます。過去と現在が交差する瞬間=発掘として日々線を見出し、描く/書く行為を積み重ねる鈴木ヒラクは、ドローイングの概念を拡張し、現代における表現の可能性を更新し続けています。その現在地としてのインスタレーションを、どうぞ体感してください。
初日に鈴木ヒラクによるライブドローイング+トーク、会期中には鷲田めるろ氏(十和田市現代美術館
館長)とのトーク、FUJI|||||||||||TA 氏(サウンドアーティスト)とのライブなどを開催
本展にあわせて初のエッセイ『ドローイング 点・線・面からチューブへ』(左右社)が出版されるほか、会期中に本展覧会のカタログも刊行予定
《Constellation #23》2018年、個人蔵、Photo by Ooki Jingu
(右から順に)《Interexcavation #01,#02, #06,#05, #21》2019年、東京都現代美術館蔵、Photo by Dai Yanagiba
鈴木ヒラク Hiraku Suzuki
1978 年宮城県生まれ、神奈川県育ち。
2001 年武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。08 年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了後、
シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなど各地で滞在制作。
描くと書くの間を主題に、平面・彫刻・映像・パフォーマンス等によりドローイングの概念を拡張する制作活動を展開している。
09 年「愛についての100 の物語」(金沢21 世紀美術館)、
10 年「六本木クロッシング2010 展:芸術は可能か?」(森美術館)出品。
13 年「日産アートアワード 2013」ファイナリスト選出。
17 年「ヒツクリコ ガツクリコ ことばの生まれる場所」(アーツ前橋)出品。
同年「FID Prize」(パリ)グランプリ受賞。
19 年「MOT アニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」(東京都現代美術館)出品。
16 年より国際的なドローイング研究プラットフォーム「Drawing Tube」を主宰。
音楽家や詩人らとのコラボレーションやパブリックアートも多数手掛ける。
作品集に『GENGA』(2010 年)、『SILVER MARKER』(2020 年)など。
作品は金沢21 世紀美術館、東京都現代美術館、アーツ前橋のほか、
アニエスベー・コレクション(フランス)やロンドン芸術大学(イギリス)などに収蔵されている。
現在、東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス准教授。
本展にあわせて初のエッセイ『ドローイング 点・線・面からチューブへ』(左右社)が刊行される。
http://hirakusuzuki.com/
[EVENT]
ライブドローイング+トーク
Live Drawing + Talk
9.16 (Sat.) 15:30 ~ 16:00 展示室内 [要観覧券・申込不要]
クロストーク 鷲田めるろ(十和田市現代美術館館長/東京藝術大学准教授)× 鈴木ヒラク
Cross Talk: Meruro Washida x Hiraku Suzuki
11.4 (Sat.) 14:00 ~ 15:30 講堂 定員100 名(先着順) [聴講無料・申込不要]
主催:群馬県立近代美術館友の会
ライブドローイング ゲスト:FUJI|||||||||||TA(サウンドアーティスト)
Live Drawing with FUJI|||||||||||TA (Sound Artist)
12.2 (Sat.) 15:30 ~ 16:30 展示室内 [要観覧券・申込不要]
学芸員による作品解説会
Gallery Talk by Curator
10.8 (Sun.)、11.8 (Wed.) 各日14:00 ~ 15:00
展示室内 [要観覧券・申込不要]