アートウィーク東京、ディレクターズ・カンバセーションとシンポジウムを開催

2025年度のアートウィーク東京で開催されたシンポジウム「WHAT’S GOING ON(愛のゆくえ)──アートはいかにして現実をとらえるか」の会場の様子 登壇者(写真左から):アンドリュー・マークル、アダム・シムジック、岡村恵子、ナオミ・ベックウィズ Courtesy Art Week Tokyo.2025年度のアートウィーク東京で開催されたシンポジウム「WHAT’S GOING ON(愛のゆくえ)──アートはいかにして現実をとらえるか」の会場の様子 登壇者(写真左から):アンドリュー・マークル、アダム・シムジック、岡村恵子、ナオミ・ベックウィズ Courtesy Art Week Tokyo.

 

東京都内の美術館やギャラリーを無料のシャトルバスで結び、東京のアートシーンを国内外に発信するアートイベントとして定着してきた「アートウィーク東京(AWT)」では、今年のトークプログラム「AWT TALKS」として、11月5日に東京都現代美術館でディレクターズ・カンバセーション、11月6日に慶應義塾大学三田キャンパスでシンポジウムを開催する。いずれも参加は無料(事前申込制)。

ディレクターズ・カンバセーション「新たなる希望──次世代の美術館を想像する」では、1929年のニューヨーク近代美術館の設立からほぼ1世紀を経て世界各地に広がった近現代美術館のモデルが、経済的な不確実性や技術の急激な変化、社会の分断、人口構成の変化、歴史の語り方をめぐる考え方の変化といった新たな課題に直面するなか、次世代の近現代美術館の姿を考える。登壇者は、ウォーカー・アート・センター(ミネアポリス)のエグゼクティブディレクター、メアリー・セルティ、2021年に開館したM+(香港)で同館の建設とコンセプト形成に深く関わってきた芸術監督兼チーフキュレーターのドリアン・チョン、ハウス・デア・クンスト(ミュンヘン)で領域横断的なプログラムを展開する芸術監督のアンドレア・リッソーニ。モデレーターは東京都現代美術館事業企画課長の飯田志保子が務める。新しい世代の来館者やコミュニティとの関係づくり、次世代のアートの担い手の育成、美術館が次の100年以降も発展していくための組織・運営の革新という三つの問いを軸に、近現代美術館の優れた実践にすでに備わっている実験精神や想像力、現在形づくられつつある新たな実践に目を向ける。

 

(左から)メアリー・セルティ Courtesy Walker Art Center、ドリアン・チョン Photo by Dan Leung. Courtesy M+, Hong Kong.、アンドレア・リッソーニ Photo by Andrea Rossetti、飯田志保子 Photo by ToLoLo Studio(左から)メアリー・セルティ Courtesy Walker Art Center、ドリアン・チョン Photo by Dan Leung. Courtesy M+, Hong Kong.、アンドレア・リッソーニ Photo by Andrea Rossetti、飯田志保子 Photo by ToLoLo Studio

 

シンポジウム「不安の記憶──現代美術と歴史の残響」では、歴史そのものがかつてなく激しい論争の対象となり、検閲や抗議、企画の中止、記念碑の撤去・建立・改変などを通じて美術界もその渦中にある現状を出発点に、現代美術が持つ「記憶をつくる力」をいかに編み直すことができるかを問う。登壇者は、展覧会「望月桂 自由を扶くひと」(2025–2026)を中心メンバーとして企画した美術史・社会史研究者で望月桂調査団代表の足立元、1978年の「パレスチナのための国際美術展」をめぐるアーカイブ展「Past Disquiet」(2015–2025)を共同企画し、故コヨ・クオが芸術監督を務めた第61回ヴェネツィア・ビエンナーレでキュラトリアルアドバイザーを務めるラシャ・サルティ、20世紀における黒人急進思想とアジアの革命政治との国境を越えたつながりを再検討する展覧会「The Great Camouflage」(2025–2026)を共同企画し、今年のAWTでは映像上映プログラム「AWT VIDEO」のキュレーションを手掛けるX・ジュー=ノウェル(ロックバンド美術館エグゼクティブディレクター兼チーフキュレーター)。モデレーターは、AWTエディトリアルディレクターのアンドリュー・マークルが務める。本シンポジウムは、アンドリュー・マークルと塩見有子(NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ理事長)の企画により、慶應義塾大学アート・センター、慶應義塾ミュージアム・コモンズと共同で開催する。

 

(左から)足立元、ラシャ・サルティ、X・ジュー=ノウェル Photo by Sokol、アンドリュー・マークル Photo by Yukiko Koshima(左から)足立元、ラシャ・サルティ、X・ジュー=ノウェル Photo by Sokol、アンドリュー・マークル Photo by Yukiko Koshima

 

昨年のAWT TALKSのシンポジウム「WHAT’S GOING ON(愛のゆくえ)──アートはいかにして現実をとらえるか」では、グッゲンハイム美術館副館長兼チーフキュレーターで、2027年開催のドクメンタ16のアーティスティックディレクターを務めるナオミ・ベックウィズ、ドクメンタ14のアーティスティックディレクターを務め、昨年のAWT FOCUSを監修したアダム・シムジック、東京都現代美術館学芸員で昨年のAWT VIDEOを監修した岡村恵子の3名がそれぞれ講演を行ない、その後ディスカッションを行なった。また、初の試みとなったディレクターズ・カンバセーション「21世紀の美術館のあり方」では、M+芸術監督兼チーフキュレーターのドリアン・チョンをモデレーターに、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館館長のスザンヌ・ゲンスハイマー、ソフィア王妃芸術センター館長のマヌエル・セガデ、UCCA現代美術センター館長兼最高経営責任者のフィリップ・ティナリが、美術館の現在と未来をめぐって議論した(いずれのトークもAWTの公式YouTubeチャンネルで視聴可能)。AWT TALKSではこのほか、オンライントーク、ラウンドテーブル、コレクターを目指す人に向けたガイドツアーやセミナー、未就学児や学生を対象としたアート教育プログラムなど、初心者からアート通まで幅広い層を対象としたプログラムを展開している。

AWTは、東京都内の数多くの美術館やギャラリーが参加し、文化庁の特別協力の下、世界有数のアートフェア、アートバーゼルと提携し、東京における現代美術の創造性と多様性を国内外に発信するアートイベントとして、コロナ禍の2021年のプレ開催を経て2022年より年に一度開催している。本格開催から5回目となる今年は、過去最多となる56の美術館・ギャラリーが参加。2023年に「買える展覧会」として始まった「AWT FOCUS」は、ウィーンのギャラリーフェスティバル「curated by」とのコラボレーションのもと、10会場で10の展覧会を開催する。会期は11月4日から8日までの5日間。

 

AWT TALKS ディレクターズ・カンバセーション
新たなる希望──次世代の美術館を想像する

2026年11月5日(木)17:00–18:30(16:30開場)
https://www.artweektokyo.com/awt-talks/directors-conversation/
会場:東京都現代美術館 講堂(江東区三好4-1-1)
登壇:メアリー・セルティ、ドリアン・チョン、アンドレア・リッソーニ、飯田志保子
料金:無料、事前申込制
定員:190名
言語:英語・日本語(同時通訳あり)
予約申込フォーム:Peatix|ArtSticker

 

AWT TALKS シンポジウム
不安の記憶──現代美術と歴史の残響

2026年11月6日(金)18:00–20:00(17:30開場)
https://www.artweektokyo.com/awt-talks/symposium/
会場:慶應義塾大学 三田キャンパス 西校舎ホール(港区三田2-15-45)
登壇:足立元、ラシャ・サルティ、X・ジュー=ノウェル、アンドリュー・マークル
料金:無料、事前申込制
定員:800名
言語:英語・日本語(同時通訳あり)
予約申込フォーム:Peatix|ArtSticker

 

アートウィーク東京
2026年11月4日(水)-11月8日(日)
https://www.artweektokyo.com/
会場:都内の参加美術館・ギャラリー、AWT FOCUS、AWT BARほか各プログラム会場
主催:一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォーム
提携:アートバーゼル
特別協力:文化庁

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