竹村 京 うごくせかい @ 水戸芸術館現代美術ギャラリーほか

竹村京 参考図版 撮影:木暮伸也

 

竹村 京 うごくせかい
2026年7月25日(土)–10月12日(月・祝)
水戸芸術館現代美術ギャラリーほか
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/
開場時間:10:00–18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、9/21、10/12は開館)
展覧会担当:後藤桜子(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
展覧会URL:https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5428.html

 

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、日常のなかの些細な変化から天変地異まで、絶えず揺れ動く世界に対し、自らの手で縫うという極めて身体的な行為によって向き合い続ける竹村京の個展「竹村 京 うごくせかい」を開催。2000年代の代表作を起点に、「修復」を施した作品群や、「天災」と「修復」を主題とした新作インスタレーション、水戸の街なかで参加者が「修復」の意味を考え、実践するワークショップなど、その多彩な創作から、記憶と喪失、時間や行為における不可逆性といったテーマへと迫る過去最大規模の個展となる。

竹村京(1975年東京都生まれ)は、時間の流れや人・物の移動、天変地異、偶然の出来事など、さまざまな要因によって揺らぐ世界のなかで、「縫う」という行為によって対象に新たな光を与える作品を制作してきた。日本最古の刺繍作品とされる「天寿国曼荼羅繍帳」との出会いをきっかけに、絹糸で縫う行為とドローイング、写真、ファウンド・オブジェなどを組み合わせた独自の表現を展開。グローバル化と情報化が加速する現代社会において、あえて身近な人物や出来事に根差した制作を追求し、「第15回シドニー・ビエンナーレ」(2006)をはじめ国際的な舞台で高い評価を得てきた。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画)修了後、ベルリン芸術大学に進んだ竹村は長くベルリンを拠点に活動。2015年に帰国、群馬県高崎市に移り、現在も同地を拠点に国内外で作品を発表している。国内での代表的な個展に、初期から2010年代までの作品を集め、家族、記憶、時間といったテーマを掘り下げた「長島有里枝×竹村京 まえといま」(群馬県立近代美術館、2019)、トランプをモチーフに偶然や越境の美しさを問いかけた個展「竹村京-どの瞬間が一番ワクワクする?」(ポーラ美術館、神奈川、2018)。近年の主な展覧会に、「セカイノコトワリ―私たちの時代の美術」(京都国立近代美術館、2025)、「ついてはなれて」(タカ・イシイギャラリー前橋、群馬、2025)、「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」(国立西洋美術館、東京、2024)、「ホーム・スイート・ホーム」(国立国際美術館、大阪、2023/丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川、2024)、「Before/After」(広島市現代美術館、2023)、ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」(横浜美術館、2020)などがある。

 

参考図版 撮影:木暮伸也 ※赤色蛍光シルクに含まれる蛍光タンパク質は(国研)理化学研究所及び(株)医学生物学研究所が開発
竹村京《A.N.のリビングルーム、地震の予感》2005年、個人蔵、豊田市美術館寄託
竹村京「修復された…」と題された作品群、展示風景「How Can It Be Recovered」メイトランド・リージョナル・アート・ギャラリー、メイトランド、オーストラリア、2020年

 

本展では、平面、立体、インスタレーション、パフォーマンスに至る、竹村の多彩な実践を紹介する。友人の幸せな生活を等身大で写し取り、その一部を縫い留めることで地震にも負けない保管のかたちを模索した初期作品《A.N.のリビングルーム、地震の予感》(2005)をはじめ、写真やドローイングに布を重ねて刺繍する平面作品や、壊れた日用品を布で包み失われた部分に沿って独自の「修復」を行う立体作品、緻密な運針のなかに時間の流れや世界との交感を表した「Time counter」など、その関心は一貫して、個人の記憶や出来事を作品のなかに「仮留め」し、ひとつひとつの存在を現在から未来へとつなぐことへと向けられてきた。

注目の新作2点はいずれも「地震」を主題とする作品。展示室内に宙吊りのガラス窓を出現させるパフォーマンスとインスタレーションによる《May i enter?, all things move》は、古代の記憶術「記憶の宮殿」の逸話を起点に、災害と隣り合わせにある日本の風土や、その中で繰り返される破壊と再生、開発と反復の営みへと意識を誘う。これまでの作品で扱われてきたテーマを引継ぎながらも、竹村の表現の新たな展開が期待される。もうひとつの新作は、能登半島地震を契機に廃棄された黒瓦に着目し、能美市を拠点に活動する「Rediscover project by CACL」の協力の下、地震によって被災した能登瓦を素材に制作した作品。竹村は、地震による落下だけでなく、被災後の家屋の解体や街の再建の過程でも大量に失われたと言われる能登の瓦に、蛍光シルクを用いて「修復」を施すことで、その存在に光を当てるとともに、行為における故意と不可抗力の境界、そして時間や出来事の不可逆性を示唆する作品へと昇華した。

また、本展では、竹村による「修復」の作品を手掛かりに、市民や街が「修復」について考えながら参加する交流プログラムを水戸商工会議所との共催で実施。参加者は、地域で実践されているさまざまな「修復」の現場を訪ねながら、「修復」することの意味や方法、移り変わるものとの向き合い方について、多様な立場から考え、ともに考えを深める機会を経ながら、身の回りで起きた出来事にまつわる品物や写真に参加者自身が「修復」を行ない、そのエピソードとともに展示を試みる。

 

竹村京《入ってもよろしいですか シーン1, 2, 3, 4, 5》2023年(参考図版)
竹村京《Time counter》2019-2024年、個人蔵 撮影:木暮伸也
竹村京、作家による新作のためのドローイング(参考図版)

 

関連イベント
オープニング・トーク
2026年7月25日(土)14:00–15:30(開場:13:30)
出演:竹村京(出品作家)、ロバート キャンベル(日本文学研究者、早稲田大学特命教授)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
定員:70名(先着順)※申込不要
参加費:無料(要展覧会入場券)

パフォーマンス
2026年7月25日(土)、8月8日(土)、9月22日(火・祝)ほか 各日12:00–
※新作《May i enter?, all thins move》のパフォーマンス

竹村京×小林愛花 ワークショップ ※要申込
講師:小林愛花(ショコラティエ・「AikaKobayashi」代表)

担当学芸員によるギャラリーツアー
2026年8月1日(土)、9月22日(火・祝)各日14:00–(60分程度)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
参加費:無料(要展覧会入場券)
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5452.html

ウィークエンド・ギャラリートーク​​
2026年8月15日(土)より毎週土曜日 14:30–(約60分)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
参加費:無料(要展覧会入場券)
※館内催事の都合により中止となる場合あり
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5448.html

視覚に障害がある人との鑑賞ツアー『session!』 ※要申込
2026年8月22日(土)10:00–12:00/14:30–16:30
8月23日(日)14:30–16:30
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
定員:各回15名(先着順)
参加費:1,500円(入場料込み)、入場料減免対象者1,000円
申込開始:7月28日(火)10:00
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5449.html
※全盲の白鳥建二さんをナビゲーターに、見える人と見えない人が会話しながら展覧会を鑑賞するツアー

赤ちゃんと一緒に美術館散歩 ※要申込
2026年9月5日(土)、9月8日(火)10:30–12:00
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
定員:各回5組(先着順)
対象:未就学児とその保護者
参加費:未就学児無料、保護者1,500円(入場料込み/2人目からは入場料のみ)、入場料減免対象者1,000円
申込開始:7月28日(火)10:00
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5450.html

会期前開催の関連イベント
竹村さんと壊れ物を〈修復〉する ※既に終了
2026年3月14日(土)11:00–13:00
講師:竹村京(出品作家)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
定員:7名程度(要事前申込)
参加費:無料(要「飯川雄大展」展覧会入場券)
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5429.html

「修復」ワークショップ+4つの事例を訪ねるプログラム
2026年5月23日(土)、6月13日(土)、6月26日(金)、6月27日(土)、7月4日(土)、7月11日(土)各日13:00–15:00
活動内容は下記ウェブサイトを参照
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5443.html

展覧会連動ワークショップ「蚕を育ててみよう」
①「まちの桑で蚕を育ててみよう」※既に終了
2026年6月6日(土)、6月7日(日)各日10:00–12:00 ※原則2回連続
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室及び水戸芸術館近隣
定員:各回15名程度(先着順)
参加費:無料(要展覧会入場券)
②「繭から糸をとってみよう」※定員に達したため既に募集終了
2026年7月4日(土)、7月5日(日)各日10:00–12:00 ※原則2回連続
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー ワークショップ室
定員:各回20名程度(先着順、6月WS参加者を優先するが空きがある場合はこの回のみの参加も可)
参加費:無料(要展覧会入場券)
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5445.html

 


同時期開催
「壊れ物の〈修復〉を通して、水戸の街を知る・探る・見つける」街なか展示(ワークショップ成果展)
2026年7月25日(土)–10月12日(月・祝)※公開日時は展示場所や店舗の営業日時に準ずる。
会場:水戸市中心市街地各所
共催:公益財団法人水戸市芸術振興財団、水戸商工会議所

〈こども芸術館〉サマー・フェス2026 ※要申込・一部当日参加可
2026年8月8日(土)、9日(日)10:00–16:30(一部例外あり/9:30受付開始)
会場:水戸芸術館各所
https://www.arttowermito.or.jp/event/lineup/article_4320.html

HIBINO CUP ※要申込
2026年9月23日(水・祝)10:00–16:00 ※雨天中止
会場:水戸芸術館ひろば
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5435.html

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