第1回プリピクテジャパンアワード


菊地智子「The River」©Tomoko Kikuchi

2015年10月13日、第1回プリピクテジャパンアワードの授賞式が東京・表参道のバツアートギャラリーで開かれ、写真家の菊地智子の受賞が発表された。

同賞はスイスのピクテ・グループが、切迫した社会、環境問題についての議論に貢献する優れた写真家を紹介する賞として2008年に創設したプリピクテの巡回展を日本で開催するにあたり、豊かな写真の土壌を持ち、優れた写真家を輩出してきた日本の更なる写真文化の発展に貢献するために、Swiss Japanese cultural foundationの助成金により設立された。同賞はプリピクテと同様にフォトジャーナリズムからファインアートまであらゆる写真表現のアプローチを選考の対象とした上で、これまでのプリピクテにノミネートされた日本人写真家の中から、ノミネート時の年齢が40歳以下の写真家が審査対象となった。賞金は300万円。

菊地智子は1973年東京生まれ。近年は東京都写真美術館の『日本の新進作家vol.11 この世界とわたしのどこか』や森美術館の『ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界』に参加。2013年には第38回木村伊兵衛写真賞を受賞している。また、作品の収蔵先には森美術館がある。今回は「The River」が高く評価されての受賞となった。同作品は2013年の春から夏にかけて、長江、黄河を含む中国全土の川で働く中国人労働者たちを取り囲む、常に変化し続ける経済、社会、環境に対しての現実を撮影している。

南條史生(森美術館館長)を審査委員長に、飯沢耕太郎(写真批評家)、鈴木理策(写真家)、笠原美智子(東京都写真美術館事業企画課長)が審査員を務めた。また、プリピクテ代表のスティーブン・バーバーは「私たちは日本にこのような賞を創設することが出来て非常に嬉しく思っています。また将来的にこの賞を継続出来ればと思っています。このように傑出した選出をして下さった南條史生氏をはじめとする審査員の皆様に心より御礼を申し上げたいです」とコメントを寄せた。

なお、授賞式の会場となったバツアートギャラリーではプリピクテ巡回展『Consumption』を10月18日まで開催中。

プリピクテ巡回展『Consumption』
2015年10月3日(土)-10月18日(日)
BA-TSU ART GALLERY
http://www.prixpictet.com/
開催時間:10:00-20:00
休廊日:10/14-10/16

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