マニフェスタ10のチーフ・キュレーターに、カスパー・ケーニヒ

2013年8月15日、マニフェスタ財団はサンクトペテルブルクで来年開催されるマニフェスタ10のチーフ・キュレーターに、元ルートヴィヒ美術館(ケルン)ディレクターのカスパー・ケーニヒを選出した旨を発表した。

ケーニヒは1943年ヴェストファーレン州(現ノルトライン=ヴェストファーレン州)メッティンゲン生まれ。1976年にクラウス・ブスマンと共にミュンスター彫刻プロジェクトを立ち上げたことは広く知られた事実である(第一回開催は翌77年)。学生時代より、クレス・オルデンバーグの個展や多数の出版企画に携わり、70年代にはノヴァスコシア美術デザイン大学で教鞭を執る一方で、ドクメンタ5のアシスタントや河原温、ドナルド・ジャッドの個展を企画、88年には国立フランクフルト芸術大学の学長に就任し、以後、同大学付属ギャラリーポルティクス[Portikus]を創設、数多くの展覧会を企画している。また、2000年から2012年にかけて、ルートヴィヒ美術館のディレクターを務めた。その他、主な企画として、『Westkunst』(1981年)、『von hier aus – Zwei Monate neue deutsche Kunst』(1984年)、『Der zerbrochene Spiegel』(1993年)などがある。

20周年を迎えるマニフェスタ10は、250周年を迎える世界最古の美術館のひとつであるエミルタージュ美術館を中心に、歴史と現代との交差を意識した構成が期待される。また、冷戦崩壊後のヨーロッパのアイデンティティを探求してきたマニフェスタ自体が現在の社会情勢へどのような態度を提示するのかという点も注目される。

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