「MU[無]―ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」展 連続講演会[原美術館]

2012年11月21日
「MU[無]─ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」展の開催を記念し、連続講演会を行ないます。お申込み方法など、詳細は下までスクロールしてご確認ください。




第1回 アーティストトーク ペドロ コスタ&ルイ シャフェス(英日逐次通訳付)
日時 2012年12月8日[土] 13:00-15:00

本展のインスタレーションのために来日したペドロ コスタとルイ シャフェスが、作品ジャンルの違いを超えたコラボレーションに至った経緯、作品のコンセプト、原美術館の空間をどのように捉えてインスタレーションの構想を練ったか、等について語ります。

ペドロ コスタ(1959年生まれ)は、「ヴァンダの部屋」(2000)や「コロッサル・ユース」(2006)などを通し、一般的な劇映画の文法・話法にとらわれず、ドキュメンタリーとフィクションの境界線に立つユニークな映画監督として知られています。今回、「映画館」の「ロードショー」という空間的・時間的フォーマットではなく、「美術館」の「展覧会」という空間的・時間的フォーマットでの作品発表の試みも、彼の実験的姿勢の現れです。したがって鑑賞者を待ち受けているのは、映画館の客席で映画を観るのとは一味違う映像体験の空間と時間なのです。

ルイ シャフェス(1966年生まれ)は、主に鉄を素材とする彫刻家として活躍しており、ヴェネチア ビエンナーレやサンパウロビエンナーレにもポルトガル代表として出品してきました。鉄にこだわりながら、「面」「線」あるいは「塊」、「置く」「ぶら下げる」あるいは「立てかける」など、彫刻的表現のさまざまなイディオムを駆使して、幅広い造形を手がけています。抽象とも具象ともとれる造形は暗示性・象徴性に富むと同時に、室内・野外を問わず作品を設置した空間と対話し、緊張を生み出しながら、空間全体を作品としての環境に書き換えていきます。


第2回 講演 杉田敦 「ポルトガルの現代美術について」(美術批評家・女子美術大学教授)
日時 2012年12月16日(日) 14:30‐16:00

リスボンに魅せられて渡航を重ね、著書『白い街へ』では、フェルナンド ペソア、ワルター ベンヤミン、アルヴァロ シザ、ヴィム ヴェンダースなど、時代や分野の異なる表現者との関わりを通して、街の魅力を論じた杉田敦氏。かの地の現代美術、映像、文学にも造詣の深い杉田氏に、ペドロ コスタとルイ シャフェスの表現、およびその芸術が生まれた背景である現代ポルトガルの文化を多角的にお話しいただきます。

[杉田 敦 Atsushi Sugita]
批評家。1957年生まれ。名古屋大学理学部物理学科卒業。アートとテクノロジーおよび哲学との関係を論じる。大学、専門学校などで、今日の表現の在り方を模索する「現代美学」を講義。著書に、『メカノ』(青弓社)、『ノード』(青弓社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『白い街へ』(彩流社)、『アソーレス、孤独の群島』(彩流社)、『ナノ・ソート 現代美学、あるいは現在美術で考察するということ』(彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『アートプラットフォーム』(美学出版)などがある。


第3回 講演 諏訪敦彦 「存在の彼方へ—ペドロ コスタの映画空間」+ペドロ コスタ短編映画上映(映画監督・東京造形大学学長)
日時 2012年12月22日[土] 14:00-16:00

映画監督の諏訪敦彦氏と共にペドロ コスタの短編映画を鑑賞し、作品の見どころについてお話しいただきます。諏訪氏は、1999年カンヌ国際映画祭にて審査員全員一致で国際批評家連盟賞を受賞した『M/OTHER』など、フィクションとドキュメンタリーを自在に往還する作風で国際的に知られています。2008年より母校である東京造形大学の学長に就任された諏訪氏は、2010年よりペドロ コスタを同大学客員教授として招聘するなど学生の教育に尽力されています。

[諏訪敦彦 Nobuhiro Suwa]
映画監督。1960年広島県生まれ。東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。東京造形大学在学中にインディペンデント映画の制作にかかわる。卒業後、助監督やテレビドキュメンタリーの演出を経て、97年に長編劇映画「2/デュオ」を監督。99年「M/OTHER」(カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞)。 01年「H/Story」(カンヌ国際映画祭正式招待)。05年「不完全なふたり」(ロカルノ国際映画祭審査員特別賞、国際芸術映画評論連盟賞受賞)を発表。09年「ユキとニナ」をカンヌ国際映画祭監督週間にて発表。

上映作品:
『六つのバガテル』6 Bagatelas
2002年/ビデオ/カラー/18分
監督:ペドロ コスタ、ティエリー ルナス
出演:ジャン=マリー ストローブ、ダニエル ユイレ
ストローブ=ユイレを撮影した6つの場面によって構成された嬉遊曲(ディヴェルティメント)。

『タラファル』Tarrafal
2007年/ビデオ/カラー/16分
監督:ペドロ コスタ
出演:ヴェントゥーラ、イザベル カルドーゾ、ヴァンダ ドゥアルテ
ポルトガルによって建設された政治犯用の強制収容所が存在した土地タラファル(カーボ ヴェルデ)をめぐって語られる土地と家族の運命。

『うさぎ狩り』The Rabbit Hunters
2007年/ビデオ/カラー/23分
監督・脚本:ペドロ コスタ
出演:アルフレッド メンデス、ヴェントゥーラ、ジョゼ=アルベルト シルヴァ
『コロッサル・ユース』のヴェントゥーラが語り部を演じ、この土地を巡る人間関係の過去と現在が交錯する。

*DVD上映を予定しております。また映画館の上映環境とは多少異なります。予めご了承ください。

第4回 講演 港千尋 「空虚(ヴォイド)と映画-インスタレーションをめぐって」(写真家、映像人類学者、多摩美術大学教授)
日時 2013年1月30日[水] 19:00-20:30

写真家、映像人類学者であり、多彩な評論活動を行なわれている港千尋氏。ペドロ コスタの映画にも造詣の深い氏に、ルイ シャフェスとの二人展という異色の形で開催されるMU[無]展を、ご専門である映像と美術の視点から読み解いていただきます。港氏は、本展のインスタレーション「少年という男、少女という女」、「カザル ダ ボバ地区」と映像素材を同じくする映画「ヴァンダの部屋」、「コロッサル・ユース」についても多数寄稿されています。

[港 千尋 Chihiro Minato]
写真家。1960年神奈川県生まれ。1984年 早稲田大学政治経済学部政治学科卒業
2002年 オックスフォード大学ウォルフソン・カレッジ研究員。2007年 第52回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナーに就任。主著『記憶-創造と想起の力』でサントリー学芸賞を受賞。『市民の色』で伊奈信男賞を受賞。『台北ビエンナーレ』(台北2012年)など内外の多くの展覧会に参加するとともに、イメージの起源からメディアアートまで多彩な論考を展開している。映像についての著書に『映像論 からへ』(NHKブックス)、『予兆としての写真 映像原論』(岩波書店)、『影絵の戦い 9・11以降のイメージ空間』(岩波書店)。最新刊に『掌の縄文』(羽鳥書店)、『芸術回帰論』(平凡社新書)『ヴォイドへの旅 空虚の力の想像力について』(青土社)などがある。


第5回 講演 瀬下直樹 「アルヴァロ シザとポルトガル現代建築」(建築家)
日時 2013年2月2日[土] 14:30-16:00

アルヴァロ シザ ヴィエイラは、ポルトガルにおいて半世紀以上にわたる活動を続けており、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞や、高松宮殿下記念世界文化賞など、数々の受賞歴をもつ世界的な現代建築家です。MU[無]展のきっかけとなる展覧会「FORA! OUT」展(2005年)が開催されたポルトのセラルヴェス美術館もシザの設計によるものです。場所の特性を活かしたそのシンプルで詩的な造形美が高く評価されています。今回は、米国で建築を学ばれた後、ポルトのアルヴァロ シザ建築事務所で研鑽を積まれ、現在東京で活動されている建築家の瀬下直樹氏をお招きし、シザの建築、および独自の歴史と多様性を持つポルトガルの現代建築についてお話しいただきます。

[瀬下直樹 Naoki Seshimo]
建築家。ベネズエラ生まれ。米国ロードアイランド美術大学(RISD)にて建築を学び、2005年よりアルヴァロ シザ建築事務所勤務。その後東京に活動の拠点を移し、2008年よりセシモ設計を瀬下淳子と共同主宰、現在に至る。建築及び内装の設計監理を中心に、家具や照明器具などのデザイン活動を行う。


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いずれも
場所: 原美術館 ザ・ホール
参加費(イベント一回につき): 一般 2,000円(入館料込)、当館メンバーおよび同伴者1名様まで1,000円

※1月30日と2月2日の2回ご参加の方は割引有り。
2月2日のご精算時に、一般1,700円(入館料込)、当館メンバーおよび同伴者1名様まで700円とさせていただきます。お申込み時に2回ご参加の旨、お伝えください(他の割引併用不可)。


定員: 80名(要予約)

申込方法:
Eメールにてお申込みください。メール表題に[1/30港千尋講演申込] 、[2/2瀬下直樹講演申込]のいずれかをお書きの上、「お名前」「参加人数」「ご連絡先電話番号」をお知らせください。

申込はこちら: info@haramuseum.or.jp

申込受付開始:(第4、5回)
2013年1月9日[水] 11:00 am
※受付開始日時以前のお申込は無効です。

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「MU[無]―ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」
12月7日[金]-2013年3月10日[日]

「ソフィ カル―最後のとき/最初のとき」
2013年3月20日[水・祝]-6月30日[日]

坂田栄一郎「江ノ島」(仮題)
7月13日[土]-9月 29日[日]

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原美術館ウェブサイト
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