救世主エルメスの伝説 – 藤原康博

【タイトル】救世主エルメスの伝説
【アーティスト名】 藤原康博
【期間】2010年1月21日~3月16日

「語りつがれるものがたり」を年間テーマとする2010年の幕開けを飾るのは、アーティスト、藤原康博。ウィンドウの中では、馬をシンボルとした伝説のものがたりが繰り広げられます。

――古くから馬を崇拝してきた国、「アルティザン」。その国には、語りつがれてきた言い伝えがありました。「雲海に現れる女王と、黄金の鬣の馬。ひとつになるときに奇跡が起きる」。

他国との争いごとに忙殺され、その言い伝えすら忘れていた民衆。
戦いに明け暮れる世界を救うため、今、伝説の馬エルメスは現れ、奇跡を起こさんとするのです。――

女王とともに雲海から現れる馬を動的に表現した右ウィンドウに対し、馬をモチーフとした城砦が荘厳にそびえる左ウィンドウ。さらに小窓では、救世主エルメスの伝説の中の16のシーンがそれぞれ展開されます。

抜群の存在感を誇る黄金の鬣の馬。これは藤原の作品のアイコンとも言えるビーズで全身が覆われています。ビーズで覆われた黄金の鬣は光を乱反射し、雲海に現れた伝説の馬の威厳を強調しています。写実的な馬の立体は、ビーズで覆われることにより一種の抽象性を帯び、王国のシンボルとしての存在へと昇華しています。

救世主エルメスの伝説。ウィンドウの中で繰り広げられるものがたりは、ウィンドウを見る人に視覚的現実として迫り、それぞれの心に新たなものがたりを生むきっかけとなるでしょう。

藤原康博 (ふじわらやすひろ)
1968年、三重県生まれ。1992年多摩美術大学美術学科油絵専攻卒業後、ロンドンに渡り、2002年Chelsea College of Art and Design美術科修士課程修了。MORI YU GALLERY(東京)をはじめとして国内外のギャラリーで展覧会を開催し、その作品はTHYSSEN – BORNEMISZA ART CONTEMPORARYにもコレクションされている。三重県を拠点にアーティストとして活動している。

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アーティストインタビュー : 藤原康博

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