染谷悠子展「花のひらく音を聴く」 @ 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery


「土を慕い、草花鳴らし光こぼるる」2016年©Yuko Someya

染谷悠子展「花のひらく音を聴く」
2017年1月11日(水) -2月6日(月)
8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
http://www.hikarie8.com/artgallery/
開館時間:11:00 – 20:00
会期中無休
※オープニングレセプション:1月11日(水)18:00-20:00

8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは、絵画を通して、「生あるもの」が内包して逃れ得ることのない「命のおわり」を見つめ続ける染谷悠子の個展を開催する。

染谷悠子は1980年千葉県生まれ。2006年、東京藝術大学大学院版画専攻を修了。現在も千葉を拠点に制作活動を行なう。2004年町田市立国際版画美術館の全国大学版画展で、収蔵賞/観客賞を受賞、作品は同美術館に収蔵されている。アメリカのRichard Heller Galleryなどでも個展を開催、小山登美夫ギャラリーでの個展は4度目となる。主なグループ展に、『VOCA展』(2014年、上野の森美術館)、『生きとし生けるもの』(2016年、ヴァンジ彫刻庭園美術館)など。

染谷悠子の作品は、パネルにキャンバス、そして和紙を張り、そのやわらかな風合いを生かしながら作り上げられる。また、様々な筆致―鉛筆の線、水彩絵の具や墨を用いて筆で描かれる線、紙から引き出す繊維が形成する線など―を巧みに操る独特の手法によって、ロマンティックで軽やかな透明感を生みだす。蜘蛛の巣に絡めとられる蝶や、優しく彩られた花々に埋もれるようにひっそりと横たわる動物など、命の儚さが醸しだす微かな不穏さも作品の魅力を高めている。染谷は次のように語った。「生きているものはそんなに綺麗ではないと思った瞬間がありました。命がそこにはない、何も入っていない、生々しさが抜けたものがすごく綺麗だと感じました。かと思えば、毛は生えている時の方が綺麗だなと感じ、抜け落ちた途端に生々しく思います。」
美しく華奢にきらめく花や蝶、蜘蛛の巣、鳥たちは、虚無的ともとれる、染谷の「生」に対する感覚や矛盾を映し出しながら、鑑賞者を誘う。 
日本では4年ぶりの個展となる本展では、昨年ヴァンジ彫刻庭園美術館にて好評を博した展覧会、『生きとし生けるもの』に出展した作品に、国内未発表の作品を加えた十数点を展示する。

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アーティスト・トーク
2017年1月11日(水)19:00-


「得体の知れない親しい存在(2016年。5月。ドローイング。火曜日)」@Yuko Someya, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

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