NMAO国際シンポジウム:現代美術をコレクションするとは?@ 国立国際美術館

NMAO国際シンポジウム:現代美術をコレクションするとは?
2014年3月1日(土)10:00-16:30
会場:国立国際美術館地下1階講堂
定員:90名(無料、先着順)
※日英同時通訳あり
http://www.nmao.go.jp/

国立国際美術館では、日本国内の美術館で学芸員や修復家、テート(イギリス)の保存部門からパトリシア・スミッセン、デボラ・ポッターを招いて、美術館コレクションにおける近・現代美術作品の受入・展示・保存・修復をテーマとした国際シンポジウムを開催する。

同館は日本国内の国立美術館5館の中でも、主として現代美術を中心とした作品を収集、保管、展示し、また関連する調査研究及び事業を行うことを目的に設立され、日本美術の発展と世界の美術との関連を明らかにするために、約7,000点余りの作品や資料などを所蔵している。

本シンポジウムでは、展覧会の開催とともに美術館の重要な活動のひとつである作品収集において、収蔵された作品群を将来に亘っていかに保存するかという課題について、各登壇者によるケース・スタディの報告を通して考察する。日本国内では、修復専門家が勤務している美術館は極めて稀であり、またそのほとんどが絵画や彫刻、紙作品など伝統的なジャンルを専門領域としており、現代美術の領域の多岐にわたる表現様式に対する受入方法、保存、修復は確立されておらず、各館の学芸員が館外の専門家から協力を得たり、あるいは手探りの中で業務にあたるという現状がある。

このような現状下において、本シンポジウムは、各館からの報告によって日本国内の実情を共有し、将来的には関係者のネットワーク作りも目指すとともに、問題の解決方法また今後の活動方針を、豊富な経験を持つ欧米の機関のひとつであるテートの先例から探り、日本国内の実情にあった方法、スタイルに変換して取り入れるための試みのひとつとなる。また、美術館という専門的機関でのテーマ設定ではあるが、アーティストにとっては自らが制作する作品の将来的な保存方法や自らの手を離れた作品がいかに展示されるべきかなどを考える機会として、鑑賞者あるいはコレクターにとってもそれぞれの立場から一考に値するテーマとなっている。

当日スケジュール

開場(10:00-)
開会挨拶(10:10-)
「国立修復センター構想について(仮)」(10:15-10:45)
山梨俊夫(国立国際美術館館長)

日本の美術館のケース・スタディから(10:45–12:45)
植松由佳(国立国際美術館主任研究員)
加藤弘子(東京都現代美術館企画係長 学芸員)
丹羽晴美(東京都写真美術館事業企画係長 学芸員)
相澤邦彦(兵庫県立美術館保存・修復グループ学芸員)

英国テートのコレクションのケース・スタディから(13:45–14:30)
パトリシア・スミッセン(テート・保存プログラム担当主席)
デボラ・ポッター(テート・コレクション保存主席、コレクション部門ディレクター代理)

パネルディスカッション「現代美術をコレクションするとは?」 (14:45–16:15)
パネラー:スピーカー5名
進行:植松由佳

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