松本竣介「彫刻と女」1948年 油彩・カンヴァス 福岡市美術館蔵
戦後日本美術の出発 1945-1955 —画家たちは「自由」をどう表現したか—
2015年9月19日(土)-11月3日(火、祝)
群馬県立近代美術館
http://mmag.pref.gunma.jp/
開館時間:9:30-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、9/21、10/12は開館)、9/24、10/13
戦後70年の節目を迎え、群馬県立近代美術館では敗戦からの10年間に制作された絵画65点を紹介し、戦後美術の出発を辿る展覧会『戦後日本美術の出発 1945-1955 —画家たちは「自由」をどう表現したか—』を開催する。
終戦を迎えた1945年から55年までの10年間は、まず、GHQ主導での日本社会の前近代的な構造の改革が図られ、国民の間に自由な戦後民主主義の新体制への期待が膨らむも、50年代に入ると、日本社会は早くも東西の冷戦に引き込まれていき、52年4月のサンフランシスコ講和条約・安保条約発効は、戦後史の重要な転換点として知られている。
美術における敗戦から数年間の時期には、戦時体制下に変質を余儀なくされた美術団体の再結成や分離独立があり、美術団体連合展、日本アンデパンダン展などが新しく企画され、戦前・戦中に自由な発表が妨げられていた前衛的な傾向をもつ作家たちの間ではそれぞれの再出発への模索が繰り広げられた。
本展では、美術協会の新設に寄与するなど、戦後いち早く沈滞した美術家の連携と再起を促した松本竣介をはじめ、戦後社会の人間の内面を表現した作品を発表した鶴岡政男や麻生三郎、具体的なモチーフから出発し、自律的な構図の構築を追求した山口薫や村井正誠、森芳雄、抽象表現を推し進めた吉原治良、戦争中に厳しく抑圧されたシュルレアリスムの作家、さらに丸木位里、俊や山下菊二といった戦争の惨禍、現実社会の矛盾や問題点を告発する作品を発表した作家らの、新しい自由を得て自己を見つめ直す契機となった時代の絵画を紹介する。
関連イベント
ミュージアム・レクチャー「戦後日本美術の出発 1945-1955」の作家たち
戦中から戦後へ 画家のまなざし—新人画会を中心に—
講師:弘中智子(板橋区立美術館 学芸員)
2015年9月21日(月、祝)14:00-15:30
会場:群馬県立近代美術館2階講堂
定員:200名(先着)申込不要、参加無料
敗戦後10年「絵が人を問題にした時代」を再評価する
講師:原田光(岩手県立美術館 館長)
2015年10月4日(日)14:00-15:30
会場:群馬県立近代美術館2階講堂
定員:200名(先着)申込不要、参加無料
いいえ、岡本太郎ってみなさんが思っているような人じゃないですよ
講師:大谷省吾(東京国立近代美術館 主任研究員)
2015年10月31日(土)14:00-15:30
会場:群馬県立近代美術館2階講堂
定員:200名(先着)申込不要、参加無料
※上記以外の関連イベントは、美術館公式ウェブサイトを参照。