グレゴール・シュナイダー『it’s all Rheydt』@ ワコウ・ワークス・オブ・アート

it’s all Rheydt, Kolkata 2011 All Images: © Gregor Schneider

グレゴール・シュナイダー『it’s all Rheydt』
2014年10月10日(土)-11月22日(土)
ワコウ・ワークス・オブ・アート
http://www.wako-art.jp/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝

ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、未知なるものや不可視なものを一貫して探求しているグレゴール・シュナイダーが、インドのコルカタで実施したプロジェクト「it’s all Rheydt」の映像作品を紹介する。

グレゴール・シュナイダーは1969年ライト(ドイツ)生まれ。十代後半から現在も続いている自宅の既存の壁の内側に別の壁や窓をつくる行為をはじめ、プライベートな空間からパブリックな空間まで、未知なる空間への探求を続けている。これまでに、ロサンゼルス現代美術館やデュッセルドルフのK21美術館、フランクフルト近代美術館(MMK)など世界各地で個展を開催しており、2001年には第49回ヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞している。

本展で発表する「it’s all Rheydt」は、2011年にインドを訪れたシュナイダーが、コルカタを含むベンガル地方で毎年開催される大規模な祭典「ドゥルガ・プージャ(女神ドゥルガの祭り)」に参加して実現したプロジェクト。作品タイトルに含まれる「ライト[Rheydt]」は彼が現在も暮らしている生地の地名であり、彼の多様な作品群を貫く重要なキーワードとなっている。今回のプロジェクト「it’s all Rheydt」では、ライトの町のごく普通の道路を、コルカタの現地の素材を使って、現地の職人と協働して再現し、その構築物をコルカタの道路の上に垂直に立て、女神像をまつるパンダル(pandal=祭典のための仮設の寺院)として設置。本来であれば、バンダル内に置かれた女神像は最終的にすべてフーグリ川に浸され、流されることで祭典が完結となるが、シュナイダーは流された女神像を川の下流で引き上げ、翌年、立体作品としてドイツで発表している。また、同映像作品に加えて、上述したヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞受賞作品「Totes Haus ur」からの写真作品を含むさまざまな写真作品を展示、そのほとんどが「ライト」というキーワードで繋がっている。

400 meter black dead end No. 6 2006

なお、シュナイダーは現在開催中のヨコハマトリエンナーレ2014にて最新の大型インスタレーション「ジャーマン・アングスト」を発表するとともに、映像プログラム[F]で「白い拷問」(2007)を上映している(10月18日上映予定)。

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