石川直樹 この星の光の地図を写す @ 水戸芸術館現代美術ギャラリー


シリーズ「POLAR」(2007)より

石川直樹 この星の光の地図を写す
2016年12月17日(土)-2017年2月26日(日)
水戸芸術館現代美術ギャラリー
http://www11.arttowermito.or.jp/
開館時間:9:30-18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月、年末年始12/26-1/3、1/10 ※1/9(月・祝)は開館

企画担当:竹久侑(水戸芸術館現代美術センター学芸員)

水戸芸術館では、世界をフィールドに活躍する写真家、石川直樹による初の大規模個展を開催する。

石川直樹は1977年東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により、日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞。『CORONA』(青土社)により土門拳賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最近では、ヒマラヤの8000m峰に焦点をあてた写真集シリーズ『Lhotse』『Qomolangma』『Manaslu』『Makalu』『K2』(SLANT)を5冊連続刊行。最新刊に写真集『DENALI』(SLANT)、『潟と里山』(青土社)、『SAKHALIN』(アマナ)、著書『ぼくの道具』(平凡社)がある。

石川は、22歳で北極点から南極点までを人力で踏破、23歳で七大陸最高峰の登頂に成功し、その後も各地を旅しながら、人類学や民俗学などの観点を取り入れた独自のスタイルによる写真で、日常、そして世界を見つめ直す活動が注目されている。
石川が一貫して関心を寄せるのは、地球上のあらゆる場所に古くから伝わる生きるための「技術=叡智」であり、国境などの区分では捉えきれない各地の有機的なネットワークの有り様である。石川の目と足による縦横な探求は、文化人類学的なフィールドワークであると同時に、もともと「技術」という意味を語源にもつ「アート」を追求する果てしない旅ともいえる。

本展では、北極、南極、ヒマラヤ8000m峰といった極地を撮影した各シリーズ、さらにニュージーランドの原生林を撮影した『THE VOID』、ポリネシア地域に浮かぶ島々を星に導かれるように巡った『CORONA』、世界各地の洞窟壁画を訪ねた『NEW DIMENSION』、そして日本列島の南北に広がる島々を探索する『ARCHIPELAGO』など、石川の初期から現在に至るまでの活動を、初公開の未発表作を織り交ぜて総合的に紹介する。とどまることを知らない石川直樹の足跡を道標に、私たちの慣れ親しんだ世界地図とは異なるもう一つの視点からこの地球という星を見つめる機会となるだろう。


シリーズ「ARCHIPELAGO」(2009)より

関連プログラム
石川直樹×森永泰弘 VJ+DJイベント「惑星の光と声」
出演:石川直樹、森永泰弘
2017年2月12日(日)14:00-15:00(13:30開場)
会場:水戸芸術館ACM劇場
観覧料:全席自由 当日1000円、前売り800円


シリーズ「DENALI」(1998)より


シリーズ「CORONA」(2010)より


シリーズ「K2」(2015)より

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