ヴォルフガング・ライプ展 @ ケンジタキギャラリー / 東京


東京のためのインスタレーション(作家アトリエにて)© Wolfgang Laib 2015

ヴォルフガング・ライプ展
2015年10月24日(土)-12月12日(土)
ケンジタキギャラリー / 東京
http://www.kenjitaki.com/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※オープニング・レセプション:10月23日(金)17:00-19:30

ケンジタキギャラリー / 東京では、花粉や米、蜜蝋など生命や自然に密着した素材を用いた彫刻やインスタレーションで知られるヴォルフガング・ライプの個展を開催する。

ヴォルフガング・ライプは1950年ドイツ・メッツィンゲン生まれ。白い矩形の大理石板の表面をシャーレ状に削って牛乳を満たした「ミルク・ストーン」をはじめ、自分自身で採集した花粉を床一面に撒き、黄色い矩形を創出したり、蜜蝋で固めた部屋や家型の彫刻など、シンプルな造形ながら、観客を深い瞑想に誘うような作品で知られている。ライプはテュービンゲン大学で医学を学び博士号を取得するも、「現代医学は人間の身体についての自然科学にすぎない。大事なのは肉体だけではない」と、24歳のときに芸術に身を転じ、76年にシュトゥットガルトで初個展を開催。ライプの作品からは、子供時代に両親とともに住んだインドや、日本の禅など東洋の文化、思想からの影響を見てとることができるだろう。
2000年以降も、ワシントンのハーシュホーン美術館を皮切りにアメリカ合衆国の複数の美術館、ミュンヘンのハウス・デア・クンストを巡回した回顧展をはじめ、広東美術館、バイエラー財団(バーゼル)、メキシコ自治大学付属現代美術館(MUAC)、フランクフルト近代美術館(MMK)など世界各地の美術館で個展を開催。2013年にはニューヨーク近代美術館で個展を開催。昨年はフランス南部のアンゼルム・キーファーのアトリエ敷地に蜜蝋の部屋「既知から未知へ − あなたのお告げが導く場所は?」を制作した。日本国内では京都国立近代美術館やワタリウム美術館のグループ展に出品、2003年には本格的な回顧展を東京国立近代美術館、豊田市美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催。今年10月、第27回高松宮殿下記念世界文化賞を彫刻部門で受賞している。

本展では、最新作の蜜蝋の彫刻「ステップ・ピラミッド」(2015)、黒の御影石を用いた「ライス・ハウス」(2012)などを展示予定。作家自身によって空間に置かれた小さな米の山のインスタレーションとともに展示する。

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