フィオナ・タン『’Rise and Fall’ and New Works』@ ワコウ・ワークス・オブ・アート


Rise & Fall (2009)

フィオナ・タン『’Rise and Fall’ and New Works』
9月10日(土)–10月15日(土)22日(土)まで延長
ワコウ・ワークス・オブ・アート
http://www.wako-art.jp/
開催日時:火–土 11:00–19:00

昨年の妹島和世がディレクターを務めたヴェネツィア・ビエンナーレ建築展をはじめ、イスタンブール・ビエンナーレ、ドクメンタ11など、数多くの国際展に参加してきたフィオナ・タンのワコウ・ワークス・オブ・アートでは5回目となる個展『’Rise and Fall’ and New Works』が開催される。
本展では2009年の第53回ヴェネツィア・ビエンナーレで発表されたビデオインスタレーション「Rise and Fall」のほか、6世紀に実在した、幻の楽園を探し航海に出たアイルランドの修道士の物語をタン自身が朗読した新作「Brendan’s Isle(ブレンダンの島)」(2010)、スウェーデンのゴットランド島の静かな生活をおくる住民を描いた映像作品「Hans & Helge」(2011)が展示される。
中国系インドネシア人の父とスコットランド系オーストラリア人の母のもと、1966年にインドネシアに生まれた。その後、1988年にオランダに移り、美術を学んだ。その作品の多くは自身の生い立ちを背景に、グローバリズムやポストコロニアリズム論の文脈に位置づけられたり、他者論を意識したものとされてきた。しかし、近年は映像、イメージそのものと時間、記憶、そして言葉や物語の関係性について探求する作品の発表が続いている。形式的にも、従来は既存の写真やフィルムを用いた作品を中心に制作してきたが、近年は自らが監督となり、役者を使い、入念に設定された映像のインスタレーションを発表している。
展覧会初日の9月10日には18時よりアーティスト・レセプションが予定されている。さらに同日、ゲルハルト・リヒター、ヴォルフガング・ティルマンス、グレゴール・シュナイダーに続く、森大志郎デザインのテキストシリーズ第4弾「フィオナ・タン エッセイ」が刊行される。

関連記事
フォトレポート フィオナ・タン『’Rise and Fall’ and New Works』@ ワコウ・ワークス・オブ・アート

Copyrighted Image