小泉明郎『捕われた声は静寂の夢を見る』@ アーツ前橋


「捕らわれた言葉」2015年 シングルチャンネルヴィデオ Courtesy of the artist and Annet Gelink Gallery

小泉明郎『捕われた声は静寂の夢を見る』
2015年3月21日(土・祝)-6月7日(日)
アーツ前橋
http://www.artsmaebashi.jp/
開廊時間:11:00-19:00 入館は閉館30分前まで
休廊日:水(4/29、5/6は開館し、翌日休館)

アーツ前橋では、演劇的な要素を取り入れた映像表現によって、現代社会の人間の身体と精神の問題を探求する小泉明郎の個展『捕われた声は静寂の夢を見る』を開催する。本展は、ニューヨーク近代美術館やテート・モダンをはじめ国内外で精力的な発表を続ける小泉の初期作品から新作まで揃えた初の大規模個展となる。

小泉明郎は1976年群馬県生まれ。神奈川県在住。国際基督教大学卒業後に渡英。ロンドンのチェルシー・カレッジで映像を学び、2001年にベックス・フューチャー学生部門大賞を受賞する。その後、アーカス・スタジオ(茨城・守谷)やライクスアカデミー(アムステルダム)で制作活動を行なう。これまでに、森美術館のMAMプロジェクトやアネット・ゲリンクギャラリー(アムステルダム)などで個展を開催。リバプール・ビエンナーレ(2010)、メディア・シティ・ソウル(2010)、あいちトリエンナーレ2010、深圳ビエンナーレ(2014)などの国際展や国内外の企画展に多数参加している。2012年には、アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュでは最優秀賞、フューチャー・ジェネレーション・アート・プライズでピープルズチョイス賞を受賞している。現在、ソウル市立美術館で開催中のグループ展『微妙な三角関係』展に参加している。


「若き侍の肖像」2009年 4チャンネルヴィデオ Courtesy of the artist and Annet Gelink Gallery

本展では、都市生活者のコミュニケーションやナショナリズムを題材にしたり、戦争体験者の語り、視覚障害を持つ人物の身ぶりなどを扱い、特殊な体験として受け取られるものから普遍的なものを表出させてきた自身の作品を、複数のテーマを結びつけることで構成する。新作「捕らわれた言葉」(2015)は、1945年8月5日に体験した前橋空襲を現在へと語り継いでいる原田恒弘へのインタビューをもとに制作している。そのほか、初期作品「無題」(2001)や、「僕の声はきっとあなたに届いている」(2009)、「若き侍の肖像」(2009)、「ビジョンの崩壊」(2011)をはじめ、映像作品、ドローイング、塑像作品など計17作品を展示する予定。

会期中には、アーティストトーク、原田恒弘との対談、また、小泉が強く関心を持つ戦時中の国策映画などを上映、小泉自身が解説するスクリーントークを行なう。

関連イベント
小泉明郎 アーティストトーク
2015年3月21日(土)16:00-18:00
会場:ROBSON COFFEE アーツ前橋店
定員:先着40名
参加費:500円(1ドリンク付)

対談:小泉明郎 x 原田恒弘(作品「捕らわれた声」出演者)
2015年4月19日(日)14:00-16:00
会場:アーツ前橋スタジオ
参加費:無料
※原田恒弘:前橋市在住。7歳で体験した前橋空襲について、戦後50年を機に著作や公演を通じて伝える活動を行なう。著書に『ひまわり』(1995)、『群馬今昔100景—写真集』(あかぎ出版、2002)

スクリーントーク 小泉明郎
2015年5月5日(火・祝)
会場:シネマまえばし(アーツ前橋と同じ建物の3階)
定員:先着100名
参加費:無料
※小泉明郎が強く関心を持つ戦時中の国策映画などを上映し、本人による解説トークをおこないます。笠智衆らの戦後日本映画を支える人材が関わる作品を上映予定。上映作品や時間などの詳細は後日公式ウェブサイトに掲載

そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。


「祭壇画#3」2014年 チャーコール、紙 Courtesy of the artist and Annet Gelink Gallery

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