
記憶の円環|榮榮&映里と袁廣鳴の映像表現
2016年7月23日(土)-9月19日(月・祝)
水戸芸術館 現代美術ギャラリー
http://arttowermito.or.jp/
開館時間:9:30-18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし9/19は開館)
展覧会担当:井関悠(水戸芸術館現代美術センター学芸員)
水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、日常や伝統を新しいメディアで捉えなおし、自然や家族、人と人との交感を詩情豊かな写真と映像で表現する2組のアーティスト、榮榮&映里と袁廣鳴を紹介する展覧会『記憶の円環|榮榮&映里と袁廣鳴の映像表現』を開催する。
榮榮&映里[ロンロン・アンド・インリ](1968年福建省生まれ、1973年神奈川県生まれ)は北京を拠点に活動するアーティスト・ユニット。それぞれ写真家として活動していたふたりは、2000年から榮榮&映里として共同作品の発表をはじめる。2007年に北京の草場地芸術区に中国初となる写真専門の民間現代アートセンター「三影堂撮影芸術中心[Three Shadows Photography Art Centre]」を設立。その後も制作活動のみならず、アルル国際写真フェスティバルと提携した「草場地春の写真祭」(2010-)の開催や、「三影堂 厦門撮影芸術中心」(2015-)の設立など、中国の写真芸術の中心的存在として活動している。日本では2011年に資生堂ギャラリーで個展『榮榮&映里写真展 三生万物』を開催。越後妻有アートトリエンナーレ2012や『写真のエステ−五つのエレメント』(東京都写真美術館、2013)、『LOVE展:アートにみる愛のかたち』(森美術館、2013)などで作品を発表している。
袁廣鳴[ユェン・グァンミン]は1965年台北生まれ。国立芸術学院(現・国立台北芸術大学)を経て、97年にドイツ国立カールスルーエ造形大学を修了。自分自身、家、家族といった日常を中心的なテーマに、80年代半ばよりビデオアートに取り組む。90年代半ばより国際的な評価が高まり、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003)をはじめ、光州ビエンナーレ、台北ビエンナーレ、リバプール・ビエンナーレ、アジア・パシフィック・トリエンナーレといった国際展に参加。日本での展示機会も数多く、近年では第4回恵比寿映像祭(2012)、堂島ビエンナーレ2013、『消失の痕跡』(エスパス ルイ・ヴィトン東京、2014)、第5回福岡アジア・アート・トリエンナーレ(2014)に参加。2014年は三菱地所アルティアムで個展『記憶のスキャン:袁廣鳴のビデオアート1992-2014』を開催している。
本展では、榮榮&映里は2012年の越後妻有アートトリエンナーレへの招聘をきっかけに制作をはじめた「妻有物語」を中心に、家族や人への「愛」をテーマにした写真作品、袁廣鳴はケーブルカムの使用や超速度撮影など、人間の身体感覚を超えた大規模な映像インスタレーションを発表する。ギャラリー全体をふたつに区切ったふたつの個展形式の展示により、それぞれの鑑賞体験が影響しあい生み出される相乗効果が期待される。


Below:榮榮&映里「妻有物語 No.7-1 2012年」

