石内都展 Frida is @ 資生堂ギャラリー


Frida Love and Pain (2012/2016) © Ishiuchi Miyako

石内都展 Frida is
2016年6月28日(火)-8月21日(日)
資生堂ギャラリー
http://www.shiseidogroup.jp/gallery/
開廊時間:11:00-19:00(ただし、日曜祝日は18:00まで)
休廊日:月

展覧会担当:大竹かおり(資生堂ギャラリー学芸員)

資生堂ギャラリーでは、日本を代表する写真家、石内都の個展『Frida is』を開催する。

石内都は1947年群馬県生まれ。自身が育った横須賀を舞台にした初期三部作が、街の空気、気配、記憶をとらえた写真作品として高い評価を受ける。90年代に入ると、皮膚に刻まれた傷跡を記録した「scars」(1991-2003)や、女性の身体に残る傷を記録した「INNOCENCE」(1994-2003)といったこれまでとは異なるアプローチで作品制作を続け、2005年にヴェネツィア・ビエンナーレ日本館で、母親の残した遺品の記録「Mother’s」(2000-2005)を発表した。その後も『Mother’s』同様、遺品や布、記憶を扱う作品として、「ひろしま」(2007-)や「絹の夢」(2009-2012)、「幼き衣へ」(2014)を発表。2014年にはハッセルブラッド国際写真賞を受賞し、昨年、ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館で開催された個展『Postwar Shadows』では、アメリカの美術館で初めて「ひろしま」が公開された。

本展では、2012年にメキシコシティのフリーダ・カーロ博物館の依頼で制作した「Frida by Ishiuchi」と「Frida 愛の痛み」シリーズより、31点の作品を紹介する。撮影対象となったのは、フリーダの生家でもある「青い家」と呼ばれる同博物館で、彼女の死後50年となる2004年に封印を解かれた遺品。石内はこれらの遺品を丹念に配置し、35ミリのフィルムカメラを手に、自然光の中で撮影した。この経験を石内は「同じ女性として、表現者として、しっかり生きた一人の女性に出会ったということが一番大きかった」と語っている。同シリーズは既にメキシコの出版社RMから写真集が発売されているが、本展に合わせて、未発表の写真を中心とした写真集『フリーダ 愛と痛み』(岩波書店)と石内の写真とエッセイ集『写真関係』(筑摩書房)が刊行される。また、石内のメキシコでの撮影過程に密着したドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 –石内都、織るように』(監督/小谷忠典)の再上映も東京(アップリンク)、大阪(シアターセブン)で予定されている。

関連企画
石内都 x 黒河内真衣子(mameデザイナー)
2016年7月2日(土)14:00-16:00
会場:花椿ホール(資生堂銀座ビル3F)
定員:200名(無料)、要申込(6/20まで)
※下記URLにて申込可(申込多数の場合は抽選)
https://www.shiseidogroup.jp/gallery/event/index.html


Frida Love and Pain (2012/2016) © Ishiuchi Miyako


Frida Love and Pain (2012/2016) © Ishiuchi Miyako

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