クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス−さざめく亡霊たち @ 東京都庭園美術館


「アニミタス」(小さな魂) 2014年 Photo: Angelika Markul Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery

クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス−さざめく亡霊たち
2016年9月22日(木・祝)-12月25日(日)
東京都庭園美術館 新館ギャラリー1・2および本館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/
開館時間:10:00-18:00(11/25, 26, 27は20:00まで)
休館日:第2・4水曜日

東京都庭園美術館では、クリスチャン・ボルタンスキーの個展『クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス−さざめく亡霊たち』を開催する。

クリスチャン・ボルタンスキーは1944年パリ生まれ。焦点のずれた肖像写真を小さな電球で照らした、祭壇を連想させる〈モニュメント〉シリーズや大量の古着を使ったインスタレーションなど、歴史の中に埋没していく記憶の蘇生、匿名の個人/集団の生(存在)と死(消滅)を扱った作品を60年代より一貫して発表している。3度のドクメンタ(1972、1977、1987)をはじめ、数多くの展覧会に参加。近年も、2度のヴェネツィア・ビエンナーレ(2011、2015)、パリ、グラン・パレでのモニュメンタ(2010)、ロッテルダムのオランダ写真美術館(2012)、ウォルフスブルク市立美術館(2013)、ボローニャ近代美術館(2015)などで個展を開催している。日本国内では90年にICA名古屋と水戸芸術館現代美術ギャラリーで個展を開催。『La Chaine 日仏現代美術交流展』(BankART1929、2007)や『ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界』(森美術館ほか、2014-2015)、瀬戸内国際芸術祭や越後妻有アート・トリエンナーレにそれぞれ複数回参加。2006年に第18回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。現在開催中の瀬戸内国際芸術祭には、常設の「心臓音のアーカイヴ」だけでなく、300以上の風鈴が揺れ動く「アニミタ」を発表している。

本展では、朝香宮邸として建築されて以来、外務大臣公邸、迎賓館などとして使用された歴史と、往来した人々の記憶を宿す東京都庭園美術館で、「亡霊たち」のさざめく舞台を展開する。昨年のヴェネツィア・ビエンナーレでも発表した「アニミタス」をはじめ、「まなざし」や「影の劇場」などを通じて、「亡霊たち」、それはすでに失われた過去のものではなく、「アニミタス」という言葉の語源が「霊魂」のほかに「生命」をあらわすように、今ここに存在した無数の「他者」とともに私たちが生きていることを伝える。

なお、東京都庭園美術館では、同時開催として『アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間』を開催。修復・復刻してきた創建時の調度品および、同館所蔵のアール・デコの時代に活躍した作家の作品・資料を展示し、旧朝香宮邸の室内空間の再現を試みるとともに、ディテールからみた建物の魅力を紹介する。


「影の劇場」1990年 16のオブジェ(メタル、カードボード、ワイヤー、カセットテープ、木、葉など)、プロジェクター、ファン、コンバーター サイズ可変 Photo:André Morain Courtesy the artist and Marian Goodman Gallery

関連企画
記念講演会
登壇者:クリスチャン・ボルタンスキー
逢坂恵理子(横浜美術館館長)
2016年9月22日(木・祝)14:00-16:00
会場:日仏会館1Fホール(渋谷区恵比寿3-9-25)
定員:140名(事前申込制)※定員に達したために受付終了

ART BOOK CLUBわたしの中の亡霊
第1回「インスタレーションと鑑賞者のエモーショナルな関係」
2016年11月25日(金)18:00-19:30
第2回「一風変わった幼少期からアーティストボルタンスキーの誕生」
2016年11月26日(土)14:00-15:30
企画:Artbook Eureka、澤隆志
会場:東京都庭園美術館 本館
定員:各回20名(要展覧会チケット、事前申込制)
※10月25日よりオンライン予約開始

連携プログラム
オールピスト東京2016
「クリスチャン・ボルタンスキー 初期フィルム作品 上映」
2016年9月16日(金)19:30-(開場:19:00)
会場:SuperDeluxe
チケット:前売り2,500円、当日3,000円(+ドリンクチケット700円)
上映作品:「咳をする男」(1969)3’30”
「舐める男」(1969)2’30”
「私が思い出す全て」(1969)0’24”
※約30分間のループ上映
※同時開催ライヴ・パフォーマンス No.1(出演:山形一生、HouxoQue、大和田俊&永田康祐、西山修平、西原尚)

ART iT Archive
クリスチャン・ボルタンスキー「消えゆく記憶の融解点」(2010年8月初出)


東京都庭園美術館 本館 大客室 天井

アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間
2016年9月22日(木・祝)-12月25日(日)
東京都庭園美術館 本館

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