第8回中之島映像劇場『ジョナス・メカス カメラ、行為、映画』@ 国立国際美術館


ジョナス・メカス「リトアニアへの旅の追憶」(1971-72年/16mm/82分)© Jonas Mekas

第8回中之島映像劇場
『ジョナス・メカス カメラ、行為、映画』
2014年10月18日(土)、19日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
※上映スケジュールは最下部に記載

2014年10月18日と19日の二日間、国立国際美術館にて第8回中之島映像劇場『ジョナス・メカス カメラ、行為、映画』が開催される。

国立国際美術館では、1989年から映像作品の収集に取り組み、常設展示場での公開をはじめている。中之島移転後も継続的に行なわれてきた定期的な上映会を2011年3月に「中之島映像劇場」と名付け、メディアに立脚した、言葉の最も広い意味での「美術と映像」の歴史的な変遷を探り、現代の状況の解明を試みている。

本上映会では、日記映画という独自の形式を創り出し、実験映画、個人映画の枠を超えて、幅広い人々に影響を与えている映像作家、詩人のジョナス・メカスの作品より、60年代の代表作「営倉」(1964)と70年代の代表作「リトアニアへの旅の追憶」(1971-72)を紹介する。

カメラはレンズの前の事象を捉え映像に記録する。その記録は部分的にはオートマティックに行なわれるが、大部分は撮影者の能動的な選択と行為によってなされる。それ故に、そこには写された対象のみならず、撮影者自身の行為も記録されていると考えられる。メカスは自身の身のまわりをボレックス(16ミリ映画カメラ)で撮影しはじめてから15年近くを経て、日記としての映画に自覚的になり、3時間近い大作「ウォールデン」(1968)を制作、日記映画というスタイルを確立していく。


ジョナス・メカス「営倉」(1964年/16mm/68分)© Jonas Mekas

今回上映する「営倉」は、ケネス・ブラウン戯曲、リビング・シアター上演の同名舞台を記録したもので、65年のヴェネツィア映画祭ドキュメンタリー部門で大賞を受賞している。営倉の囚人と看守との暴力的で理不尽なやりとりを実際にルポルタージュしているようなカメラワークが特徴的。一方、「リトアニアへの旅の追憶」は3つのパートで構成された日記映画。第一部はメカスがニューヨークに来て最初に手に入れたボレックスで撮影した50年頃のブルックリンの風景。第二部は71年8月に27年振りに訪れた故郷リトアニア、セメニシュケイ村での母、家族との再会。第三部はドイツ、エルムスホルンの収容所跡、そしてウィーン訪問と友人たちと過ごす時間を捉えている。「ウォールデン」以前と以後の二作品を通じて、行為の帰結としての映画を意識し、映画とは何か、表現するとは何かという根源的な問いを認める機会となる。

上映スケジュール(両日とも同一プログラム)
13:00- Aプログラム「リトアニアへの旅の追憶」(82分)※冒頭に解説(15分)
15:00- Bプログラム「営倉」(68分)※アフタートーク(10分)

会場:国立国際美術館B1階講堂
定員:130名(先着順)、無料、全席自由
※午前10時より各プログラムごとの整理券を配布、1名につき1枚
※各回入れ替え制

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