赤瀬川原平の芸術原論展 1960年代から現在まで @ 広島市現代美術館


「千円札事件懇談会「法廷での展覧会」」1966/1994年

赤瀬川原平の芸術原論展 1960年代から現在まで
2015年3月21日(土・祝)-5月31日(日)
広島市現代美術館
http://www.hiroshima-moca.jp/
開館時間:10:00-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月、5/7(ただし、5/4は開館)

特設ウェブサイト:http://www.hiroshima-moca.jp/akasegawa/

広島市現代美術館では、50年以上に渡って美術分野を中心に多領域を横断する独創的な活動を続けた赤瀬川原平の軌跡を500点を超える作品・資料を通して概観する展覧会『赤瀬川原平の芸術原論展 1960年代から現在まで』を開催する。

赤瀬川原平は1937年神奈川県生まれ。前衛美術家、漫画家・イラストレーター、小説家・エッセイスト、写真家といった複数の顔を持つアーティストとして知られる。「反芸術」を代表するアーティストとしても知られる赤瀬川は、60年代に篠原有司男、吉村益信、荒川修作らとともに「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」の結成に参加、続いて、63年に中西夏之、高松次郎と「ハイレッド・センター」の活動を開始する。本展では、赤瀬川原平を名乗る以前の作品から、ネオ・ダダ時代に読売アンデパンダンに出品した「ヴァギナのシーツ(二番目のプレゼント)」(1961/1994)、ハイレッド・センターの多彩な資料や記録写真などを紹介する。


Above:「押収品・模型千円札Ⅱパネル作品3」1963年 Below:「ハレーション」2013年 協力:ギャラリー58

赤瀬川はネオ・ダダ、ハイレッド・センター時代を通じて一連の「模型千円札」を制作。通貨及証券模造取締法違反に問われ、65年から「千円札裁判」を争うこととなる。本展でも、同裁判に関連する数々の「押収品」、判決文などの資料、記録写真を展示。多数の前衛美術作品が法廷を占拠するなど、法廷を舞台に、芸術と司法が異種格闘戦を繰り広げた同裁判を概観する。
さらに、本展では、同裁判の控訴審が終了した68年頃から赤瀬川が展開した漫画・イラストの領域、小説、「超芸術トマソン」、「路上観察学会」、「ライカ同盟」など多彩な領域で制作した膨大な量の「作品」を紹介する。

会期中には、赤瀬川の『路上観察学入門』や『老人力』などを手掛けた編集者、松田哲夫と、赤瀬川とともに「日本美術応援団」を結成した山下裕二のふたりによるトークショー、赤瀬川が脚本を手掛けた映画『利休』(監督/勅使河原宏)の上映を予定している。

なお、広島市現代美術館では、「記録」に焦点を当てたコレクション展(5月31日まで)と、ジャカルタを拠点に映画監督、映像作家、キュレーターとして活動するハフィズ・ランチャジャレの「アラム:シュハダ」(2005)を紹介するビデオアートプログラム「世界に開かれた映像という窓」(3月29日まで)を開催している。


「路上観察学会発会式」1986年

関連プログラム
松田哲夫+山下裕二トークショー「赤瀬川原平とは何者か」
2015年3月22日(日)14:00-16:00(開場:13:30)
会場:広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
定員:120名 要展覧会チケット(半券可)
※当日10:00より受付にて整理券配布

映画上映「利休」
2015年3月28日(土)14:00-(開場:13:30)
会場:広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
定員:100名 申込不要、要展覧会チケット(半券可)
『利休』(1989、135min.)監督/勅使河原宏、脚本/赤瀬川原平

そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。

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