われらの狂気を生き延びる道を教えよ @ 広島市現代美術館


アルフレド・ジャール「われらの狂気を生き延びる道を教えよ(ヒロシマのために)」1995年

コレクション展 2015-Ⅱ
われらの狂気を生き延びる道を教えよ
2015年7月25日(土)-10月18日(日)
広島市現代美術館
http://www.hiroshima-moca.jp/
開館時間:10:00-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月、9/24、10/13(ただし、9/21、10/12は開館)

広島市現代美術館では、被爆70周年にあたり、現代美術においてヒロシマはいかに捉えられ、表現されてきたのかを振り返り、その表現のなかに今なお核の脅威にさらされている現状を生き抜く道を探るコレクション展『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』を開催している。企画担当は洲濱元子(広島市現代美術館主任学芸員)。

本展タイトル「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」は、同美術館の被爆50周年記念展『ヒロシマ以後 現代美術からのメッセージ』のために制作され、本展にも出品のアルフレド・ジャールの作品タイトルであると同時に、小説家の大江健三郎が自らの短編集の表題として、詩人W.H.オーデンの詩句から引用した言葉である。大江は60年代末に「核時代への想像力」と題した講演の中で、核の時代を生き延びるためには「核兵器の悲惨に対する想像力」を持ち続けるほかないと語ったが、現在、その想像力の支えであるべき具体的なヒロシマの記憶は時間の経過とともに確実に失われつつあるのではないだろうか。

本展では「ヒロシマを描く—イメージとしてのヒロシマ」、「ヒロシマを記録する—証言としてのヒロシマ」、「ヒロシマのためのモニュメント」、「ヒロシマをたどる—痕跡としてのヒロシマ」、「ヒロシマを考える—核時代の想像力」という視点のもとに、井上覚造の「地球は終わりぬ」や土田ヒロミの「ヒロシマ・モニュメント」、ヘンリー・ムーアの「アトム・ピース」、荒木高子の「原爆の聖書」、松澤宥の「ピース・アート・アクション—消滅マンダラ」などを通じて、核時代の想像力を失わずに狂気の時代を生き延びる術を探っていく。

同美術館では現在、「ヒロシマを見つめる三部作」の第1部として、広島の被爆者たちがその体験をもとに描いた「原爆の絵」を出発点とした展覧会『ライフ=ワーク』を開催している。また、丸木位里・俊の「原爆-ひろしまの図」の修復作業を9月27日まで公開している。


Above: 井上覚造「地球は終わりぬ」1956年. Below: 若林奮「DOME」1988年.

カタカナ表記は主催者資料に基づく。

被爆70周年:ヒロシマを見つめる三部作 第1部
ライフ=ワーク
2015年7月18日(土)-9月27日(日)
広島市現代美術館
http://www.hiroshima-moca.jp/life-work/

オープン・プログラム
「原爆-ひろしまの図」公開修復
2015年7月18日(土)-9月27日(日)
広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
http://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/restoration/

Copyrighted Image