フィオナ・タン まなざしの詩学 @ 東京都写真美術館


「ディスオリエント」2009年 Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

フィオナ・タン まなざしの詩学
2014年7月19日(土)-9月23日(火、祝)
東京都写真美術館
http://www.syabi.com/
開館時間:10:00-18:00(木、金は21:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月(月曜が祝日の場合は翌日が休館)

東京都写真美術館では、静止写真を含むさまざまな映像メディアを駆使して、記憶、時間、言葉や物語の関係性を探求するフィオナ・タンの個展『まなざしの詩学』を、2階展示室と1階ホールの2会場を使用して開催する。

フィオナ・タンは1966年プカンバル(インドネシア)生まれ。中国系インドネシア人の父とスコットランド系オーストラリア人の母の間に生まれ、幼少期をオーストラリアで過ごし、88年にオランダへと移住。現在はアムステルダムを拠点に活動している。こうした背景からポストコロニアリズムの文脈で作品が紹介される傾向が強いが、タンの既存の写真や映像を使用した作品や、細部にわたり演出された映像作品やインスタレーションはそれだけに留まらず、心象と記憶の関係性、時間、言葉や物語の関係性を追求するものとして高い評価を受けている。

ドクメンタ11をはじめとする数多くの国際展に参加、各国での発表を重ねているが、日本国内でも横浜トリエンナーレ(2001)への参加やワコウ・ワークス・オブ・アートでの個展のほか、近年は金沢21世紀美術館で個展『エリプシス』(2013)を開催、現在も『ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界』(森美術館)に出品している。また、本展が国立国際美術館に巡回、来年にはIZU PHOTO MUSEUMでの個展も控えている。


「インヴェントリー」2012年 Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo

本展では、2009年にオランダ館代表として参加した第53回ヴェネツィア・ビエンナーレに出品した「ディスオリエント」(2009)や、用途や特性の異なる6つの技術(35ミリフィルム、16ミリフィルム、スーパー8、8ミリフィルム、ディジタル・ヴィデオ、ヴィデオ8)を使用した「インヴェントリー」(2012)、タンが繰り返し探究しているポートレイトを扱った「プロヴィナンス」(2008)といった日本初公開作品を中心に紹介する。また、1階ホールでは、こちらも日本初公開となる「興味深い時代を生きますように」(1997)と、第2回恵比寿映像祭(2010)でも上映した「影の王国」(2000)を紹介する。

会期中にはアーティスト・トークを開催、フィオナ・タン作品をより深く知るための用語集という形式をとった本展公式図録兼アーティストブックを刊行する。同時期にはワコウ・ワークス・オブ・アートでも個展『Nellie』(7/19〜9/27)が開催される。

なお、東京都写真美術館では、本展および同時開催の『岡村昭彦の写真 生きること死ぬことのすべて』終了後、9月24日より再来年8月末(予定)まで改修工事のため休館となる。

関連イベント
アーティスト・トーク
フィオナ・タン
2014年7月20日(日)14:00-15:30(開場:13:45)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(無料、要チケット半券)
※当日10:00より1階受付にて整理券配布


フィオナ・タン『Nellie』
2014年7月19日(土)-9月27日(土)
ワコウ・ワークス・オブ・アート
http://www.wako-art.jp/

フィオナ・タン まなざしの詩学
2014年12月20日(土)-2015年3月22日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/

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