金氏徹平『フライド幽霊とボイルド空想』@ シュウゴアーツ


press image of DEEP FRIED GHOST / HARD BOILED DAYDREAM, 2014. Courtesy of the artist and ShugoArts

金氏徹平『フライド幽霊とボイルド空想』
2014年3月20日(木)-4月26日(土)
シュウゴアーツ
http://shugoarts.com/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:日、月、祝

シュウゴアーツでは、金氏徹平の個展『フライド幽霊とボイルド空想』を開催している。同ギャラリーでは2012年以来3度目の個展。

金氏徹平は1978年京都府生まれ。既製品を積み上げ、それを白い樹脂で覆うことで異なる物体を輪郭の連続する構築物として再構成する作品で注目を集める。特定のルールに基づいて接続、再構築することで、そのものが本来持つ意味とは別の意味を付与し、新しい存在へと変化させるという試みに加え、近年は架空の舞台美術の模型や反射材やレンチキュラーを素材としたコラージュ、映像作品なども展開している。

2009年には個展『変成態—リアルな現代の物質性 vol.6 金氏徹平』(ギャラリーαM)や『溶け出す都市、空白の森』(横浜美術館)を開催。その後も国内外のギャラリーでの個展や、シンガポール・ビエンナーレ2011や『Re: Quest—Japanese Contemporary Art since the 1970s』(ソウル大学美術館、2013)と国外の企画展に多数参加。昨年は個展『Towering Something』を北京のユーレンス現代美術センターなどで開催。国内でも『世界制作の方法』(国立国際美術館、2011)や六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト—来たるべき風景のために』(森美術館、2013)などの企画展に参加している。また、シンガポールのSTPI(Singapore Tyler Print Institute)での個展が今年9月に予定されている。

近年の北京での滞在制作や、STPIにて版画の技法に取り組むことで、イメージと物質の関係をより強く意識するようになり、コラージュに対する考え方が更新されたという金氏。本展ではそうした新しい経験を踏まえた作品群が発表される。昨年から取り組んでいる平面のGray Puddleシリーズを中心に、個人的な、もしくは幻想や実体のない現象として共有されているものをモチーフに、そこに形や重さ、生々しさや空間性を与えるような絵画や彫刻が登場する。なお、本展タイトルは、ともに実体のない物を調理方法でとらえたもので、『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する「人魂の天ぷら」と小説のひとつのジャンルの呼称「ハードボイルド」という言葉に関係するものとのこと。


press image of DEEP FRIED GHOST / HARD BOILED DAYDREAM, 2014. Courtesy of the artist and ShugoArts

フィクションとノンフィクション、非日常と日常の境界線を更新する必要がある。 もしくはその無意味について。相変わらず僕の興味の対象はわからなさや不確かさであり、それをとらえようとするために、作ること、描くこと、それによって 生まれる新しい空間が現場になると思う。現場を隠したり、ずらしたりすることはしたくない。
—金氏徹平(※プレスリリースより抜粋)

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