THE PLAY since 1967 まだ見ぬ流れの彼方へ @ 国立国際美術館


プレイ「VOYAGE: Happening In An Egg」記録写真 1968年8月1日 和歌山県串本町南方海上
撮影 石井信夫 © THE PLAY

THE PLAY since 1967 まだ見ぬ流れの彼方へ
2016年10月22日(土)-2017年1月15日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00-17:00(金、土は20:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、1/9は開館)、12/28-1/4、1/10

企画:橋本梓(国立国際美術館主任研究員)

国立国際美術館では、関西を拠点に1967年以来、かたちに残る何かを「作る」のではなく「体験する」ことを継続してきた芸術家集団プレイの美術館での初個展『THE PLAY since 1967』を開催する。

プレイ(THE PLAY)は、現在中心となる池水慶一、小林愼一、鈴木芳伸、二井清治、三喜徹雄の5名のほか、流動的なメンバー構成で活動しており、何らかのかたちでこれまでにプレイに参加した人数は100名を超える。プレイは、ゲリラ的なパフォーマンスが全盛期となった60年代後半から、70年代頃までは「ハプニング」、以後は「行為」「パフォーマンス」「プロジェクト」などと呼ばれる活動を現在まで約50年間継続している。発泡スチロール製のイカダで一日かけて川を下る、京都から大阪へ羊を連れて旅をする、山頂に丸太材で一辺約20mの三角塔を建て雷が落ちるのを待つなど、主に都市近郊の自然のなかで行なったり、美術館での展覧会においても、展示室の大きな窓をはずして室内に設置するなど、閉じた空間に驚くべき解放感をもたらしたりと、牧歌的ながらも批評性に富んだ活動は、制度批判やオフ・ミュージアムの動向に関連して注目されている。しかし同時に、芸術という枠組みを意識しつつも、それを大きく乗り越えるような、自然のなかで人間が行う普遍的な営みについて常に考えを巡らせてきた態度は、その活動の本質として見てとることができる。

本展では、これまでの記録展示が中心となっていたプレイの展覧会に対し、彼らの活動のスケール感を持ち込んだ原寸大資料とともに、印刷物、記録写真、記録映像、音声記録などによって、その活動の全貌を展覧する。原寸大資料として、2011年に制作した「ナカノシマ現代美術の流れ」のためのイカダ、2015年の「IE Picnic : THE PLAY HAVE A HOUSE」で再建した家に加えて、77年から10年間取り組んだ「雷」で建設した三角塔の復元を試みる。また、本展の調査の過程で発見された音声記録や、クリーニングとデジタル化を施した「FLAG・旗 Vol3」の8mmフィルム映像など、これまで紹介されてこなかったさまざまな資料も公開される。会期中には、アーティスト・トークや、シンポジウム「芸術の(再)歴史化:作品と資料体のあいだで」なども開催される。


プレイ「La Seine 現代美術の流れ」記録写真 2012年6月5日 セーヌ川(パリ、フランス)
撮影 南隆雄 © THE PLAY

関連企画
アーティスト・トーク
2016年10月23日(日)14:00-
会場:国立国際美術館 地下2階展示室
※参加無料、要観覧券

シンポジウム「芸術の(再)歴史化:作品と資料体のあいだで」
登壇者:上崎千(芸術学/アーカイヴ理論)、田中龍也(群馬県立近代美術館)、富井玲子(美術史家・「ポンジャ現懇」主宰)、平井章一(京都国立近代美術館)、橋本梓(国立国際美術館)
2016年10月29日(土)13:00-
会場:国立国際美術館 地下1階講堂
※詳細は決まり次第、公式ウェブサイトに掲載


プレイ「雷 7」記録写真 1983年7月16日〜9月11日 京都府相楽郡和束町鷲峰山山頂下 撮影者不明
© THE PLAY


プレイ「MADO 或いは返信=埒外のものを愛せよ」設営風景写真 1980年 兵庫県立近代美術館 撮影 池水慶一 © THE PLAY

※そのほかの関連企画は、公式ウェブサイトを参照。

同時期開催
日伊国交樹立150周年特別展 アカデミア美術館所蔵
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち
2016年10月22日(土)-2017年1月15日(日)
国立国際美術館
開館時間:10:00-17:00(金曜は19:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、1/9は開館)、12/28-1/4、1/10

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