「逆転移」リギョン展 @ 銀座メゾンエルメス フォーラム


The tree of knowledge of good and evil 2001

「逆転移」リギョン展
2014年10月31日(金)-2015年1月7日(水)
銀座メゾンエルメス フォーラム
http://www.hermes.com
開廊時間:11:00-20:00(日曜は19時まで)入場は閉廊の30分前まで
不定休(年末年始はエルメス銀座店の営業日に準ずる)

銀座メゾンエルメス フォーラムでは、初期作品より一貫して光をテーマに制作活動を行なうリギョンの個展を開催する。

リギョンは1969年チョンジュ生まれ。現在もソウルを拠点に活動している。慶熙大学校を卒業後、ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインにて修士号、博士号を取得している。2000年代に入ると韓国を中心に国内外で作品発表を重ね、一昨年にはソウルのコリアナ美術館で個展『モア・ライト』を開催した。昨年はトーキョーワンダーサイトのレジデンスプログラムに参加している。

本展『逆転移』では、2001年に制作された代表作のひとつ「善悪の知恵の木」と新作「蛇の口づけ」のふたつの作品を展示する。実体はなくとも存在を照らし出す媒体として、視覚芸術に大きく関与してきた光は、リギョンの作品において、見えるものと見えないものの関係を再定義する重要な要素として使われている。「善悪の知恵の木」は見えないものを見ようとする本能的な衝動に形を与えたかのような作品で、禁断の果実をメタファーにとらえた、目をくらませる強い光に満ちた部屋は、見ることへの過度な欲望がハレーションを起こしているかのようである。一方、「蛇の口づけ」は不可視そのものを表現することに焦点が当てられ、リギョンの過去作品のように精密な装置で光を統御することなく、展示空間となるフォーラム特有の自然光の移り変わりを積極的に取り入れ、「太陽の光を描くこと」を目指す光と音のインスタレーション。

この1年を通じてフォーラムで展開してきた現代美術における「素材」についての考察は、エルメスのアトリエで使われるような皮革やクリスタル、シルク、銀といったソリッドな素材から、身体を経て、本展で中心となる光という非物質的な素材が生み出す表現へと移行していく。


I am telling a lie 2012

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