ジャパン・アーキテクツ 1945-2010 @ 金沢21世紀美術館


KIKUTAKE Kiyonori Marine City Model (1963) Collection Centre Pompidou, Mnam-Cci. Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / Georges Meguerditchian / distributed by AMF

ジャパン・アーキテクツ 1945-2010
2014年11月1日(土)-2015年3月15日(日)
金沢21世紀美術館
https://www.kanazawa21.jp/
開場時間:10:00-18:00(金曜、土曜は20:00まで)チケット販売は閉場30分前まで
休場日:月(祝日の場合、翌平日休)、12/29-1/1

金沢21世紀美術館では、共同主催のポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館が所蔵する作品・資料を核に、戦後日本において大きな役割を果たしてきた建築家による150を超えるプロジェクトを考察し、戦後日本建築史を通観する大規模な展覧会『ジャパン・アーキテクツ 1945-2010』を開催する。

焦土からの出発となった戦後日本では、国土再建の過程で建築家が大きな役割を果たし、モダニズムの規範に則すとともに日本固有の様式を追求しつつ、公共建築をはじめとしたさまざまな建築物の実現を目指した。同時に建築家の眼差しは建築から都市へと拡張し、60年代に入ると、経済成長と工業技術の発展の後押しを受けた新しい動向「メタボリズム」が生まれる。経済の高度成長に向かう中で国家的プロジェクトとなった大阪万博が新しいヴィジョンを描き出し、次世代へと受け継がれる一方で、ミニマリズム的なスタイルも勃興。その後迎えたバブル経済の崩壊と阪神淡路大震災を経た90年代半ば以降は、「社会と建築」や「自然と建築」の関係を「ナラティブ」や「プログラム」といった視点で問い直すような作品の創出につながった。このように、戦後日本建築は西洋を典拠とするモダニズムと日本的なアイデンティティの間で揺れ動きつつ独自の変遷をとげ、国際的にも大きな注目を集めており、21世紀の今、歴史を振り返ることは未来にむけての提言も含むものである。


KUROKAWA Kisho Helix City Perspective (1961) Collection Centre Pompidou, Mnam-Cci. Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / Georges Meguerditchian / distributed by AMF

本展監修およびキュレーターを務めるポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館副館長のフレデリック・ミゲルーは、1945年から2010年までの65年間を、「黒:絶えざる破壊と再生、陰翳あるいは闇」、「ダーク・グレー:都市と国土のヴィジョン」、「ライト・グレー:新しい日本建築」、「カラー:メタボリズム、万博、新たなヴィジョン」、「ノン・カラー:消滅の建築」、「白:還元から物語へ」といった各セクションのコンセプトに対応するカラー・コードを用いた6つのセクションに分け、戦後日本建築を独自の視点で読み解いていく。

開館10周年を迎える金沢21世紀美術館は、妹島和世+西沢立衛/SANAAによる円形の美術館として国内外で注目を集め、建築を目当てとする来館者も多い。本展の開催には同館の建築を読み直す意味も込められている。会期中には、ミゲルーの講演会のほか、出品建築家の安藤忠雄や磯崎新の講演会を開催。同館では同時期に『3.11以後の建築』、『犬のための建築』も開催する。また、建築フォーラム「公共建築—設計の核心—」(金沢海みらい図書館)、『[谷口吉郎・谷口吉生]展 金沢が育んだ二人の建築家』(金沢市芸術村)、歴史的空間再編コンペティション2014 〜第3回「学生のまち・金沢」設計グランプリ(金沢21世紀美術館、金沢学生のまち市民交流館)といった建築に関する企画も本展会期中に金沢市内で開催される。


ANDO Tadao Rokko Housing I Study Model (1978-1983) Collection Centre Pompidou, Mnam-Cci. Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais / Jean-Claude Planchet / distributed by AMF

関連プログラム
フレデリック・ミゲルー講演会「ジャパン・アーキテクツ 1945-2010」
2014年11月1日(土)14:00-16:00
会場:金沢21世紀美術館B1F シアター21
定員:120名(当日先着順)、無料

安藤忠雄講演会「地方都市の可能性をつくる」
2014年11月22日(土)19:30-21:00
会場:金沢市文化ホール
定員:先着800名(事前申込制)無料
申込詳細はコチラ

磯崎新講演会「『わ』空間の建築家」
2015年2月20日(金)18:30-20:30
会場:金沢21世紀美術館B1F シアター21
定員:先着120名(事前申込制)、無料
※12月10日(水)10:00より金沢21世紀美術館特設ウェブサイトにて申込受付開始(先着順)

インタビュー
妹島和世「コミュニケーション、環境、感覚的空間」(2010年8月初出)
西沢立衛「社会、ランドスケープ、時代が生み出す建物」(2010年8月初出)
石上純也「拡張する透明性」(2010年9月初出)
藤本壮介「身体が創り出す空間」(2010年9月初出)
伊東豊雄「社会参加を促す建築を目指して」(2011年4月初出)
坂茂「「問いの建て方、問いの解き方」(2013年3月初出)

レクチャー@ミュージアム
藤森照信「土と建築」(2010年10月初出)

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