Shizubi Project 5 抽象する場 福嶋敬恭 @ 静岡市美術館 エントランスホール


「Shizubi Project 5 抽象する場 福嶋敬恭」2015年 静岡市美術館 撮影:木奥恵三

Shizubi Project 5
抽象する場 福嶋敬恭
2015年8月4日(火)-9月27日(日)
静岡市美術館 エントランスホール
http://www.shizubi.jp/
開館時間:10:00-19:00
休館日:8/10、8/17

2010年の開館以来、今年で5周年を迎える静岡市美術館は、同館エントランスホールの開放的な空間を利用して現代のさまざまな美術を紹介してきた「Shizubi Project」の第5弾として、「抽象する場 福嶋敬恭」を開催している。

福嶋敬恭は1940年鳥取県生まれ。京都市立美術大学彫刻科在学中より、鉄を素材とした抽象彫刻に取り組む。64年から65年にかけて渡米し、当時の単純な幾何学形態で構成された彫刻に影響を受け、明快な形態の作品、単一の構造を反復させる作品を制作する。80年代には二度目の渡米を果たし、具体的なイメージを取り入れたアクリルや油彩の絵画、有機的な形を取り入れた彫刻を手がけ、渡独を経験した90年代以降は、ワックスやガラスなど、より多様な素材を用いて幅広い表現形式に取り組んでいった。2002年には国立国際美術館で回顧展『こころの中のこころ』を開催。福嶋の造形理念と問題意識の核心に迫るとともに、新たな展開を予感させる新作も発表された。2000年代に入ると、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究「宇宙への芸術的アプローチ」にも携わりながら、今日に至るまで制作を続けている。

本展では、白を基調としたエントランスホールに深いマゼンタの色がひろがる。抽象や具象、彫刻や絵画といった枠を超えて、純粋な”色と形”の知覚体験は、観客に「抽象とはなにか」を考えさせるだろう。

会期中には、福嶋、岩城見一(京都大学名誉教授)、上村博(京都造形芸術大学教授)によるトークイベント、会期初日と最終日に福嶋のアーティストトークを開催する。また、本展の展示風景のほか、福嶋が50年以上にわたり制作した作品をすべて収録したカタログレゾネを本展公式カタログとして9月に刊行する。

「Shizubi Project」は、2011年に袴田京太朗「人と煙と消えるかたち」、2012年に小林且典「ひそやかな眼差し」、2013年に今村源「わた死としてのキノコ」、2014年から2015年にかけて津田亜紀子、藤原彩人、青木千絵の「ヒトのカタチ、彫刻」を開催。各展覧会の公式カタログを刊行している。

関連イベント
カタログ刊行記念 トークイベント
登壇者:福嶋敬恭(本展出品作家)、岩城見一(京都大学名誉教授/美学)、上村博(京都造形芸術大学教授/美学)
司会:以倉新(静岡市美術館学芸課長)
2015年9月26日(土)14:00-16:30(開場:13:30)
会場:静岡市美術館 多目的室
定員:50名
無料、申込不要

アーティストトーク
2015年8月4日(火)14:00-14:30 ※既に終了
2015年9月27日(日)14:00-14:30
会場:静岡市美術館 エントランスホール
無料、申込不要


静岡市美術館 開館5周年ロゴマーク デザイン:柿木原政宏

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