若林奮 飛葉と振動 @ 名古屋市美術館


「日の出、日没 Ⅰ (グラマンTBFを見た)」1970年 神奈川県立近代美術館蔵 撮影:山本糾

若林奮 飛葉と振動
2015年4月18日(土)-5月24日(日)
名古屋市美術館
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/
開館時間:9:30-17:00(金曜は20:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、5/4は開館)、5/7

名古屋市美術館では、長きにわたり深い自然観に基づく思索的な作品を発表し続けた日本を代表する彫刻家、若林奮の個展『若林奮 飛葉と振動』を開催している。

若林奮は1936年東京生まれ。幼少期に戦争を体験した若林は、55年に東京藝術大学に入学し彫刻を学ぶ。59年に卒業すると62年には第47回二科展で金賞を受賞。その後も現代日本彫刻展で神奈川県立近代美術館賞(1967)、東京国立近代美術館賞(1969)、東京都美術館賞(1977)を受賞、80年と86年にヴェネツィア・ビエンナーレ日本館展示に出品、87年には東京と京都の国立近代美術館で個展『今日の作家 若林奮展』を開催するなど、日本を代表する彫刻家としての地位を確立する。戦後の高度経済成長期、社会が大きく変化していく中で、若林は時間の推移や運動によって変化する環境のあり方を、自らとの関係を通じて彫刻として造形、世界の本質を考察し続けた。90年代後半には、『若林奮 1989年以後』が名古屋市美術館、神奈川県立近代美術館、大原美術館、高知県立美術館を巡回、『ISAMU WAKABAYASHI』がドイツを巡回。2002年には、自身の制作における重要な概念「振動尺」の再考、展開を試みた「水没」シリーズを含む本格的な回顧展『若林奮展』を豊田市美術館で開催した。2003年10月に東京都杉並区の病院で死去。生前は武蔵野美術大学や多摩美術大学教授を歴任した。

最晩年の彫刻作品につけられた名前をタイトルとする本展では、この「飛葉」と「振動」というふたつの言葉を手掛かりに、彫刻やドローイング、模型、資料類を交えて、若林の最も重要な主題である「庭」をめぐる作品から生涯にわたる創作の歩みを紹介する。同美術館では97年以来およそ20年振りの若林奮展の開催となる。また、府中市美術館、神奈川県立近代美術館など国内5会場を巡回する本展だが、愛知県美術館蔵の「大気中の緑色に属するもの Ⅰ」(1982)、「大気中の緑色に属するものの制作ノート」(1981-82)、また、「多くの川を渡り 再び森の中へ」(1986)の18点一括の展示は名古屋市美術館のみとなる。

また、同美術館近くのケンジタキギャラリー(名古屋)でも、4月11日から5月23日まで『若林奮展』を開催している。


「雰囲気」1980-2000年 WAKABAYASHI STUDIO蔵 撮影:山本糾

関連イベント
講演会「1974年在外研修 フランス、スペイン、エジプト」 ※既に終了
淀井彩子(画家)
2015年4月18日(土)14:00-
会場:名古屋市美術館 講堂
定員:180名(先着順)、無料

鼎談「若林さんのこと」
青木野枝(彫刻家)
鈴木省三(画家)
袴田京太朗(彫刻家)
進行:角田美奈子(名古屋市美術館学芸員)
2015年4月29日(水・祝)13:30-
会場:名古屋市美術館 講堂
定員:180名(先着順)、無料

講演会「若林奮と言葉」
市川政憲(美術評論家)
2015年5月10日(日)14:00-
会場:名古屋市美術館 講堂
定員:180名(先着順)、無料

解説会
角田美奈子(名古屋市美術館学芸員)
2015年5月16日(土)14:00-
会場:名古屋市美術館 講堂
定員:180名(先着順)、無料

若林奮 展
2015年4月11日(土)-5月23日(土)
ケンジタキギャラリー、名古屋
http://www.kenjitaki.com/
開廊時間:11:00-13:00 / 14:00-18:00
休廊日:日、月、祝、5/1-5/11

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