カンバセーション_ピース:かたちを(た)もたない記録 @ 武蔵野市立吉祥寺美術館


小西紀行「untitled」2015年

カンバセーション_ピース:かたちを(た)もたない記録
2016年1月16日(土)-2月28日(日)
武蔵野市立吉祥寺美術館
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/
開館時間:10:00-17:30
休館日:1/27、2/15、2/24

武蔵野市立吉祥寺美術館では、油彩で家族/人間を描き続けている小西紀行と、市井の人々による記録の価値を探究しているAHA!のそれぞれの作品を通じて、定まったかたちや居場所を持たない、あるいは保たない「記録」の可能性を問う企画『カンバセーション_ピース:かたちを(た)もたない記録』を開催する。

小西紀行は1980年広島県生まれ。2010年より拠点を広島の離島に移し、祖父がかつて暮らしていた家に住みながら、自分自身の家族写真をもとに「人間」を描き続けている。2000年代中頃より本格的な発表をはじめ、『絵画、それを愛と呼ぶことにしようαMプロジェクト2012』での個展やSOMA美術館(ソウル)、国立国際美術館などの企画展で作品を発表。そのほか、アジアの現代美術の新進アーティストを対象とした「プルデンシャル・アイ・アワード2016」の絵画部門の最終候補に選出されている。本展では、展示空間を家屋に見立て、新作の絵画を展示する。

AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]は、8ミリフィルムにこめられた「記録」に向けられた熱度に着目し、その収集、公開、保存、活用を進めるプロジェクトとして、2005年、remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]を母体に始動。プロジェクト毎に共同者を募り、これまでに大阪市内を中心に福岡市、茨城県大子町、大垣市、青森市、世田谷区などでも活動を展開している。本展では、家庭での上映会の過程でフィルム映像から呼び起こされたさまざまな「会話」を、市民から提供された写真や映像などとともに、一冊の「本」というかたちに再構成。会期中に、AHA!が編んだ本『あとを追う』のための読書の「場」をしつらえる。

小西の絵画、AHA!による文章や映像が交錯する空間で「ありふれた光景」に触れる
ことで、さまざまな人の中に異なる記憶が再生され、発話が生まれていく。本展で
は、そのようなしなやかな「記録(アーカイブ)」のあり方を探っていく。


Above:小西紀行「untitled」2015年
Below:AHA!,8ミリフィルム『アーポー日記』(1958~1959年)より

関連企画
小西紀行+AHA!ギャラリートーク
2016年1月17日(日)14:00-15:30
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館ロビーならびに企画展示室
※予約不要

小西紀行トーク「質疑応答」
2016年2月20日(土)14:00-15:30
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館音楽室
定員:90名(要申込、先着順)
※2月2日(火)10:00より電話(0422-22-0385)または美術館窓口にて(定員に達し次第締切)

AHA!トーク「『あとを追う』——そのあとを追う」
松本篤(AHA!)
2016年2月28日(日)14:00-15:30
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館音楽室
定員:90名(要申込、先着順)
※2月2日(火)10:00より電話(0422-22-0385)または美術館窓口にて(定員に達し次第締切)


AHA!『あとを追う』2015~2016年

『あとを追う』関連ワークショップ「3つの読書会」
進行:AHA!
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館音楽室
定員:各日5名(各日毎に要申込、先着順)
資料代:500円
※2月2日(火)10:00より電話(0422-22-0385)または美術館窓口にて(定員に達し次第締切)
読書会その1:『あとを追う』
2016年2月21日(日)14:00-15:30
※本展のために制作された『あとを追う』を題材に、「記録を読むこと」について考える。
読書会その2:『十六歳の日記』
2016年2月26日(金)18:00-19:30
※川端康成『十六歳の日記』を題材に、「人間が過去に失つて行くもの」について考える。
読書会その3:『ペン習字 軍人模範慰問文』
2016年2月27日(日)14:00-15:30
※戦時中に出版慰問文の文例集を題材に、「なぞること」について考える。

Copyrighted Image