美術は語られる—評論家・中原佑介の眼— @ DIC川村記念美術館


来日したハンス・リヒターを囲んで 1966年(左より 瀧口修造、中原佑介、ハンス・リヒター)
撮影者不詳 ハンス・リヒターのサイン入り 中原佑介コレクション

美術は語られる—評論家・中原佑介の眼—
2016年2月11日(木、祝)-4月10日(日)
DIC川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/
開館時間:9:30-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、3/21は開館)、3/22
※2月14日(日)はDIC株式会社創業記念日につき入館無料

DIC川村記念美術館は、戦後日本美術を代表する評論家として活躍した中原佑介の仕事から、1960年から70年代の美術の日本での受容を、所蔵作家を中心に振り返る企画展『美術は語られる—評論家・中原佑介の眼—』を開催する。

中原佑介は1931年兵庫県生まれ。京都大学理学部で物理学を専攻し、修士課程在学中に執筆した「創造のための批評」が、『美術批評』誌の第2回美術評論募集の一席を受賞。以後、美術評論家としての活動をはじめる。美術作品の本質を既成の意味を超えたナンセンスに求める『ナンセンスの美学』(1962)や、新たな素材と空間を追求した20世紀の彫刻を独自の理論から概観する『現代彫刻』(1956)をはじめ、数多くの著作、評論集を残す一方で、同時代作家たちの仕事をみいだして、『不在の部屋展』(内科画廊、1963)や『人間と物質展』(東京都美術館ほか、1970)などの展覧会企画を実現、パリ・ビエンナーレ(1967)、サンパウロ・ビエンナーレ(1973、75)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1976、78)の日本館コミッショナーを務めた。そのほか、水戸芸術館芸術総監督や京都精華大学教授および学長、兵庫県立美術館館長、美術評論家連盟会長などを歴任。2011年に享年79歳で他界。

本展は、中原と交友のあった作家、評した作家を数多く含むDIC川村記念美術館所蔵作品を中原の視点からとらえ直し、当時の出版物などの一部を紹介するとともに、中原の元に残された小品のコレクションから約40点を選んで展示を構成する。出品作家には、中原の評論活動初期に多大な影響を与えた瀧口修造や岡本太郎、同世代であり、新しい美術を目指す同志でもあった河原温やハイレッド・センター、クリストなど中原と交友を持った海外作家、著書『現代彫刻』で取り上げた山口勝弘、コンスタンティン・ブランクーシなど。また、中原のアルバムや著作など資料に焦点をあてた展示も行なう。

会期中には、登壇者に中村宏(画家)、福住廉(美術評論家)、渡部葉子(慶應義塾アートセンター教授)を迎えたシンポジウムや学芸員によるギャラリートークなどを開催する。


Above:高松次郎「(平面上の空間)」1974年 中原佑介コレクション ©The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates.
Below:李禹煥「刻みより」1972年 中原佑介コレクション ©Lee Ufan.

関連企画
シンポジウム
パネリスト:中村宏(画家)、福住廉(美術評論家)、渡部葉子(慶應義塾アートセンター教授)
2016年3月6日(日)13:30-16:00
※詳細決まり次第、公式ウェブサイトに掲載。

そのほかの関連企画は、美術館公式ウェブサイトを参照。


Above:クリスト「囲まれた島々、フロリダ州マイアミ、ビスケーン湾のプロジェクト」1982年
中原佑介コレクション. Below:「7200mの線」を描くマンゾーニ 1960年 撮影:Ole Bjorndal Bagger 中原佑介コレクション DR.

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