驚くべきリアル スペイン,ラテンアメリカの現代アート—MUSACコレクション— @ 東京都現代美術館


ハビエル・テジェス「保安官オイディプス」2006年 MUSAC蔵 ©Javier Téllez, Courtesy: MUSAC

驚くべきリアル スペイン,ラテンアメリカの現代アート—MUSACコレクション—
2014年2月15日(土)-5月11日(日)
東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/
開館時間:10:00-18:00 入場は17:30まで
休館日:月(ただし、5/5は開館),5/7

東京都現代美術館では、慶長遣欧使節団派遣400周年を記念した「日本スペイン交流400周年事業」の一環として、スペインのカスティーリャ・イ・レオン現代美術館(MUSAC)のコレクションから、「驚くべきリアル」のテーマのもと、27組のアーティストの作品を紹介する。企画は東京都現代美術館チーフ・キュレーターの長谷川祐子、MUSACジェネラル・コーディネーターのクリスティン・グスマン、東京都現代美術館学芸員の小高日香理。

MUSACは現代美術及び現代文化を扱う市民に開かれた場を目指し、2005年にスペイン北西部のレオンに開館。以来、80年代初期以降の現代美術を精力的に収集し、そのコレクションは400名以上のアーティストによる1,650点以上もの作品数に及んでいる。

スペイン美術には17世紀以降、ベラスケスやゴヤといったリアリズムの系譜が存在し、80年代以降のアントニオ・ロペス・ガルシアに代表されるマドリード・リアリズムにも継承されている。スペイン美術における「リアル」とは対象を精密に再現するという描画上の特質を意味せず、それは超自然なもの、幻想的なものまでを、日々の身の回りのものが手で触れられるのと同様に、地上に引き下ろして対話しようとする欲望から来ており、その表現はしばしば日常的な光景やモノの「誇張」(esperpento)という形でみることができる。また、その誇張は生と死との独特の緊張関係から生まれており、本展の出品作品にもそのような「リアル」を読み取ることができるだろう。


ピラール・アルバラシン「ミュージカル・ダンシング・スパニッシュ・ドール」2001年 MUSAC蔵 ©Pilar Albarracín, Courtesy: MUSAC

出品作家は、権威の象徴となるモニュメントや建築、乗り物などを利用したプロジェクトを行なうフェルナンド・サンチェス・カスティーリョ、精神病患者とのコラボレーションで、既存の物語を読み直し、フィクションとドキュメンタリーの狭間に位置する映像作品をつくることで知られるベネズエラ出身のハビエル・テジェス、共産主義国家におけるプロパガンダや愛国主義を比喩的に問うキューバ出身のディアンゴ・エルナンデス、さらには、昨年の第55回ヴェネツィア・ビエンナーレのスペイン館代表であるララ・アルマルセーギや昨年のハッセルブラッド国際写真賞を受賞したジョアン・フォンクベルタなど27組。

会期中には、MUSAC館長のマヌエル・オルベイラ、本展キュレーターの長谷川祐子、クリスティン・グスマン、出品作家のエンリケ・マルティ、カルロス・ガライコア、カルメラ・ガルシア、片山薫が登壇するトークイベント「スペインアートの現在(いま)」などの企画が予定されている。

関連イベント
「スペインアートの現在(いま)」トークイベント
マヌエル・オルベイラ(MUSAC館長)
長谷川祐子、クリスティン・グスマン(本展キュレーター)
エンリケ・マルティ、カルロス・ガライコア、カルメラ・ガルシア、片山薫(出品作家)
2014年2月15日(土)14:00-
会場:東京都現代美術館 B2F講堂


: フェルナンド・サンチェス・カスティーリョ「馬に捧げる建築」2002年 MUSAC蔵 ©Fernando Sánchez Castillo, Courtesy: MUSAC. : マリナ・ヌニェスマリナ・ヌニェス「モンスターシリーズ」より 1999年 MUSAC蔵 ©Marina Núñez, Courtesy: MUSAC.

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