展覧会ドラフト2015 川村麻純『鳥の歌』@京都芸術センター


取材先で手に入れた資料(台湾の古地図、家族写真、楽譜、台湾の学校で使わ
れていた教科書など)

展覧会ドラフト2015 PARASOPHIA特別連携プログラム
川村麻純『鳥の歌』
2015年3月7日(土)-5月10日(日)
京都芸術センター
http://www.kac.or.jp/
開館時間:10:00-20:00
会期中無休

京都芸術センターでは、記憶を手掛かりとした語りを通じて、「他者」の存在とはなにかを探求してきた川村麻純の個展『鳥の歌』を、展覧会ドラフト企画として開催する。

川村麻純は1975年千葉県生まれ。2012年に東京藝術大学大学院を修了。翌2013年には、shiseido art eggに入選し、インタビューに基づいた音声と、母娘、姉妹の映像を対面させたインスタレーション「Mirror Portraits」を発表。繊細な手つきで、個人の記憶を扱い、物語を紡ぎ出し、親密な空間を創出した。

本展では、第二次世界大戦前後に生まれた日本人と台湾人の夫婦に着目し、インタビューをもとに個人の半生を再構成し、日本と台湾の歴史を再考する。川村は夫婦という普遍的な関係を題材にしながらも、その中に見え隠れする歴史を引き出すために6名の女性に行なったインタビューを編集した映像を、リサーチやインタビューの過程で手にした写真や地図、資料とともに展示する。展覧会タイトルは、スペインのカタルーニャ地方に生まれたパブロ・カルザスの愛奏曲、カタルーニャの民謡「鳥の歌」からとられたもので、カルザスはこの歌を故郷への思いと平和への願いを結びつけて演奏したと言われている。

展覧会ドラフトは、京都芸術センターが「作家ドラフト」と隔年で取り組んでいるプログラムで、「いま求められる展覧会とは?」という命題をもとに展覧会企画を公募し、書類審査とプレゼンテーション審査を経て最終的に選出された企画を展覧会として実施する。今回は、同時期に開催するPARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭の特別連携プログラムとして、審査員を同芸術祭アーティスティック・ディレクターの河本信治が務めた。

会期中には、川村とPARASOPHIA参加作家王虹凱[ワン・ホンカイ]、やなぎみわとの対談が予定されている。


取材に応じてくださった夫婦の結婚式の写真

関連イベント
対談1 川村麻純 x 王虹凱[ワン・ホンカイ]
2015年3月7日(土)16:00-
会場:京都芸術センター・ミーティングルーム2
※逐次通訳あり

対談2 川村麻純 x やなぎみわ
2015年3月14日(土)16:00-
会場:京都芸術センター・ミーティングルーム2


日本統治時代に大規模な建設が開始された基隆(キールン)港の風景と記録資料

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