ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように @ 水戸芸術館現代美術ギャラリー


「思春期 #16」2011年、写真

ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように
2014年11月8日(土)-2015年2月1日(日)
水戸芸術館現代美術ギャラリー
http://arttowermito.or.jp/
開館時間:9:30-18:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、12/27-1/3

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、韓国を代表する現代美術家のヂョン・ヨンドゥの初期作品から最新作までを一挙に公開する個展を開催する。企画担当は高橋瑞木(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)。

ヂョン・ヨンドゥは1969年晋州生まれ。子供から老人まで幅広い世代を被写体として、人々の記憶や未来の夢、幻想をモチーフに、写真や最新の映像デバイスを使用して制作した作品で知られる。ヂョンは夢や理想と現実、過去と未来のように相反する要素を写真や映像の中で統合する一方、写真や映像といった媒体が、肉眼では見逃してしまう現実を浮き彫りにする機能を持っていることに注目している。これまでに、第51回ヴェネツィア・ビエンナーレ韓国館(2005)をはじめとする数多くの国際展、企画展に参加しており、2007年には最年少で韓国のアーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞している。日本国内でも90年代から横浜、福岡、東京、沖縄、香川などで企画展に参加、近年も国立新美術館のアーティスト・ファイル(2013)、第4回恵比寿映像祭(2012)に出品している。


「東京物語-B cameraシリーズ」2013年、二連の写真

本展は美術館規模では日本国内初の個展であり、展覧会タイトルには中国の文学者、魯迅の短編小説「故郷」の一節を引用している。出品作品は、さまざまな国からの移民が地域ごとに暮らす街の特性を活かして制作された映像作品「Six Points」(2010)、見慣れた街の風景を映画の中のような異世界に変化させる映像のトリックを応用した「日常の楽園」(2010)、鑑賞者が映画の中の登場人物になった気分を味わうことができる体験型映像作品「ドライブ・イン・シアター」(2013)といった代表的なものに加えて、水戸で出会った盲目のマッサージ師、白鳥健二が撮影している写真をもとにした映像作品、韓国を代表するマジシャン、イ・ウンギョルやジャズピアニストの小曽根真と水戸の街角を舞台にコラボレーションした映像作品、新世代ゴーグル型3Dデバイスで鑑賞する体験型の新作を発表する。写真から最新の映像デバイスを使ったメディアアートまで、新しい視覚体験やウィットにとんだ映像作品を通して記憶と忘却、希望の意味を問う展覧会となる。

なお、水戸芸術館では『クリテリオム89 GABOMI』を同時開催するほか、日比野克彦「明後日朝顔プロジェクト水戸2014収穫祭」を11月23日、街なか展示「コーヒー&アート」Vol.4 古橋香を11月15日から2015年1月11日まで開催する。

関連イベント
展覧会開催記念講演「ファンタジーとリアリティのあいだ—危機の時代の想像力」
講師:ソ・キョンシク[徐京植](作家)
2014年11月8日(土)14:00-15:30(開場:13:30)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー内ワークショップ室
定員:80名(先着順)

キュレータートーク
2014年11月15日(土)14:00-15:30
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー

シンポジウム「今、私たちの隣に誰がいるのか?」
飯田志保子(キュレーター/東京藝術大学先端芸術表現学科准教授)
窪田研二(キュレーター/筑波大学芸術系准教授)
ソ・ジンソク(Alternative Space LOOPディレクター)
シン・ボスル(トータルアートミュージアムチーフキュレーター)
相馬千秋(アートプロデューサー)
高橋瑞木(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)
チェ・キョンファ(東京都現代美術館学芸員)
チェ・ビンナ(Cascoディレクター)
ぺ・ミョンジ(Coreana Museum of Art space*C チーフキュレーター)
2015年1月18日(日)14:00-17:00(開場:13:30)
会場:水戸芸術館会議場
定員:60名(先着順)同時通訳付き

※そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。

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