記述の技術 @ ARTZONE


小森はるか+瀬尾夏美「波のした、土のうえ」2014年

記述の技術
2016年5月21日(土)-6月12日(日)
ARTZONE
http://artzone.jp/
開廊時間:13:00-20:00(土日祝は12:30から)
会期中無休

展覧会企画:林田新(京都造形芸術大学専任講師)、櫻井拓(編集者)

京都造形芸術大学アートプロデュース学科が運営するアート・スペースARTZONEでは、映像の記録性がもはや自明ではなくなった現在におけるドキュメンタリー的実践を通じて、今日における〈記述の技術〉の奥行きと広がりを提示する企画展『記述の技術』を開催する。

出展作家の小森はるか+瀬尾夏美、佐々木友輔、髙橋耕平の作品は、映像に加えて、オーラル・ヒストリー、ドローイング、文学作品、楽譜などさまざまな媒体を複雑に構成することによって、従来のドキュメンタリーが依拠していた対象への窃視的観察という手法やカメラによる現実の客観的描写といった通念にとらわれることのない、現実的な事象や歴史へのアプローチを見せている。

本展では、小森+瀬尾は東日本大震災以後に東北に移住し、被災地の様子の記述により培ってきた技術を「終戦」というテーマに援用した新作を発表。佐々木は茨城の貧農の暮らしを描いた長塚節の長編小説『土』(1910)を原作に、郊外化を経た現在の茨城を撮影した長編映像作品「土瀝青 asphalt」(2013)、髙橋は観菩提寺の御詠歌「松風」を継承する村人たちを取材した映像作品と唱歌譜によって構成した「となえたてまつる」(2015)と、京都のアートウォッチャーであるひとりの男性の映像と彼が語る半生を綴った年表からなる「HARADA-san」(2013)を展示する。

会期初日には、ARTZONEに隣接するMEDIA SHOPでアーティストトークが開催される。

関連企画
アーティストトーク
2016年5月21日(土)18:00-20:00
会場:MEDIA SHOP(京都市中京区河原町通三条下る大黒町44)
入場料:500円(京都造形芸術大学の生徒は学生証提示で無料)


Above: 佐々木友輔「土瀝青 asphalt」2013年. Below: 髙橋耕平「となえたてまつる」2015年.

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