IN SITU – 1(ソ・ミンジョン)@ エスパス ルイ・ヴィトン東京


Min-Jeong Seo Sum In a Point of Time-III (2013) © Min-Jeong Seo

IN SITU – 1
2014年9月13日(土)-2015年1月4日(日)
エスパス ルイ・ヴィトン東京
http://espacelouisvuittontokyo.com/
開廊時間:12:00-20:00
休廊日:不定休

エスパス ルイ・ヴィトンでは、パリ、東京、ミュンヘンの3カ所にて、共同プロジェクト『IN SITU – 1』を開催する。エスパス ルイ・ヴィトン東京では、昨年、あいちトリエンナーレ2013に参加し、名古屋市市政資料館の地下留置所をモチーフにしたインスタレーション「Sum In a Point of Time – III[ある時点の総体 Ⅲ]」(2013)を発表したソ・ミンジョンがオープンアトリエ形式の展覧会に挑む。

『IN SITU – 1』とは、エスパス ルイ・ヴィトンがさまざまなレベルで進めている、革新的なアートの形式を表現したものであり、第1弾となる今回はあらゆるクリエイティブな分野で活躍する優れた女性にオマージュを捧げるというメゾンの方針を継続して、3名の女性アーティストが選出された。本企画はエスパス ルイ・ヴィトン初となるオープンアトリエ形式の展覧会で、各会場にて3名のアーティストが「ブランクページ(白紙状態)」から自由に作品を制作していき、展示を完成させる。


Above: Min-Jeong Seo The Remains (2012) © Min-Jeong Seo. Below: Min-Jeong Seo Bird (2012) © Min-Jeong Seo.

東京会場で制作に挑むアーティストに選出されたソ・ミンジョンは1972年釜山生まれ。弘益大学(ソウル)、多摩美術大学大学院、シュトゥットガルト州立アカデミーを経て、現在はベルリンを拠点に活動している。版画や陶芸、ファインアートの分野における豊富な知識を活かし、多様な素材を用いて、ドローイング、映像、写真、彫刻、立体作品、インスタレーションとさまざまな媒体の作品を発表している。その作品には作家自身の韓国、日本、ドイツでの学びや経験から得た多文化的で普遍的な視点が散見される。あいちトリエンナーレで発表した「Sum In a Point of Time – III」は、ドイツのベルヴューザールで発表された「Summe im Augenblick」の流れに位置づけられる作品で、ソの制作において最も重要なテーマである時(瞬間、過去、あるいは未来)の概念や、生の儚さと不確定性を詩的に表現している。これまで、デルデン(オランダ)のペロン1(2010)やソウルのインサ アートスペース(2012)の個展をはじめ、ブダペストの韓国文化院、ベイルートの総合文化フォーラムなどの企画展に参加している。

本展では、作家自身の心境の変化はもちろん、エスパス ルイ・ヴィトン東京のガラス張りの空間やそこから見える景色、来場者とのコミュニケーションなどさまざまな要素に影響や刺激を受けながら制作を行なっていく。会期中にトークやワークショップが企画され、これらもまた、制作に影響を与える要素となる。

既に開催されているパリ会場では、フェミニズムや労働者の権利、地球温暖化、エイズなどの公民権運動を支持する作品で知られるアンドレア・バワーズが制作を行ない、東京会場とほぼ同時開催のミュンヘン会場では、ドクメンタ13(2012)や第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ・オーストラリア館(2013)などに参加し、特定の地域での体験や個人的な経験と世界との関係に注目した映像、インスタレーションなど多様な表現で知られるシムリン・ギルが制作を行なう予定。ギルにとっては、ドイツで行なわれる初の個展となる。なお、東京会場内には特設コーナーが設置され、パリおよびミュンヘンの作品制作風景を見ることができる。


Above: Andrea Bowers No Olvidado (Not Forgotten). Below: Simryn Gill Untitled (2006) © Photo: Andrew Dunkley, Courtesy of the artist and Tracy Williams, Ltd., New York.

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