高松次郎 制作の軌跡 @ 国立国際美術館

高松次郎 制作の軌跡
2015年4月7日(火)-7月5日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00-17:00(金曜は19:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、5/4は開館)

国立国際美術館では、回顧展を含む美術館規模の個展を通じて、近年さまざまな角度から研究されている高松次郎の制作活動の変化や広がりを、時間軸に沿って、ほぼ1年ごとの推移として明らかにしようと試みる特別展『高松次郎 制作の軌跡』を開催する。展覧会担当は、中西博之(国立国際美術館主任研究員)。

高松次郎は1936年東京生まれ。58年に東京藝術大学を卒業し、61年から読売アンデパンダン展で作品を発表、62年には中西夏之、赤瀬川原平とハイレッド・センターを結成する。60年代中頃には「影」のシリーズの制作をはじめると、第34回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館(1968)やドクメンタ6(1977)に参加するなど、日本を代表するアーティストとして知られていく。高松は制作活動において、技法や素材を限定することなく、「点」、「影」、「遠近法」、「単体」、「複合体」、「平面上の空間」、「形」など、複数のシリーズを展開させたが、1998年6月に62歳の若さで他界した。

国立国際美術館では、「影」の壁画を所蔵しており、1999年には「影」の絵画とドローイングによる回顧展を開催している。近年は、全ドローイング集や著述集の出版、アトリエに保管されていた作品の紹介と研究が進むとともに、府中市美術館、北九州市立美術館で『高松次郎—思考の宇宙』(2004)、広島市現代美術館で『コレクション展3 高松次郎コレクションin Hiroshima 点、線、不在のかたち』(2009)、東京国立近代美術館で『高松次郎ミステリーズ』(2014-2015)といった充実した展覧会が続いている。

本展は、こうした現状を踏まえながら、絵画、版画、立体作品のみならず、ドローイング、書籍・雑誌の装幀、絵本の挿画、さらに記録写真などを再調査した上で、展覧会の構成を検討し、初期から晩年まで代表的なシリーズ作品の展開や各シリーズ間の移行を推論に基づき再構成する。また、高松の関心事の変化を微細かつ総合的に示す、紙による作品(ドローイング)約280点の展示や、書籍・雑誌の装幀の仕事を包括的に紹介する初の試み、高松次郎旧邸からアトリエを移築し、保管されていた記録写真約40点を初公開する。

関連イベント
講演会「タイトル未定」
講師:北澤憲昭(美術評論家、美術史家、女子美術大学教授)
2015年7月4日(土)14:00-
会場:国立国際美術館 地下1階講堂
定員:130名(無料)
※当日10:00から整理券を配布

そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。
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