『DAN FLAVIN』@ エスパス ルイ・ヴィトン東京


「3月2日のもう1つの「斜め線」(ドン・ジャッドへ)」1964年
Courtesy Fondation Louis Vuitton © ADAGP, Paris 2017

『DAN FLAVIN』
2017年2月1日(水)-9月3日(日)
エスパス ルイ・ヴィトン東京
http://espacelouisvuittontokyo.com/
開廊時間:12:00-20:00
休廊日:ルイ・ヴィトン表参道店に準ずる

エスパス ルイ・ヴィトン東京では、フォンダシオン ルイ・ヴィトンのコレクションの中から、ミニマリズムの主唱者のひとりとして、蛍光灯を用いた作品で知られるアーティスト、ダン・フレイヴィンの60年代から80年代にかけて制作された作品を紹介する。

ダン・フレイヴィンは1933年ニューヨーク生まれ。兵役のため米空軍気象技師として韓国に滞在した54年から55年にかけてメリーランド大学のエクステンションプログラムにて美術を学ぶ。帰国後、ハンス・ホフマン美術学校、ニュースクール大学を経て、コロンビア大学で美術史を学びながら制作活動に取り組む。61年にジャドソン・ギャラリーで初個展を開催する。61年から63年にかけて制作した「Icons(イコン)」シリーズで、初めて「光」を素材に使用。64年のケイマー・ギャラリーのグループ展で同シリーズを発表。同年のグリーン・ギャラリーの個展では蛍光灯を用いた作品のみで展示を構成した。以来、フレイヴィンは「光」を素材に作品と展示空間、鑑賞者と作品が配置された展示空間の関係性をめぐる実践を追求。70年代に入ると大規模なサイトスペシフィック・インスタレーションにも取り組み、バーゼル市立美術館の中庭(1975)やニューヨークの中央駅(1977)などで発表している。83年にはニューヨークのブリッジハンプトンにある消防署や教会として使用されていた建物を、Diaアート・ファウンデーションとともに改修し、「ダン・フレイヴィン・アート・インスティテュート」を設立、作品の常設展示を行なう。96年の死後も、大規模な回顧展が開かれ、ミラノの教会サンタマリア・アヌンチャータ・キエーザロッサ(1997)、テキサスのメニル・コレクション(1998)、同じくテキサスのチナティ・ファンデーション(2000)などに大規模なインスタレーションが設置されている。

本展では、フレイヴィンが64年から90年まで継続的に制作していたウラジーミル・タトリンに捧げられたシリーズから「V・タトリンのための”モニュメント”」(1964-65)、「V・タトリンのための”モニュメント”」(1967)、「V・タトリンのための”モニュメント”」(1969)、 「V・タトリンのための”モニュメント”」(1970)の4点に加え、「無題」(1963)、「3月2日のもう1つの「斜め線」(ドン・ジャッドへ)」(1964)、「無題(アレックスとニッキーへ)」(1987)の計7点を展示する。

なお、本展は先のピエール・ユイグの個展に続き、フォンダシオン ルイ・ヴィトンがこれまでに公開してこなかった所蔵品を紹介する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プロジェクトの一環として企画された。


「V・タトリンのための”モニュメント”」1964-65年
Courtesy Fondation Louis Vuitton © ADAGP, Paris 2017


「V・タトリンのための”モニュメント”」1970年
Courtesy Fondation Louis Vuitton © ADAGP, Paris 2017


「無題(アレックスとニッキーへ)」1987年
Courtesy Fondation Louis Vuitton © ADAGP, Paris 2017

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