ヴェネツィア・ビエンナーレ、生涯功績への金獅子賞受賞者決定


Marisa Merz. at Gladstone Gallery, 2013

2013年5月6日、ヴェネツィア・ビエンナーレの評議会は、来月1日より開催される第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展『Il Palazzo Enciclopedico(エンサイクロペディック・パレス)』における「生涯功績への金獅子賞」をマリア・ラスニックとマリサ・メルツに授賞することを発表した。授賞式は同ビエンナーレのオープニング内で行なわれる。

マリア・ラスニックは1919年にオーストリアのカッペルに生まれ、現在はウィーンを拠点に活動している。活動初期より60年以上にわたり、身体および個人の表象をセルフポートレートを通して探究するアーティストとして知られ、自己分析の道具として絵画を用いる「ボディ–アウェアネス・ペインティング」と彼女が呼ぶ方法により、自己表現に関する私的なエンサイクロペディア(百科事典)を築いている。1980年の第39回ヴェネツィア・ビエンナーレには、オーストリア館代表としてヴァリー・エクスポートとともに参加している。そのほか、ポンピドゥー・センターやウィーン・ルードヴィヒ財団近代美術館、サーペンタインギャラリーをはじめ、世界各地で個展を開催、1982年と1997年のドクメンタを含む多数の国際展、企画展に参加している。また、マッシミリアーノ・ジオーニがアーティスティックディレクターを務めた2010年の第8回光州ビエンナーレにも参加している。

一方、マリサ・メルツは1931年にイタリアのトリノに生まれ、戦後イタリア美術を代表するアーティストのひとりとして知られる。60年代から、アルテ・ポーヴェラのメンバーであるとともに、個人のアーティストとしても、ステレオタイプな女性の労働を連想させる家事や手作業における技術を反映させた作品で注目を浴びる。以来、根源的なイメージを絵画や彫刻、ドローイングとして具現化する独自の言語を展開させている。これまでにアムステルダム市立美術館やポンピドゥー・センターなどで個展を開催し、ロンドンのテートやニューヨークのグッゲンハイム美術館といった世界各地の美術館での企画展や1992年のドクメンタなど数多くの展覧会に参加している。また、ヴェネツィア・ビエンナーレにも1988年と2001年に参加し、2001年には「生涯功績への特別審査員賞」を受賞している。

ヴェネツィア・ビエンナーレ:http://www.labiennale.org/

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